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インカのめざめは栽培が難しい⁉️失敗しないコツと栽培のやり方完全ガイド

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家庭菜園でインカのめざめを育ててみたいけれど、「栽培が難しい」という評判をよく耳にしますよね。南米アンデスの在来種を北海道農業試験場で改良した早生種のインカのめざめは、確かに一般的なジャガイモと比べて栽培の難しさがあります。

インカのめざめは1株にできるイモが少なく収穫量が限られていることや、小ぶりで長期保存がしにくい特徴があります。また、冷涼な気候を好み、水やりの頻度によっては種イモが腐ったり病気になりやすいという特徴もあります。しかし、栽培のポイントを押さえれば、家庭菜園でも十分に育てることができるのです。

この記事のポイント!

  1. インカのめざめの栽培が難しいとされる具体的な理由
  2. 春植えと秋植えの違いと、初心者向けの植え付け時期
  3. 病気や害虫への対策方法と予防のコツ
  4. 収穫時期の見極め方と保存方法のポイント

インカのめざめ栽培は難しい?初心者でも失敗しない栽培方法を解説

  1. インカのめざめの特徴と栽培の難しさ
  2. 春植えがおすすめ!植え付け時期と適した環境
  3. 収穫量が少ない理由と対策方法
  4. 芽かきのコツと土寄せの重要性
  5. 病気に弱い!要注意の病害虫対策
  6. 冷涼な気候を好む特性と温度管理のポイント

インカのめざめの特徴と栽培の難しさ

インカのめざめは、南米アンデス地域の2倍体在来種を北海道農業試験場で改良して生まれた品種です。2001年に品種登録され、2002年には農林44号として認定されています。

普通のジャガイモと比べて特徴的なのは、その濃い黄色の果肉です。カロテノイド系色素のゼアキサンチンを通常の品種の約7倍含んでおり、栄養価も高くなっています。

栽培が難しいとされる主な理由は、一株あたりの収穫量が少ないことです。平均一個重が約50gと小さく、男爵薯の70%程度の収穫量しか見込めません。

さらに、休眠期間が30日未満と極めて短く、収穫後の保存管理も難しい特徴があります。土の中で芽が動き始めてしまうこともあるため、収穫のタイミングを逃さないよう注意が必要です。

大規模栽培には適さず、生産量が限られているため、市場でもなかなか見かけることのできない希少な品種となっています。しかし、その独特の食味と風味は多くの人々に愛されています。

春植えがおすすめ!植え付け時期と適した環境

インカのめざめの植え付け時期は、春と秋の2回あります。春は3月から4月中旬まで、秋は8月下旬から9月が適期となります。

初心者の方には春の植え付けがおすすめです。秋植えは、種イモの販売期間や植え付け期間が短く、夏から秋の暑さで種イモが腐りやすい問題があります。また、冬の寒さが早いとジャガイモが大きく育ちにくいというデメリットもあります。

植え付けの際は、水はけのよい場所を選びましょう。幅60〜70cmで深さ10cmくらいの植え溝を掘り、30cm間隔で植え付けます。深すぎると芽が出にくくなるので、土が5cm上にのる程度が目安です。

昼と夜の気温差が大きくなるとでん粉量が多くなり、より美味しく育ちます。冷涼な気候を好むため、生育中は気温が高くなりすぎないよう注意が必要です。

植え付けの1週間以上前には、1㎡あたり完熟堆肥2〜3kgと成分8-8-8程度の化成肥料や有機配合肥料を100g程度施して、よく耕しておくことが重要です。

収穫量が少ない理由と対策方法

インカのめざめの収穫量が少ない理由は、その遺伝的特性にあります。4倍体の普通栽培種とは異なる2倍体品種であり、一株あたりのイモの数が制限されています。

一般的な品種と比較すると、上いも収量は「男爵薯」の70%程度にとどまります。平均一個重も約50gとごく小さいため、収穫量を増やすことは容易ではありません。

しかし、栽培面積を広げることで、ある程度は収穫量を確保することができます。また、適切な肥培管理を行うことで、一株あたりの収量を最大限に引き出すことも可能です。

病気への抵抗力が弱く、ウイルス病に罹病しやすい特徴があるため、健全な種イモの選択と適切な管理が重要です。病気による収量低下を防ぐためには、予防的な対策が欠かせません。

