パキラは観葉植物の中でも人気の高い植物です。風水的にも金運を呼び込むと言われ、玄関やリビングに置く方も多いでしょう。しかし、パキラは本来15メートルにも成長する高木で、室内で育てる場合もぐんぐん大きくなっていきます。

大きくなりすぎたパキラの管理に困っている方や、これ以上大きくしたくないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、パキラを小さく維持するための剪定方法や植え替えのコツ、その後の管理方法までを詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- パキラの剪定適期と正しい剪定箇所について
- 同じ大きさの鉢でも植え替え可能な方法
- 剪定・植え替え後の具体的な管理方法
- 丸坊主にした後の新芽の出方と回復過程
パキラを大きくしたくない人のための剪定・植え替え完全ガイド
- 剪定をせずに放置すると樹形が崩れて病害虫のリスクが増加
- 剪定適期は5月~9月の生育期に限定される
- 成長点を確認して剪定すれば新芽が出やすい
- 丸坊主にしても1ヶ月程度で新芽が出る
- 植え替えは同じ大きさの鉢でもOK
- 根は3分の1までカットして葉のバランスを調整
剪定をせずに放置すると樹形が崩れて病害虫のリスクが増加
パキラを剪定せずに放置しておくと、樹形が崩れてバランスが悪くなってしまいます。上へと伸びていく性質があるため、枝が間延びしてしまいます。
風通しが悪くなることで、病害虫が発生しやすい環境になってしまうリスクも高まります。見た目の美しさを保つだけでなく、健康な状態を維持するためにも定期的な剪定が重要になってきます。
また、放置すると上の方に葉が集中し、下の方の葉が少なくなってしまう傾向があります。これにより株全体のバランスが崩れ、見栄えが悪くなってしまいます。
パキラは生命力が強く、適切な時期に剪定すれば新芽をしっかりと展開してくれます。定期的なメンテナンスで理想的な大きさを保つことができます。
美しい樹形を保ちながら小さく維持するためには、剪定は避けては通れない作業となります。ただし、むやみに剪定するのではなく、適切な時期と方法で行うことが重要です。
剪定適期は5月~9月の生育期に限定される
パキラの剪定に最適な時期は、5月から9月の生育期です。この時期は新芽が出やすく、剪定後の回復力も高くなります。
特に5月から7月が最も剪定に適しています。この時期は気温が安定し、パキラの生育が活発になるため、剪定後の新芽の展開も早くなります。
8月は猛暑日を避けて作業を行う必要があります。暑すぎる日に剪定すると、株に余計なストレスがかかってしまう可能性があるためです。
9月以降は気温が下がり始めるため、剪定は控えめにします。10月以降の剪定は避けた方が無難です。寒い時期は生育が緩やかになるため、剪定後の回復に時間がかかってしまいます。
冬場の剪定は絶対に避けましょう。パキラは寒さに弱く、10度以下になると生育が止まってしまいます。この時期の剪定は株を弱らせてしまう原因となります。
成長点を確認して剪定すれば新芽が出やすい

