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イチゴ肥料に鶏糞は使える?✨プロ級の肥料テクニックと失敗しない使い方

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イチゴ栽培において、鶏糞は非常に優れた有機肥料の一つです。他の有機肥料と比べて、窒素・リン酸・カリウムのバランスが3-7-3と理想的な山形の配分を持ち、カルシウムも豊富に含まれています。また、価格も比較的安価なため、家庭菜園でのイチゴ栽培に適した肥料といえるでしょう。

しかし、鶏糞には独特の臭いや使用量の調整など、いくつかの注意点があります。イチゴは肥料過多に弱い作物であり、適切な量と使用時期を守る必要があります。この記事では、鶏糞肥料の特徴から実践的な使用方法まで、イチゴ栽培に活用するためのポイントを詳しく解説していきます。

この記事のポイント!

  1. 鶏糞肥料の栄養成分バランスとイチゴ栽培での効果
  2. 鶏糞の適切な使用量と施肥時期
  3. 発酵鶏糞と乾燥鶏糞の特徴と使い分け
  4. 肥料焼け防止のための具体的な対策方法

イチゴ栽培における鶏糞肥料の基本知識と使い方のコツ

  1. 鶏糞肥料はリン酸が豊富で即効性がある
  2. 鶏糞肥料の栄養バランスはNPK=3-7-3で理想的
  3. 有機肥料の中でも鶏糞はコスパが良い
  4. 鶏糞特有の臭いの原因と対策方法
  5. 鶏糞の適切な使用量と施肥時期
  6. 肥料焼け防止のための注意点

鶏糞肥料はリン酸が豊富で即効性がある

鶏糞が肥料として優れている理由は、生物学的な特徴に関係しています。鳥類は他の動物と比べて腸が極端に短く、歯がないため餌を十分に消化できません。そのため、栄養価の高い状態で排出されることになります。

さらに、鶏は家畜として栄養価の高い餌で育てられているため、その糞には豊富な栄養分が含まれることになります。特に、卵を産むために与えられるカルシウムが豊富な餌の影響で、鶏糞には他の動物性有機肥料にはほとんど含まれていないカルシウムが含まれています。

鶏の特徴として、尿とふんが同時に同じ場所から排出されることも重要です。尿に含まれるアンモニア成分が窒素源となり、より栄養価の高い肥料となっています。

発酵鶏糞と乾燥鶏糞では、効き目に違いがあります。乾燥鶏糞は粉状で即効性がある一方、発酵鶏糞は粒状でゆっくりと効果が持続します。

イチゴ栽培においては、この即効性と持続性を理解して使い分けることが重要です。例えば、元肥として使用する場合は持続性のある発酵鶏糞が、追肥には即効性のある乾燥鶏糞が適しているといえます。

鶏糞肥料の栄養バランスはNPK=3-7-3で理想的

鶏糞の最大の特徴は、窒素・リン酸・カリウムの割合が3-7-3という理想的な山形の配分になっていることです。これは花や実をつける植物の栽培に最適な比率とされています。

特にリン酸が多い組成は、イチゴの花芽形成や実の肥大に効果的です。一般的な有機肥料の代表格である油かすが窒素・リン酸・カリの割合が5-2-2であることと比較すると、鶏糞がいかにバランスの良い肥料であるかがわかります。

カルシウムも豊富に含まれているため、植物を強く育てる効果も期待できます。ただし、土壌のpH調整のためには、別途苦土石灰などの使用も検討する必要があります。

イチゴの適正な土壌pHは5.5~6.5の弱酸性です。鶏糞にはある程度のカルシウムが含まれていますが、土壌のpHを調整できるほどの効果はないため、必要に応じて石灰との併用を検討しましょう。

また、有機肥料である鶏糞は土壌中で発酵して発熱するため、施肥後2週間程度は植え付けを控える必要があります。

有機肥料の中でも鶏糞はコスパが良い

鶏糞が安価な理由は、養鶏産業における鳥の生産量の多さに起因します。鶏の飼育量が多いため、必然的に排出される糞の量も多くなり、供給量が豊富になることで価格を抑えることができています。

一般的な有機肥料と比較しても、鶏糞は価格対効果に優れています。特に、窒素・リン酸・カリウムのバランスが良く、カルシウムも含まれているため、追加の肥料を必要としない場合も多くあります。

鶏糞は主に発酵鶏糞と乾燥鶏糞の2種類が市販されています。発酵鶏糞は粒状で、乾燥鶏糞は粉状のものが多く見られます。使用目的に応じて選択することで、より効率的な肥料管理が可能になります。

家庭菜園やプランター栽培では、匂いの少ない発酵鶏糞を選ぶことで、近隣への配慮も可能です。また、炭化させた製品も販売されており、これならほとんど匂いがないため、ベランダ栽培などでも使用しやすくなっています。

