パキラの挿し木は簡単だと言われていますが、実際にやってみると思うように成長しないことがありますよね。原因は主に水やりの方法や温度管理にあり、適切な環境を整えることで健康的な成長を促すことができます。
挿し木を成功させるコツは、成長期である5月~9月に行うことと、生長点から2cm上を切ることです。また、発根促進剤を使用することで成功率が大幅に上がります。この記事では、パキラの挿し木が成長しない原因と対策、育て方のポイントを詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- パキラの挿し木が成長しない原因と具体的な対処法
- 挿し木の最適な時期と環境条件
- 発根から植え替えまでの育て方とコツ
- 成功率を高める具体的なテクニック
パキラの挿し木が成長しない原因と対処法
- 挿し木が成長しない主な理由は水やりと温度管理
- 成長を促す最適な環境は20度以上で湿度50%以上
- 発根促進剤を使うと成功率が大幅にアップ
- 挿し木用の土は無菌・無肥料のものを選ぶ
- 成長期の5月〜9月が挿し木の最適時期
- 生長点から2cm上を切ることがポイント
挿し木が成長しない主な理由は水やりと温度管理
パキラの挿し木で最も多い失敗の原因は、水やりの管理方法です。水を与えすぎると根腐れを起こし、逆に乾燥しすぎると枯れてしまいます。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげます。このとき、受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにしましょう。
発根前の挿し木は、土が乾燥しないように注意深く管理する必要があります。ただし、常に水が多すぎる状態も良くありません。
温度管理も重要で、パキラは熱帯地域原産のため、生育温度は20~30℃が最適です。15℃以下になると生育が緩慢になってしまいます。
特に冬場は室温が下がりやすいので、暖かい室内で管理するようにしましょう。エアコンの風が直接当たると乾燥の原因になるため、注意が必要です。
成長を促す最適な環境は20度以上で湿度50%以上
パキラの成長には適切な温度と湿度が重要です。室温20℃以上、湿度50%以上の環境が理想的です。
特に梅雨時期は温度と湿度が安定しているため、挿し木の成功率が高くなります。湿度が低い場合は、霧吹きで葉水をすることで補うことができます。
直射日光は避け、レースカーテン越しの柔らかい光が入る場所で管理します。暗すぎる場所では光合成が十分に行えず、成長が遅くなってしまいます。
風通しの良い場所に置くことも大切です。空気が淀むと、カビが発生したり病気になったりするリスクが高まります。
サーキュレーターや扇風機を使用して、適度な空気の流れを作ることも効果的です。
発根促進剤を使うと成功率が大幅にアップ

発根促進剤を使用することで、パキラの挿し木の成功率を大きく向上させることができます。特にメネデールなどの一般的な発根促進剤が効果的です。
使用方法は、水に発根促進剤を適量混ぜ、その中に切った枝を1~2時間浸します。これにより、発根が促進され、根の生長も早くなります。
発根促進剤は、新芽の勢いが弱かったり数が少なかったりする場合にも効果を発揮します。水やり時に薄めた発根促進剤を使用することで、生育を促進することができます。
ただし、発根促進剤は使用量を守ることが重要です。濃すぎると逆効果になることがあるため、必ず説明書の用量を守りましょう。
また、植え替え直後は肥料分が効きすぎないよう、発根促進剤の使用は控えめにします。
挿し木用の土は無菌・無肥料のものを選ぶ
挿し木をする際の土選びは非常に重要です。一般的な観葉植物用の土は肥料分が含まれているため、挿し木には適していません。
バーミキュライトやパーライト、挿し木用の専用土、または小粒の赤玉土を使用します。これらの土は無菌で栄養分が少ないため、切り口が腐りにくいという特徴があります。
土の配合は、赤玉土4:鹿沼土4:ピートモス1:バーミキュライト1の割合がおすすめです。この配合により、適度な水はけと保水性が保たれます。
土は清潔な状態を保つことが大切で、古い土の再利用は避けましょう。雑菌が繁殖している可能性があり、挿し木の失敗につながります。
また、土は必ず新しいものを使用し、植え付け前に軽く湿らせておくことで、挿し木後の活着を促進することができます。
成長期の5月〜9月が挿し木の最適時期
パキラの挿し木に最適な時期は、5月から9月の成長期です。この時期は気温が上がり、植物の生育が活発になります。
特に5月から7月は、気温上昇と共に湿度も上がるため、空気が乾燥することが少なく、挿し木の成功率が高くなります。
8月から9月も挿し木は可能ですが、新しい芽や根が出てすぐに秋冬を迎えるため、十分な成長が見込めない可能性があります。
なるべく5月から7月の間に挿し木を行い、秋冬を迎えるまでに十分な生育期間を確保することをおすすめします。
これにより、冬越しもしやすい丈夫な株に育てることができます。
生長点から2cm上を切ることがポイント
パキラの挿し木で重要なのが、切る位置の選定です。幹や枝の表面にある茶色い傷のような部分が生長点で、そこから2cm程度上を切ることがポイントです。
切る長さは15~20cm程度が適切です。剪定ばさみは必ず清潔なものを使用し、切り口は斜めにカットします。これにより、水の吸収面積が増え、発根しやすくなります。
挿し穂は若い枝ほど発根しやすいため、古い枝は避けましょう。また、葉は2~3枚程度残して他は取り除き、残した葉も大きさを1/3程度に切ります。
