パキラの種を手に入れたい!そう思って、ホームセンターに足を運んだ方も多いのではないでしょうか。実は、パキラの種はホームセンターではほとんど見かけることができません。これには理由があり、パキラの種は採取できる時期が年に2回しかなく、採取後1ヶ月で発芽力を失ってしまうという特徴があるのです。
しかし、諦める必要はありません。パキラには「実生株」と「挿し木株」という2種類があり、ホームセンターでも実生株を見つけることができます。また、ダイソーでも実生苗を扱っていることがあります。この記事では、パキラの種の入手方法から育て方まで、詳しくご紹介していきます。
記事のポイント!
- パキラの種が手に入りにくい理由と、代わりに購入できる実生株について
- 種から育てる場合の具体的な育て方と成功のポイント
- ホームセンターで購入できるパキラの見分け方
- 実生株と挿し木株の違いと、それぞれの特徴
パキラの種はどこで売ってる?ホームセンターで買える?
- ホームセンターでパキラの種は基本的に販売していない理由
- パキラの種は2月と8月の年2回しか採取できない
- パキラの種は採取から1ヶ月以内に使用が必須
- ホームセンターで買えるパキラは挿し木株と実生株の2種類
- ダイソーで実生苗が購入できる時期がある
- パキラの実生株は根元がふっくらしている特徴がある
ホームセンターでパキラの種は基本的に販売していない理由
パキラの種は、採取から1ヶ月以内に発芽力を失ってしまうという特徴があります。このため、流通過程を経て店頭に並ぶことは極めて稀です。店舗での販売には向かない商品なのです。
パキラの種を店頭で見かけることができない理由は、鮮度管理の難しさにもあります。種は新鮮な状態でないと発芽しないため、一般的な種苗のように長期保存して販売することができません。
また、パキラの種は採取できる時期が限られています。年に2回、2月と8月にしか収穫できないことも、一般流通を難しくしている要因の一つです。
さらに、パキラの種は発芽率が非常に低いことも知られています。これは店舗での販売において大きなデメリットとなっています。
このような理由から、ホームセンターではパキラの種ではなく、すでに成長した苗や鉢植えを中心に販売しているのです。
パキラの種は2月と8月の年2回しか採取できない
パキラの種は、年に2回しか収穫の機会がありません。2月と8月が収穫時期となっています。
この時期は、パキラが自然に結実する時期と一致しています。特に8月に採取された種の中には、すでに発芽している状態のものが含まれていることもあります。
収穫時期が限られている理由は、パキラの開花時期と深く関係しています。パキラは実生株でないと花を咲かせることができず、その開花も5〜10年という長い期間を必要とします。
採取された種は、速やかに適切な環境で保管する必要があります。採取直後の新鮮な種子でないと、発芽する可能性が極めて低くなってしまいます。
時期を外して採取された種子は、ほとんど発芽しないことが分かっています。
パキラの種は採取から1ヶ月以内に使用が必須

パキラの種は、採取してから非常に短い期間で発芽力を失ってしまいます。具体的には、採取から半月〜1ヶ月程度が種子の有効期限となります。
この短い保存期間は、パキラの種の大きな特徴です。通常の種子と違い、長期保存が難しく、採取後すぐに育て始める必要があります。
種子の保管方法も重要で、採取後すぐに水に浸けて保管することが推奨されています。これは種子の乾燥を防ぎ、発芽力を維持するために必要な処置です。
使用までの期間が短いため、種子の入手には慎重な計画が必要です。入手してから実際に植え付けるまでの準備を、あらかじめ整えておく必要があります。
発芽力を維持するために、適切な温度管理も重要となってきます。
ホームセンターで買えるパキラは挿し木株と実生株の2種類
ホームセンターで販売されているパキラには、大きく分けて2種類があります。挿し木で増やした「挿し木株」と、種から育てた「実生株」です。