肥料の保管に関しては、水に濡れない場所に置くことが重要です。適切に保管することで、長期間にわたって肥料の効果を維持することができます。

鶏糞特有の臭いの原因と対策方法

鶏糞の最大のデメリットは、その強い臭いです。この臭いの原因は、尿酸という物質にあります。尿酸が空気に触れるとアンモニアに分解され、特徴的な臭気を発生させます。

対策としては、施肥後すぐに土と混ぜ込むことが効果的です。土中に入れることで空気との接触面積が減少し、臭いを大幅に軽減することができます。まきっぱなしの状態を避け、必ず土との混和を行うことが重要です。

発酵鶏糞は一度発酵処理を行っているため、乾燥鶏糞と比べて臭いがマイルドになっています。住宅地での家庭菜園では、発酵鶏糞の使用がおすすめです。

近年では、鶏糞を炭化させた製品も販売されており、これはほぼ無臭で使用することができます。ベランダ菜園や室内園芸でも気兼ねなく使える選択肢として注目されています。

臭いが気になる場合は、施肥作業を風の弱い時間帯に行うなど、周辺環境への配慮も必要です。

鶏糞の適切な使用量と施肥時期

イチゴ栽培における鶏糞の使用量は、1㎡あたり2.5kgまでが目安となります。これは実験的に確認された量で、この範囲内であれば肥料焼けなどの問題は起きにくいとされています。

施肥のタイミングとしては、定植の3~4週間前から準備を始めます。まず苦土石灰を施用し、その2~3週間後に鶏糞などの肥料を土と混ぜ合わせます。

追肥については、10月植え付けの場合、根が活着して生育が盛んになる11月中旬頃に1回目、冬越し後の2月上旬~中旬に2回目、必要に応じて4月上旬に3回目を行います。

施肥後は土との混和を十分に行い、根に直接肥料が触れないように注意が必要です。また、追肥を行う場合は株元から少し離れた位置に置き肥をするのが良いでしょう。

イチゴは肥料過多に弱い作物のため、施肥量には特に注意が必要です。生育状況を見ながら適切な量を調整していくことが重要です。

肥料焼け防止のための注意点

イチゴの肥料焼けは、単純に肥料の使用量が多すぎることが原因です。症状としては、葉先から茶色く枯れていく現象が見られます。イチゴは特に肥料焼けを起こしやすい植物なので、注意が必要です。

予防策として、鶏糞を施用する際は必ず土とよく混ぜ合わせることが重要です。また、肥料を局所的に固めないよう、均一に散布することを心がけます。

追肥を行う場合は、株元から離して施肥を行い、根との直接的な接触を避けます。また、施肥後は適度な水分管理を行い、肥料の急激な溶出を防ぐことも大切です。

発酵鶏糞を使用する場合は、施肥後2週間程度は植え付けを控えましょう。これは、土中での発酵による発熱を考慮した待機期間です。

イチゴの生育状況を観察しながら、過剰な施肥を避けることが肥料焼け防止の基本となります。

イチゴ栽培で鶏糞を活用するための実践的なテクニック

  1. 元肥として使用する場合の配合方法
  2. 追肥としての効果的な与え方
  3. 他の肥料との組み合わせポイント
  4. 露地栽培とプランター栽培での使い分け
  5. 発酵鶏糞と乾燥鶏糞の違いと選び方
  6. カルシウム補給も兼ねた活用法
  7. まとめ:イチゴ栽培における鶏糞肥料の効果的な使い方と注意点

元肥として使用する場合の配合方法

元肥として鶏糞を使用する際は、植え付けの3週間前から準備を始めます。まず苦土石灰を施用し、2~3週間後に鶏糞と土をよく混ぜ合わせます。

使用量の目安は1㎡あたり100ccほどです。イチゴは肥料過多に弱いため、この量を守ることが重要です。土壌全体に均一に混ざるように注意深く作業を行います。

発酵鶏糞を使用する場合は、土中での発酵による発熱を考慮して、施肥後2週間程度は植え付けを控えます。この待機期間を設けることで、根傷みを防ぐことができます。

肥料の混和作業は、スコップや鍬を使って上から下に向かって行います。この際、肥料が固まりにならないよう注意が必要です。固まりができると、部分的な濃度上昇により肥料焼けの原因となります。

最後に畝を平らに整地し、マルチ栽培の準備を整えます。マルチは寒害防止や病害虫予防、雑草対策に効果的です。

追肥としての効果的な与え方

イチゴへの追肥は、10月に植え付けた場合、根が活着して生育が盛んになる11月中旬頃に1回目を行います。その後、冬越しした2月上旬~中旬に2回目、必要に応じて4月上旬に3回目を施します。

追肥を行う際は、株元から少し離れた位置に置き肥をします。これは根との直接的な接触を避けるためです。イチゴの根は非常にデリケートで、濃い肥料に触れると傷むことがあります。

液体肥料を使用する場合は、週1回程度の頻度で施用します。液体肥料は即効性があるため、生育状況を見ながら適切なタイミングで与えることができます。

追肥の量は、生育状況を観察しながら調整します。葉色が濃すぎたり、草勢が強すぎる場合は量を減らす必要があります。逆に生育が遅い場合は、若干量を増やすことを検討します。

