植物の健康管理に欠かせない活力剤として知られる「ストレスブロック」と「リキダス」。同じハイポネックス社から発売されているこの2つの商品は、似たような使い方をする活力剤でありながら、その特徴や効果には大きな違いがあります。
特にストレスブロックは、高濃度フルボ酸やアミノ酸、ベタインなどを含む「バイオスティミュラント資材」として注目を集めています。一方のリキダスは、カルシウムを豊富に含み、根の発達を促進する効果に優れています。この記事では、両製品の違いや使い分け、そしてコスパを含めた選び方のポイントを詳しく解説していきます。
記事のポイント！
- ストレスブロックとリキダスの成分と効果の違い
- 価格と希釈倍率から見る実質的なコストパフォーマンス
- 植物の状態や時期に応じた効果的な使い分け方
- 他の肥料との併用方法や使用上の注意点
ストレスブロックとリキダスの違いを徹底解説！効果と使い分けのコツ
- バイオスティミュラント資材「ストレスブロック」の特徴と効果
- 植物活力液「リキダス」の主成分と効果的な使用方法
- ストレスブロックとリキダスの成分の違いを比較
- 価格と希釈倍率から見る実質コストの違い
- 両製品の上手な使い分けとタイミング
- 効果を最大限引き出す正しい使用頻度
バイオスティミュラント資材「ストレスブロック」の特徴と効果
ストレスブロックは、有機原料100%で作られたバイオスティミュラント資材です。直訳すると「生物刺激剤」という意味で、欧米を中心に世界中で注目されている新しい分野の資材です。
主な成分は、フルボ酸（23%の高濃度）、アミノ酸（15種類）、ベタイン、多糖類などで構成されています。特に高濃度のフルボ酸は、土壌の団粒化を促進し、リン酸を吸収しやすくする効果があります。
アミノ酸は植物に直接吸収される形で配合されており、環境ストレスへの抵抗力を高める働きがあります。ベタインは植物の水分ストレスを緩和し、高温や低温などの環境ストレスから植物を守ります。
多糖類は土壌微生物のエサとなり、土壌環境の改善にも役立ちます。このように、ストレスブロックは植物自体の免疫力を高めながら、土壌環境も改善する効果があります。
有機農産物栽培にも使用できる点も大きな特徴です。1000倍に希釈して使用し、継続的な使用で効果を発揮します。
植物活力液「リキダス」の主成分と効果的な使用方法
リキダスの主要成分は、フルボ酸、コリン、アミノ酸、カルシウムなどのミネラルです。特にカルシウムを豊富に含んでいる点が大きな特徴です。
コリンは植物への浸透移行性に優れたビタミンの一種で、特にカルシウムの吸収を助ける働きがあります。フルボ酸は土壌の団粒化を促進し、リン酸の吸収を助けます。
リキダスは根の発達を促進する効果が高く、特に植え付け直後や春先の使用が効果的です。また、病虫害で弱った植物の回復を助ける効果も期待できます。
200倍に希釈して使用し、週1回の使用が推奨されています。植物の生育期間中（3月〜11月）は継続的な使用が効果的です。
有機原料と化成肥料の両方を含むため、有機栽培には使用できません。しかし、一般的な園芸用途では使いやすい活力剤として知られています。
ストレスブロックとリキダスの成分の違いを比較
両製品の最も大きな違いは、原料と効果の方向性です。ストレスブロックは有機由来100%で、環境ストレスの軽減に重点を置いています。
一方、リキダスは有機原料と化成肥料を含み、特にカルシウムを豊富に配合することで、根の発達と植物の活性化に重点を置いています。
ストレスブロックは高濃度フルボ酸（23%）を含み、土壌改良効果が高いのが特徴です。また、直接吸収できるアミノ酸を15種類含んでいます。
リキダスはコリンという成分を含むことで、カルシウムなどの栄養分を植物の先端まで届ける効果があります。これは、移動しにくい微量要素の吸収を助ける重要な特徴です。
両製品とも土壌改良効果がありますが、ストレスブロックは免疫力向上、リキダスは根の発達促進という異なる特徴を持っています。