挿し木株の特徴は、幹が全体的に太く木質化していること、また幹の上部に切断された跡があることです。これらは店頭でよく見かける編み込みパキラに多い特徴です。
一方、実生株は幹の根元が膨らんでおり、先端に向かってだんだんと細くなっている特徴があります。また、幹に切断された形跡がないことも見分けるポイントです。
実生株は将来的に花を咲かせる可能性があり、挿し木株に比べて価値が高いとされています。ただし、実生株は挿し木株より入手が困難です。
両者の管理方法は基本的に同じですが、成長の仕方に違いがあります。実生株は幹自体も成長を続けますが、挿し木株は主に新芽の成長で樹形が変化していきます。
ダイソーで実生苗が購入できる時期がある
意外にも、100円ショップのダイソーでパキラの実生苗を見かけることができます。時期によって入荷状況は変動しますが、比較的手頃な価格で実生株を入手できる機会があります。
ダイソーの実生苗は、幹が細く緑色をしているのが特徴です。また、双葉の跡が残っているものもあり、これは実生苗である証となります。
実生苗は一般的な挿し木株と比べて小さめですが、将来的な成長が期待できます。また、実生苗ならではの自然な樹形を楽しむことができます。
入荷時期は店舗によって異なりますが、主に春から夏にかけて見かけることが多いようです。ただし、在庫は限られており、見つけたらすぐに購入することをお勧めします。
パキラの実生苗を探している方は、近くのダイソーをチェックしてみるのも良いでしょう。
パキラの実生株は根元がふっくらしている特徴がある
実生株の最も顕著な特徴は、幹の根元部分がふっくらとしていることです。これは種から自然に成長してきた証です。
幹は根元から先端に向かって徐々に細くなり、美しい曲線を描いています。また、先端部分は木質化していない緑色の状態を保っています。
実生株は切断された形跡がないため、自然な成長を続けることができます。これは挿し木株にはない大きな特徴です。
稀に、種から発芽した時の双葉が残っているものもあります。これは実生株であることを証明する重要な特徴となっています。
パキラ本来の姿を楽しみたい方や、将来的に花を咲かせることを期待する方にとって、実生株は理想的な選択肢となっています。
パキラの種から育てるまでの全知識とホームセンターでの代替品
- 水没検査で沈んだ種子だけを使用することが重要
- 発芽には20度の温度管理が必須
- 水苔で包んで2-3cmまで育てることがポイント
- 赤玉土小粒単用の土での植え付けがおすすめ
- パキラの種からは5-10年で花が咲く可能性がある
- 実生株は斑入り品種のミルキーウェイにはならない
- まとめ:パキラの種はホームセンーよりも通販がおすすめ
水没検査で沈んだ種子だけを使用することが重要
パキラの種を入手したら、まず最初に水没検査を行う必要があります。これは種の生存率を確認する重要な作業です。
水を入れた容器に種を入れ、水の底に沈む種だけを選びます。これらの沈んだ種子が発芽する可能性を持つ健康な種です。
一方、水に浮いてくる種は「シイナ」と呼ばれ、発芽する可能性が極めて低い種子となります。シイナは早めに取り除き、他の健康な種子と分けて管理する必要があります。
水没検査は2日を限度に行います。それ以上続けると健康な種子まで腐ってしまう可能性があるため、適切な期間で終了させることが大切です。
この作業により、貴重な種子を無駄にすることなく、効率的に発芽させることができます。
発芽には20度の温度管理が必須
パキラの種子の発芽には、適切な温度管理が不可欠です。最適な温度は20度程度とされています。
発芽時は半日陰のような、少し日光を感じられる場所での管理が推奨されています。直射日光は避け、明るい場所で管理します。
寒い季節の管理には特に注意が必要です。温度が下がりすぎないよう、ビニール袋に入れて保管すると温度管理がしやすくなります。