また、追肥後は適度な水分管理を行い、肥料の急激な溶出を防ぐことも重要です。

他の肥料との組み合わせポイント

鶏糞とよく組み合わせる肥料として、苦土石灰があります。苦土石灰にはマグネシウムが含まれており、葉の緑を濃くする効果があります。鶏糞にはこの成分が不足しているため、相性が良い組み合わせとなります。

油かすや骨粉などの有機肥料も、イチゴの甘い実をつけるのに効果的です。ただし、これらと組み合わせる場合は、全体の施肥量が多くなりすぎないよう注意が必要です。

化成肥料と併用する場合は、特に注意が必要です。窒素成分が多すぎると、イチゴが徒長したり、実がつきにくくなったりする可能性があります。

堆肥類と併用する際は、鶏糞は肥料として考え、堆肥は土壌改良材として考えると良いでしょう。鶏糞は土をふかふかにする効果は期待できないため、この役割は堆肥に任せます。

また、カルシウムの補給として石灰を使用する場合は、イチゴの適正pHである5.5~6.5を維持できるよう、使用量に注意を払います。

露地栽培とプランター栽培での使い分け

露地栽培では、1㎡あたり2.5kgまでの鶏糞を使用することができます。土壌量が多いため、比較的多めの施肥が可能です。一方、プランターやポット栽培では、容器の大きさに応じて使用量を調整する必要があります。

プランター栽培では、培養土を使用する場合が多くあります。培養土には既に肥料が含まれているものもあるため、その場合は追加の肥料は控えめにします。

露地栽培では発酵鶏糞を使用することが多いですが、プランター栽培では臭いの少ない製品を選ぶと良いでしょう。特に近隣に配慮が必要なベランダ栽培では、炭化鶏糞などの無臭タイプがおすすめです。

水はけの管理も栽培方法によって異なります。プランター栽培では底に排水穴があるため、比較的水はけが良好です。一方、露地栽培では土壌の状態に応じて、必要に応じて排水対策を行います。

また、プランター栽培では液体肥料との組み合わせが使いやすく、潅水と同時に与えることができます。

発酵鶏糞と乾燥鶏糞の違いと選び方

発酵鶏糞は粒状で、効果がゆっくり持続するのが特徴です。一方、乾燥鶏糞は粉状で即効性があります。用途に応じて使い分けることで、より効果的な施肥が可能になります。

肥料の形状の違いは使いやすさにも影響します。粒状の発酵鶏糞は散布が容易で、風で飛びにくい特徴があります。粉状の乾燥鶏糞は、土との混ざりが良い反面、風の強い日の作業は避ける必要があります。

臭いの面では、発酵鶏糞の方が比較的マイルドです。これは発酵過程で臭気が軽減されるためです。近隣への配慮が必要な場合は、発酵鶏糞を選択することをおすすめします。

乾燥鶏糞は水を含むと通常の生鶏糞に戻る性質があるため、保管には特に注意が必要です。必ず乾燥した場所で保管し、使用時も濡れないように注意を払います。

また、最近では炭化処理を施した製品も販売されており、これはほぼ無臭で使用できます。特に家庭菜園やベランダ栽培での使用に適しています。

カルシウム補給も兼ねた活用法

鶏糞には、他の動物性有機肥料にはほとんど含まれていないカルシウムが豊富に含まれています。これは、鶏に与えられる餌に卵の殻を丈夫にするためのカルシウムが多く含まれているためです。

ただし、鶏糞だけでは土壌のpH調整には不十分です。イチゴの適正pHである5.5~6.5を維持するためには、必要に応じて苦土石灰などの補助的な資材を使用します。

カルシウム欠乏症状としてチップバーンが発生することがありますが、これは必ずしもカルシウム不足が原因とは限りません。水分不足や他の養分過多でも同様の症状が出ることがあります。

土壌中のカルシウムは、他の養分とのバランスが重要です。特に窒素が多すぎると、カルシウムの吸収が阻害されることがあります。

施肥設計の際は、鶏糞のカルシウム含有を考慮しつつ、必要に応じて追加の資材を検討します。

まとめ:イチゴ栽培における鶏糞肥料の効果的な使い方と注意点

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 鶏糞はNPK=3-7-3の理想的な栄養バランスを持つ
  2. 使用量は1㎡あたり2.5kgまでが安全
  3. 植え付け3週間前から土作りを開始する
  4. 追肥は11月、2月、4月の3回が基本
  5. 発酵鶏糞は持続性、乾燥鶏糞は即効性がある
  6. 臭い対策として速やかな土との混和が重要
  7. プランター栽培では培養土の肥料分を考慮する
  8. 他の肥料と組み合わせる際は総量に注意
  9. カルシウムは含有するが、pH調整には追加資材が必要
  10. 肥料焼け防止のため、局所的な固まりを作らない
  11. 近隣への配慮が必要な場合は炭化製品を検討
  12. 保管は必ず乾燥した場所で行う