価格と希釈倍率から見る実質コストの違い
2025年1月現在の価格を比較すると、リキダスは800mlで875円、ストレスブロックは400mlで2,001円となっています。
希釈倍率は、リキダスが200倍、ストレスブロックが1000倍です。1リットルあたりの実質コストを計算すると、リキダスが約0.5円、ストレスブロックが約0.5円となります。
初期投資額はリキダスの方が低いものの、希釈倍率の違いにより、実際の使用時のコストはほぼ同等となっています。
ストレスブロックは価格が高く感じられますが、1000倍希釈で使用するため、想像以上に長持ちします。
価格面での選択は、初期投資額を重視するか、長期的なコストパフォーマンスを重視するかによって変わってきます。
両製品の上手な使い分けとタイミング
植え付け直後や根を育てたい時期には、リキダスを先に使用することが効果的です。特に冬の植え替え後や春先の使用がおすすめです。
その後、環境ストレスへの対策としてストレスブロックを使用することで、植物の免疫力を高めることができます。
病虫害で弱った植物の回復には、まずリキダスで根の活性化を図り、その後ストレスブロックで免疫力を高めていく方法が効果的です。
日照不足や温度変化の激しい環境では、ストレスブロックの継続使用が植物のストレス軽減に役立ちます。
両製品を1週間おきに交互に使用することで、それぞれの特徴を活かした相乗効果が期待できます。
効果を最大限引き出す正しい使用頻度
リキダス、ストレスブロックともに、基本的な使用頻度は週1回です。ただし、土が乾いているタイミングでの使用が重要です。
株元に散布する際は、鉢底から流れ出る程度の量を目安に与えます。ジメジメした状態での使用は避けるべきです。
植物の生育期間（3月〜11月）は、継続的な使用が効果的です。休眠期は使用を控えめにするか、希釈倍率を上げて使用します。
ストレスブロックは継続使用が重要で、1〜2回の使用では十分な効果が期待できません。サプリメントのような位置づけで考えましょう。
両製品とも肥料ではないため、通常の肥料は別途必要です。また、農薬との混用は避けることが推奨されています。
実践！ストレスブロックとリキダスの活用シーン別ガイド
- バラ栽培での効果的な使用方法と注意点
- 植え付け・植え替え時期の使い分け
- 暑さ・寒さ対策としての活用法
- 病害虫被害からの回復期における使用法
- 他の肥料との併用について
- まとめ：ストレスブロックとリキダスの違いを理解して植物を元気に育てよう
バラ栽培での効果的な使用方法と注意点
バラの栽培では、植物の生育期間である3月から11月の間、リキダスとストレスブロックを継続的に使用することが効果的です。特にリキダスは根の発達を促す効果が高く、冬の植え替え後や春先の使用が推奨されています。
ストレスブロックはバラ専用の商品も販売されていますが、一般的なストレスブロックでも同様の効果が期待できます。使用頻度は週に1回程度が目安となっています。
特に夏の暑さや冬の寒さが厳しい季節、また植え替えや剪定後など、バラにストレスがかかりやすい時期には、定期的な散布が重要です。気温や環境に応じて使用頻度を調整することも大切です。
両製品とも200倍から1000倍に希釈して使用します。散布時は土が乾いている状態を選び、鉢底から流れ出る程度の量を目安に与えます。
バラの花が多すぎると生殖成長に力が入りすぎて根の発達が悪くなる場合があるため、花の数を調整しながら活力剤を使用することで、より効果的な結果が得られます。
植え付け・植え替え時期の使い分け
植え付けや植え替え直後は、まずリキダスを1000倍に希釈して使用することが推奨されています。この時期は根が土に馴染むことが最も重要なため、ソイルキャッチを促進する効果のあるリキダスが適しています。
植え付けから2週間ほど経過したら、200倍希釈のリキダスを使用します。この時期は根が少しずつ活動を始める時期で、カルシウムの補給が効果的です。