パキラは中南米原産の植物で暑さには強いものの、種子の段階では適温での管理が重要です。特に冬場は窓際の冷気に注意が必要です。
温度管理をしっかり行うことで、発芽の確率を高めることができます。
水苔で包んで2-3cmまで育てることがポイント

発芽が始まったパキラの種子は、湿らせた水苔で包んで管理します。この段階では水分管理が特に重要になってきます。
発芽が進むと殻が割れてきて、中から胚が顔を出します。この時、手で取れそうな殻は丁寧に剥いであげましょう。
1つの種子から複数の胚が出てくることがあります。これを多胚と呼び、すべての胚が成長する可能性を持っています。
子葉が出てきた胚は、根を水苔の中に入れ、子葉は外に出した状態で管理します。この状態で2-3cm程度の大きさまで育てていきます。
水苔での管理期間中は、適度な湿り気を保ちつつ、温度管理にも気を配ることが大切です。
赤玉土小粒単用の土での植え付けがおすすめ
水苔で育てた胚が2-3cmになったら、いよいよ鉢への植え付けです。この時使用する土は、赤玉土小粒単用がベストとされています。
赤玉土は水はけが良く、パキラの根の成長を助けます。また、肥料分が含まれていない土壌なので、若い根を傷めることがありません。
植え付けの際は、胚が半分程度埋まるように植えます。植え付け後は、葉が展開するまで水苔を上からかぶせておくと良いでしょう。
この段階での水やりは控えめにし、土の表面が乾いてから行います。過湿は根腐れの原因となるため、特に注意が必要です。
新しい葉が展開し始めたら、徐々に日光に当てる時間を増やしていきます。
パキラの種からは5-10年で花が咲く可能性がある
パキラの実生株は、5-10年ほど育てると花を咲かせる可能性があります。これは挿し木株にはない、実生株ならではの特徴です。
パキラの花は繊細で美しく、無数の細長い白い雄しべが上を向いて外側に広がる独特な形をしています。ただし、花の寿命はわずか1日と非常に短いものです。
一度開花すると、その後は毎年開花と結実を繰り返す可能性があります。これにより、自分で採取した種子から新たなパキラを育てることも可能になります。
開花までの道のりは長いものの、その過程自体がパキラ栽培の醍醐味とも言えます。それだけに、開花に成功した時の喜びもひとしおです。
実生株から花を咲かせることは、パキラ栽培の中でも最も難しい挑戦の一つとされています。
実生株は斑入り品種のミルキーウェイにはならない
人気の斑入りパキラ「ミルキーウェイ」は、通常の実生株からは生まれません。この品種は遺伝子の違いによって生まれる特殊な品種です。
ミルキーウェイは葉に白い模様が入る美しい品種で、その姿が天の川のように見えることから名付けられました。市場でも非常に希少な品種とされています。
通常の実生株から育てた場合、葉は濃い緑色の一般的なパキラになります。ただし、それはそれで自然な美しさを持つ観葉植物として価値があります。
実生株を育てる際は、通常の緑葉パキラとして育てる心構えが必要です。ミルキーウェイを求める場合は、専門店で直接購入することをお勧めします。
斑入り品種を求める場合は、実生株からの育成ではなく、既に斑入りの特徴を持つ株を購入する方が確実です。
まとめ:パキラの種はホームセンターよりも通販がおすすめ
最後に記事のポイントをまとめます。
- パキラの種子は採取から1ヶ月以内に使用する必要がある
- ホームセンーでの種子販売はほぼ見られない
- 年2回(2月・8月)しか種子採取ができない
- 実生株は根元が膨らんでいるのが特徴
- ダイソーでも実生苗が入手可能
- 種子の発芽には水没検査が必須
- 発芽適温は20度程度
- 発芽から植え付けまでは水苔での管理が重要
- 植え付けには赤玉土小粒単用がベスト
- 花が咲くまでには5-10年必要
- 通常の実生株からは斑入り品種は生まれない
- 種子からの育成は難しいが、独自の形を楽しめる
- 挿し木株より実生株の方が将来性がある
- 開花は実生株でのみ可能