早めの植え付けと適切な栽培管理により、収穫量の確保を目指しましょう。植え付けが遅れると、さらに収量が減少する傾向があるので注意が必要です。

芽かきのコツと土寄せの重要性

芽かきは、ジャガイモから出てきた芽が5cm程度に伸びたタイミングで行います。インカのめざめは他の品種に比べて芽の数が圧倒的に多く、10本の芽が出る株もあります。

基本的には2〜3本、多くても4本程度の芽を残すようにします。芽が多すぎると、ジャガイモを成長させる養分が分散してしまい、小芋がたくさんできてしまう原因となります。

芽かきの際は、株元をしっかり抑えて、細い芽を抜いていきます。太くて立派な芽を選んで残すことで、より良い収穫が期待できます。

土寄せは草丈が30cmほどに成長したら行います。土寄せの際に追肥を混ぜると、効果的です。インカのめざめは太陽光に当たると緑色になり、有害物質であるソラニンの含有量が増えるため、土から出たジャガイモはしっかりと土寄せして埋めることが重要です。

芽かき後の土寄せは、強風で芽が折れるのを防ぐためにも重要な作業となります。折れた芽からはジャガイモが収穫できなくなってしまうので、丁寧に行いましょう。

病気に弱い!要注意の病害虫対策

インカのめざめは病害虫に対して特に注意が必要です。ウイルス病に罹病しやすく、明確なモザイク症状を呈することがあります。また、疫病には男爵薯と同程度に弱い特徴があります。

害虫対策として特に注意が必要なのは、テントウムシダマシです。暖かくなってくると発生し、葉を食害します。見つけ次第、捕殺するのが基本的な対策となります。

病気では「そうか病」と「疫病」に特に注意が必要です。そうか病にかかるとイモの表面にかさぶたのような病斑ができます。予防には、健全な種イモの選択と連作の回避が重要です。

疫病になると葉が黒くなりますが、状態が良ければ収穫して食べることは可能です。ただし、雨などで病原菌が土壌に残ると腐敗の原因となるので注意が必要です。

青枯病に対しては「男爵薯」よりも強い抵抗性を持っており、粉状そうか病にも強い特徴があります。ただし、シストセンチュウには抵抗性がないので、この点は要注意です。

冷涼な気候を好む特性と温度管理のポイント

インカのめざめは冷涼な気候を好み、生育中は高温を嫌う特性があります。昼と夜の気温差が大きくなることで、でん粉量が増加し、より美味しく育ちます。

気温管理は収穫量にも大きく影響します。暑すぎる環境では、生育が阻害される可能性があります。特に春植えの場合、梅雨入り前の収穫を目指すことで、高温による影響を避けることができます。

水やりの頻度が多すぎると、種イモが腐ったり病気になるリスクが高まります。土の状態を見ながら、適切な水分管理を心がける必要があります。

収穫したジャガイモは、風通しのよい日陰で土がさらっと落ちるまで乾かし、早めに取り込むことが重要です。長時間日に当てると水分が飛んでシワシワになったり、ソラニンの含有量が増えたりする可能性があります。

保存する場合は、風通しのよい冷暗所で管理しましょう。

家庭菜園でインカのめざめを栽培するコツと失敗しないポイント

  1. 種イモの選び方と保管方法
  2. 畑の土作りと肥料の与え方
  3. 水やりの頻度とタイミング
  4. 収穫時期の見極め方と保存方法
  5. 栽培におけるよくある失敗と対処法
  6. まとめ:インカのめざめは栽培が難しいけど美味しさは格別!初心者の注意点

種イモの選び方と保管方法

種イモは農林水産省の検査機関の検査に合格し、品質が保証されているものを選ぶことが重要です。スーパーなどで販売されているジャガイモは種イモとしては使用できません。

初心者の方は、切らずにそのまま植えられる小さな種イモを選びましょう。目安として1kg当たり20個程度入っているサイズが扱いやすいです。

植え付けの2~3週間前から、種イモの芽出しを行います。毎日朝から夕方まで日なたに並べ、夜は寒さを避けて屋内に取り込みます。約2週間で緑や赤、紫色の硬い芽が出てきたら植え付け適期です。

大きな種イモを使う場合は、芽出し後に1片が約40gになるように切り分けます。切り口には草木灰やハイフレッシュを付けて、1日天日干しして乾かします。長時間の乾燥はしなびの原因となるため注意が必要です。