根がある程度発達してきた段階で、ストレスブロックを導入します。1000倍希釈で使用し、植物の免疫力を高めていきます。
土が湿っている状態での使用は逆効果となるため、必ず土の表面が乾いてから散布するようにします。特に植え付け直後は、水分管理に注意が必要です。
植え替え時には、根に軽い刺激を与えることで新しい根の発達を促すことができます。ただし、新しく植え付ける場合は根を傷つけない様に注意が必要です。
暑さ・寒さ対策としての活用法
夏場の暑さ対策には、ストレスブロックの定期的な使用が効果的です。高温によるストレスを軽減し、植物の生育を支援します。特にベタインという成分が、水分ストレスの緩和に役立ちます。
リキダスは暑さでバテ気味の時や、冬の寒さへの抵抗性を高めたい場合に効果的です。カルシウムを多く含むため、植物の細胞壁を強化し、環境ストレスへの耐性を高めます。
真夏や厳寒期の使用は控えめにする必要があります。この時期は希釈倍率を調整し、リキダスは300～400倍、ストレスブロックは1000倍での使用が推奨されます。
地温が上がりすぎないよう、鉢の置き場所にも注意が必要です。特に夏場は、日中の強い日差しを避けた場所での管理が重要です。
両製品とも、朝晩の涼しい時間帯での散布が効果的です。散布後は土の表面が乾くまで、次の散布は控えめにします。
病害虫被害からの回復期における使用法
病虫害で弱った植物の回復には、まずリキダスを使用して根の活性化を図ることが効果的です。カルシウムの補給により、細胞組織が強化され、回復を促進します。
回復初期は肥料を控えめにし、活力剤で様子を見ることが重要です。リキダスで根の活性化を図った後、ストレスブロックを使用することで、免疫力を高めていきます。
散布頻度は週1回を目安としますが、植物の状態を見ながら調整が必要です。特に回復期は土の乾き具合を確認しながら、適切なタイミングでの散布を心がけます。
病害虫の被害を受けた部分は、必要に応じて剪定を行います。剪定後は特に丁寧な管理が必要で、活力剤の使用が回復を助けます。
回復期の植物は特にストレスに弱いため、環境の変化には注意が必要です。直射日光を避け、風通しの良い場所での管理が推奨されます。
他の肥料との併用について
ストレスブロックと液体肥料は混ぜて使用することができます。特にハイポネックスの液肥との相性が良いとされています。ただし、石灰硫黄合剤との混用は有毒ガスが発生する可能性があるため、避ける必要があります。
リキダスも同様に液体肥料との混用が可能です。ただし、両製品とも肥料ではないため、植物の生育に必要な肥料は別途与える必要があります。
肥料との併用時は、まず活力剤で根の活性化や免疫力の向上を図り、その後で肥料を与えることで、より効果的な結果が得られます。
農薬との混合は化学変化を起こす可能性があるため、別々に使用することが推奨されています。使用する場合は、時間を空けて散布します。
活力剤と肥料を併用する場合は、植物の状態をよく観察しながら、適切なタイミングでの使用を心がけることが重要です。
まとめ：ストレスブロックとリキダスの違いを理解して植物を元気に育てよう
この記事で紹介したことのポイントをまとめます。
- ストレスブロックは有機由来100%のバイオスティミュラント資材である
- リキダスは根の発達を促進し、カルシウムを豊富に含む活力剤である
- ストレスブロックは1000倍希釈、リキダスは200倍希釈が基本である
- 両製品とも週1回の使用が推奨されている
- 植え付け直後はリキダスから始めるのが効果的である
- 環境ストレス対策にはストレスブロックが適している
- 両製品は交互に使用することで相乗効果が期待できる
- 土が乾いているときの散布が最も効果的である
- 肥料との併用は可能だが、農薬との混用は避ける
- 有機栽培の場合はストレスブロックのみが使用可能である
- 活力剤は肥料の代わりにはならず、別途肥料が必要である
- 回復期は活力剤から始め、徐々に肥料を与えていく