パキラの幹には「成長点」と呼ばれる、新芽が出やすい箇所があります。この成長点は、幹の表面に少し盛り上がって出ているのが特徴です。
成長点の位置を確認してから剪定すると、その箇所から新しい芽が出やすくなります。成長点から2cm程度上の位置で切ると、効率よく新芽を展開させることができます。
また、葉が付いている節の部分も新芽が出やすい場所です。節と節の間を残して切ると、茶色く枯れ込んでしまう可能性があるので注意が必要です。
成長点が見つからない場合でも、パキラは強い生命力を持っているため、自ら新しい成長点を作り出すことができます。ただし、その場合は新芽が出るまでに時間がかかることがあります。
剪定する際は、樹形全体のバランスを考えながら、切り落とす枝を決めていきましょう。遠くから眺めて不格好に見える余分な枝があれば、その部分を優先的に剪定します。
丸坊主にしても1ヶ月程度で新芽が出る
パキラは生命力が非常に強く、丸坊主にしても新芽を出す力があります。ただし、この方法は株への負担が大きいため、どうしても必要な場合のみ行うようにします。
丸坊主にする場合も、必ず5月から7月の生育期に行いましょう。この時期であれば、およそ1ヶ月程度で新芽が出始めます。
新芽が出るまでの間は、日当たりのよい場所に置き、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。この時期に水切れを起こすと、新芽の展開が遅れる可能性があります。
ただし、丸坊主にする剪定は頻繁に行うべきではありません。毎年行うと株への負担が蓄積され、最終的に枯れてしまう可能性があります。
丸坊主にした後は、新芽が出てくるまでの間、特に丁寧な管理が必要です。水やりと置き場所に気を配り、株の回復を助けてあげましょう。
植え替えは同じ大きさの鉢でもOK
パキラは2年に1回程度の植え替えが推奨されますが、必ずしも大きな鉢に替える必要はありません。同じ大きさの鉢でも、根を適度に切り詰めることで継続して育てることができます。
植え替え時期は剪定と同様、5月から9月の生育期に行います。特に5月から7月が最適な時期です。真夏の植え替えは避け、猛暑日が続く場合は涼しい日を選びましょう。
植え替えの際は、古い土を落として根を確認します。黒ずんでいる根や傷んでいる根は取り除き、健康な根を残します。根は全体の3分の1程度まで切り詰めることができます。
同じ大きさの鉢に植え替える場合は、根を切り詰めた分、葉の量も調整する必要があります。これにより、根と葉のバランスを保つことができます。
植え替え後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。その後は土の表面が乾いてから水やりを行い、根が活着するまでは半日陰で管理します。
根は3分の1までカットして葉のバランスを調整
パキラの根は、全体の3分の1程度までなら切り詰めても大丈夫です。ただし、太い根は株の生命維持に重要なので、なるべく細い根を中心にカットしていきます。
根をカットした場合は、根と葉のバランスを取るために葉も減らす必要があります。根が少なくなると水分の吸収量が減るため、葉が多すぎると水分供給が追いつかなくなってしまいます。
植え替え後は、根が新しい土に馴染むまでの間、直射日光は避けます。風通しの良い半日陰で管理し、徐々に明るい場所に慣らしていきます。
植え替え直後は肥料を与えないようにします。根が傷ついている状態で肥料を与えると、かえって根を傷めてしまう可能性があります。新芽が出てきてから、約1ヶ月後に肥料を与え始めます。
水やりは土が乾いてからたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は必ず捨てます。根腐れを防ぐため、水はけの良い土を使用することも重要です。

パキラを小さく維持するための具体的な管理方法
- 鉢のサイズを変えずに植え替える手順
- 根を切り詰める時は太い根を残して細い根をカット
- 植え替え後は半日陰で管理して徐々に日光に慣らす
- 肥料は植え替えから1ヶ月後に開始
- 水やりは土が乾いてからたっぷりと
- まとめ:パキラを大きくしたくない場合の管理ポイント
鉢のサイズを変えずに植え替える手順
植え替えの前に、まずは新しい鉢底ネットと鉢底石を準備します。鉢の高さの1/5~1/4程度まで鉢底石を入れると、水はけが良く保たれます。
古い鉢から株を取り出す際は、鉢を逆さまにして優しく抜き取ります。抜けにくい場合は、鉢の側面を軽く叩いたり、鉢底の穴から棒を差し込んで押し出したりすると取り出しやすくなります。
鉢の1/3程度まで新しい土を入れ、パキラを配置します。隙間に土を入れる際は、棒でつついて空気を抜きながら入れていきます。鉢の縁から1~2cmほど下までが土を入れる目安です。
水はけの良い観葉植物用の土を使うことで、根腐れを防ぐことができます。市販の土を使う場合は、そのまま使用できますが、オリジナルで作る場合は赤玉土(小粒):腐葉土=7:3の割合で混ぜ、さらに軽石やパーライトを1割程度加えると良いでしょう。
植え替えが終わったら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。これにより、土の汚れを流し、根と土を密着させることができます。
根を切り詰める時は太い根を残して細い根をカット
根を切り詰める際は、まず古い土を優しく落として根の状態を確認します。黒ずんでいる根や腐った根は必ず取り除きましょう。
健康な根の中でも、特に細い根を中心にカットしていきます。太い根は水分や養分の吸収に重要な役割を果たすため、なるべく残すようにします。
カットする量は全体の3分の1程度までに抑えます。それ以上切ると株への負担が大きくなり、回復に時間がかかってしまう可能性があります。
根を切る時は、必ず清潔で切れ味の良いハサミを使用します。切り口が潰れたり、不衛生な状態で切ったりすると、病気になるリスクが高まります。
作業は素早く行い、根を乾燥させないように注意します。根は空気に触れていると徐々に弱っていくため、準備をしっかりと整えてから作業を始めることが大切です。
植え替え後は半日陰で管理して徐々に日光に慣らす