これは、葉からの水分蒸発を抑えるためで、発根までの生存率を高めることができます。生長点を意識した剪定により、新芽の発生も早くなります。
パキラの生命力は強いため、生長点を切っても新芽は出てきますが、成長までに時間がかかる場合があります。
パキラの挿し木を成功させるための実践テクニック
- 葉は2〜3枚に減らして水分蒸発を抑える
- 切り口は斜めにして吸水面積を増やす
- 発根までは半日陰で管理して根を育てる
- 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと
- 1〜2ヶ月で根が出たら鉢を一回り大きくする
- まとめ:パキラの挿し木が成長しない原因は管理方法にあり、適切なケアで健康に育つ
葉は2〜3枚に減らして水分蒸発を抑える
パキラの挿し木では、葉の数を適切に調整することが重要です。葉が多すぎると水分の蒸散量が多くなり、発根前に枯れてしまう可能性があります。
葉は2~3枚程度を残し、それ以外は取り除きます。残した葉も半分程度の大きさに切り取ることで、水分の蒸発を抑えることができます。
放射状に広がる葉の中から、元気な葉を選んで残すようにしましょう。枯れかけている葉や傷んでいる葉は、エネルギーの消費につながるため取り除きます。
葉を減らすことで、挿し木の切り口に水分とエネルギーを集中させることができ、発根を促進させる効果があります。
また、葉が少なくなることで風通しも良くなり、カビや病気の予防にもつながります。
切り口は斜めにして吸水面積を増やす
パキラの挿し木をする際は、切り口を斜めにカットすることで、より多くの水分を吸収できるようにします。
切り口の長さが長くなることで吸水面積が増え、水分や養分の吸収が促進されます。これにより、発根の確率も高まります。
斜めに切る際は、鋭利な剪定ばさみを使用して、切り口がつぶれないように注意します。切り口がつぶれると、水分の吸収が妨げられる可能性があります。
カットした後は、すぐに水に浸けることが大切です。切り口を長時間空気にさらすと、切り口が酸化して水分の吸収が悪くなってしまいます。
発根促進剤を入れた水に1~2時間ほど浸けることで、より効果的に水分を吸収させることができます。
発根までは半日陰で管理して根を育てる

発根するまでは、直射日光を避けて半日陰で管理することが重要です。発根前は根がないため、強い光は逆効果になる可能性があります。
レースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所や、明るい室内が理想的です。風通しの良い場所を選び、空気が淀まないようにしましょう。
時々、日光が当たる場所に2~3時間置くことで、光合成を促進させることもできます。ただし、真夏の直射日光は避けるようにします。
湿度管理も重要で、霧吹きで葉水をすることで蒸散を防ぎ、発根を促進することができます。特に乾燥しやすい時期は注意が必要です。
環境が安定していれば、1ヶ月程度で新芽が出てきて、根も出始めます。この時期を過ぎれば、徐々に日光に当てる時間を増やしていきます。
水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと
挿し木後の水やりは、土の表面が乾いてから行います。ただし、完全に乾ききる前に水をあげることが大切です。
水やりの量は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。このとき、受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにしましょう。
発根するまでは土を乾燥させないことが重要ですが、水のやりすぎは根腐れの原因になります。土の状態を毎日確認して、適切なタイミングで水やりを行います。
気温が高い時期は水の蒸発も早くなるため、より頻繁な水やりが必要になります。反対に、気温が低い時期は水の蒸発が遅くなるので、水やりの回数を減らします。
水やりの際に発根促進剤を薄めて使用すると、より効果的です。ただし、濃度は必ず説明書の通りに調整しましょう。
1〜2ヶ月で根が出たら鉢を一回り大きくする
発根から1~2ヶ月経過し、新芽が出てきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。このとき、観葉植物用の土を使用します。
植え替えの際は、根を傷つけないように注意深く行います。古い土は優しく落とし、新しい土と入れ替えましょう。
鉢のサイズは、現在の鉢から一回り大きいものを選びます。大きすぎる鉢は水はけが悪くなり、根腐れの原因となります。
植え替え後1週間は半日陰で管理し、その後徐々に日光に当てる時間を増やしていきます。この時期の水やりは特に重要で、土が乾いたらたっぷりと与えます。
新しい環境に慣れるまでは、肥料は控えめにします。根が十分に張ってから、ゆっくりと肥料を与えていきましょう。
まとめ:パキラの挿し木が成長しない原因は管理方法にあり、適切なケアで健康に育つ
最後に記事のポイントをまとめます。
- 挿し木の最適時期は5月~9月の成長期
- 生長点から2cm上を切ることで新芽が出やすい
- 切り口は斜めにして吸水面積を増やす
- 葉は2~3枚に減らして水分蒸発を抑制
- 発根促進剤の使用で成功率が大幅アップ
- 挿し木用土は無菌・無肥料のものを選択
- 温度は20度以上、湿度は50%以上を維持
- 発根までは半日陰で管理
- 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと
- 発根後1~2ヶ月で一回り大きい鉢に植え替え
- 受け皿の水は必ず捨てて根腐れを防止
- 直射日光は避けレースカーテン越しの光で管理