インカのめざめは休眠期間が極めて短く、保管が難しい特徴があります。冷蔵保存が基本となりますが、それでも発芽しやすい性質があるため、できるだけ早めに使用することをお勧めします。

畑の土作りと肥料の与え方

インカのめざめは酸性の土を好む性質があります。そのため、一般的なジャガイモ栽培で行う石灰による土の酸度調整は不要です。

植え付けの1週間以上前には、1㎡あたり完熟堆肥2~3kgと成分8-8-8程度の化成肥料や有機配合肥料を100g程度施して、よく耕しておきます。

アミノ酸が含まれている海の魚粕、なたね粕、大豆粕などの有機質肥料を施すことで、土壌のミネラルやビタミンが豊富になり、より良い生育が期待できます。

未熟な堆肥の使用は病気の原因となるため避けましょう。特にそうか病の予防には、完熟堆肥の使用が重要です。

土作りの際は、水はけの良さにも注意を払います。排水の悪い場所では、種イモが腐りやすくなる原因となります。

水やりの頻度とタイミング

インカのめざめは水やりの頻度が多いと、種イモが腐ったり病気になりやすい特徴があります。土の状態を見ながら、必要最小限の水やりを心がけましょう。

植え付け直後は水やりをせず、土の保水力に任せます。早期の過度な水やりは、種イモの腐敗を招く可能性があります。

芽が出てからは、土の表面が乾いたら適度に水やりを行います。特に夏場は水不足に注意が必要ですが、与えすぎは病気の原因となります。

雨天や雨上がりの時期は、土の水分が多すぎる状態となり、腐敗の原因となる可能性があります。この時期の追加の水やりは控えめにしましょう。

水やりは、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが望ましいです。葉が濡れた状態で夜を迎えると、病気の発生リスクが高まる可能性があります。

収穫時期の見極め方と保存方法

収穫のタイミングは、葉の7~8割が黄色くなって枯れてきた頃が目安となります。インカのめざめは極早生品種で、「男爵薯」より10日以上早く収穫期を迎えます。

収穫は晴天が続いて土が乾いているときに行います。雨天や雨上がりの収穫は腐りやすくなるため避けましょう。

収穫後は風通しのよい日陰で、土がさらっと落ちるまで乾かします。長時間日光に当てると水分が飛んでシワシワになったり、ソラニンの含有量が増えるため注意が必要です。

保存は風通しの良い冷暗所で行います。インカのめざめは休眠期間が30日未満と極端に短いため、冷蔵保存が基本となります。

収穫したジャガイモを種イモとして使用すると病気が発生しやすいため、次の作付けには新しい種イモを使用することをお勧めします。

栽培におけるよくある失敗と対処法

インカのめざめの栽培でよく起こる失敗の一つが、植え付けの深さです。深すぎると芽が出にくくなるため、土が5cm上にのる程度を目安に植え付けましょう。

芽かきを行わないまま栽培を続けると、小さなイモばかりができてしまいます。他の品種より芽の数が多いため、2~4本程度に整理することが重要です。

土寄せが不十分だと、イモが日光に当たって緑化してしまいます。緑化した部分にはソラニンという有害物質が含まれるため、こまめな土寄せが必要です。

普通のハーベスターでは、平均一個重が約50gと小さいため、掘り残しが大量に発生する可能性があります。手作業での丁寧な収穫が望ましいでしょう。

病気への抵抗力が弱いため、雨の多い時期や高温多湿の環境では特に注意が必要です。予防的な対策と早めの対処を心がけましょう。

まとめ:インカのめざめは栽培が難しいけど美味しさは格別!初心者の注意点

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 農林水産省認定の種イモを使用し、スーパーの食用イモは使用不可
  2. 春植えは3月~4月中旬が適期で、初心者向き
  3. 酸性土壌を好むため、石灰は不要
  4. 一株あたりの収量は男爵薯の70%程度
  5. 芽かきは2~4本に制限し、養分を集中させる
  6. 水やり過多は腐敗や病気の原因となる
  7. 休眠期間は30日未満と極端に短い
  8. 収穫は葉が7~8割黄色く枯れた時期が目安
  9. 緑化防止のため、こまめな土寄せが重要
  10. 保存は冷蔵保存が基本で、早めの使用を推奨
  11. 病害虫への抵抗力が弱く、予防的対策が重要
  12. 昼夜の温度差が大きいほど、でん粉量が増加して美味しく育つ