植え替え直後のパキラは、環境の変化に弱い状態です。まずは風通しの良い半日陰で管理を始めます。
直射日光は避け、レースカーテン越しの光など、穏やかな明るさの場所で管理します。2週間程度経過して新芽が出てきたら、少しずつ明るい場所に移動させていきます。
特に真夏は葉焼けを起こしやすいため、直射日光は必ず避けます。株が安定してきても、強い日差しには注意が必要です。
植え替え後の水やりは、土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。ただし、受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにしましょう。
株に触れて抵抗を感じるようになれば、それは根が活着した証拠です。この段階になれば、通常の管理に移行することができます。
肥料は植え替えから1ヶ月後に開始
植え替え直後は肥料を与えないようにします。根が傷ついている状態で肥料を与えると、根を傷めてしまう可能性があるためです。
新芽が出てきて、株が安定してきたら肥料を与え始めます。植え替えから約1ヶ月後が目安となります。
液体肥料の場合は2週間に1回、置き肥であれば2ヶ月に1回のペースで与えていきます。与えすぎは逆効果となるため、説明書の量を守ることが大切です。
肥料を与える時期は生育期である春から秋に限定します。冬は生育が緩やかになるため、肥料は必要ありません。
植え替え後の管理で重要なのは、急がずじっくりと株の回復を待つことです。焦って肥料を与えすぎたり、早めに日光に当てすぎたりすることは避けましょう。
水やりは土が乾いてからたっぷりと
水やりは土の表面が乾いてから行います。パキラは乾燥に強い特性を持っているため、頻繁な水やりは必要ありません。
鉢の重さを確認したり、土に指を入れて湿り気を確認したりしながら、水やりのタイミングを見極めます。季節や環境によって乾き方は異なってきます。
水を与える際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。表面だけに水を与えると、深い位置にある根まで水が届かない可能性があります。
冬場は水やりの回数を減らし、乾燥気味に管理します。気温が低い時期は、土の中の水が蒸発しにくくなるためです。
パキラは水分を幹に蓄える性質があるため、少々水やりが遅れても大丈夫です。むしろ、与えすぎて根腐れを起こすことの方が心配です。

まとめ:パキラを大きくしたくない場合の管理ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 剪定は5月~9月の生育期に限定して行う
- 成長点から新芽が出やすいため、剪定時は成長点の位置を確認する
- 丸坊主にしても回復するが、頻繁な実施は避ける
- 植え替えは同じ大きさの鉢でも可能
- 根は全体の3分の1までをめやすにカットする
- 根をカットした分は葉も減らしてバランスを取る
- 植え替え後は半日陰で管理し、徐々に明るい場所に移動する
- 肥料は植え替えから1ヶ月後に開始する
- 水やりは土が乾いてからたっぷりと与える
- 冬は水やりの回数を減らし、乾燥気味に管理する
- 真夏は直射日光を避け、葉焼けに注意する
- 清潔な道具を使用し、根の乾燥を防ぐ
- 受け皿の水は必ず捨てる
- 水はけの良い土を使用する