パキラは観葉植物として人気の高い植物ですが、実は「実生株」と「挿し木株」という2種類の株があることをご存知でしょうか。最近では100均やホームセンターでも実生パキラを見かけることが増えてきました。実生パキラは種から育てた株で、特徴的な形状と成長の早さが魅力です。

実生パキラは根元が膨らんでいて先端が細く、ずんぐりむっくりとした姿が特徴です。5~10年ほど育てると花が咲くこともあり、挿し木株にはない魅力があります。この記事では実生パキラの見分け方から育て方まで、詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- 実生パキラと挿し木株の違いと見分け方
- 実生パキラの基本的な育て方と水やりのコツ
- 実生パキラを大きく育てるためのポイント
- 実生パキラの購入方法と選び方
パキラ実生の基礎知識と挿し木との違いを徹底解説
- 実生パキラとは種から育てた苗のこと
- 実生パキラと挿し木苗の3つの違い
- 実生パキラの見分け方は根元と双葉がポイント
- 実生パキラは5-10年で開花する特徴を持つ
実生パキラとは種から育てた苗のこと
実生パキラは、パキラの種から発芽させて育てた株のことを指します。挿し木で増やしたものではなく、種から育てることで植物本来の特徴が強く現れます。
実生パキラは成長が早く、根元が自然と太くなっていく特徴があります。幹の形状も個性的で、1本、2本、3本と様々なタイプが存在します。
パキラは中南米原産の常緑高木で、本来は20mにも及ぶ大きさになります。実生株は原産地の特徴をよく受け継いでおり、生命力が強い傾向にあります。
花が咲くのも実生パキラならではの特徴で、5~10年ほど育てると6~7月頃に開花する可能性があります。挿し木株では見られない魅力的な特徴といえるでしょう。
種から育った株は、発芽時に双葉を出すのが特徴です。この双葉は成長とともに落葉しますが、実生株の証となる重要な特徴の一つです。
実生パキラと挿し木苗の3つの違い

実生株は種から育てた株であるのに対し、挿し木株は既存の株から枝を切り取って増やした株です。
実生株の特徴は、幹が細く根元が膨らんでずんぐりとしていることです。一方、挿し木株は幹がまっすぐに伸びており、太さが一定である特徴があります。
実生株は花や実がつく可能性がありますが、挿し木株は花も実もつきません。これは実生株と挿し木株の大きな違いの一つです。
実生株は成長が早く、より大きく育つ傾向にあります。挿し木株に比べて植物本来の特徴を強く示すことができます。
根の生え方も異なり、実生株は主根がしっかりと発達します。挿し木株は幹の側面から根が生えるため、根の構造が異なります。
実生パキラの見分け方は根元と双葉がポイント
実生パキラを見分けるポイントは、まず根元の形状です。徳利のようにずんぐりむっくりとした形をしているのが特徴です。
双葉の有無も重要な見分けポイントです。特に小さな苗の場合、双葉が付いているか、その跡が残っているかを確認することで実生株かどうかを判断できます。
実生株の幹は、上部がスパッと切られたような断面になっていません。徐々に細くなっていく自然な形状をしています。
根の状態を確認すると、実生株は主根がしっかりと発達しています。挿し木株では見られない特徴です。
幹の側面からの発根がないことも、実生株の特徴の一つといえます。
実生パキラは5-10年で開花する特徴を持つ
実生パキラは適切な環境で育てることで、5~10年程度で開花する可能性があります。開花時期は6~7月頃です。
花は白色で、開花後には果実がなることもあります。この果実から種を採取することも可能です。
開花は実生株ならではの特徴で、挿し木株では見られない現象です。花が咲くまでには時間がかかりますが、それだけの価値のある特徴といえます。
実生パキラは原産地の特徴をよく受け継いでおり、より自然な生長を見せます。この点も魅力の一つです。
開花には適切な環境と管理が必要ですが、実生パキラならではの楽しみとして期待できます。

パキラ実生の育て方と太くする方法
- 実生パキラの置き場所は半日陰が最適
- 季節で変える水やりのコツ
- 実生パキラを太くする3つの育て方
- 植え替えは5-7月の生長期がベスト
- 病害虫対策と予防方法
- 剪定のタイミングと方法
- ダイソーやホームセンターで購入可能
- まとめ:パキラ実生の特徴と育て方のポイント
実生パキラの置き場所は半日陰が最適
パキラは日光が好きな植物ですが、直射日光は避けるべきです。レースカーテン越しの半日陰で、風通しの良い場所が最適な環境です。
室内で育てる場合は、1日3~4時間程度の日光浴が必要です。エアコンの風が直接当たる場所は避け、風通しの良い場所に置きましょう。
屋外で育てる場合は、日よけのできる場所がおすすめです。風通しが悪いと病害虫の原因になるため、注意が必要です。
暖かい地域が原産のため、寒さには弱い特徴があります。冬場は室内の暖かい場所で管理することをおすすめします。
置き場所を選ぶ際は、暗すぎない場所を選びましょう。光が弱すぎると徒長の原因となります。
季節で変える水やりのコツ
夏場の生長期は、土の表面が乾いたら鉢底から透明な水が出るまでたっぷりと水をあげます。一気に水をあげることで、鉢内の空気が入れ替わり、根に新鮮な空気が届きます。
冬場は休眠期に入るため、水を吸い上げる力が弱くなります。土の表面が乾いてから2~3日たってから水やりをするのが適切です。
やや乾燥気味に育てると株の耐寒性が強くなり、冬を元気に乗り越えられます。茎や幹、葉に葉水をしてあげるのも効果的です。
水やりの際は、朝か昼間の暖かい時間帯に行うのがベストです。夜間の水やりは避けましょう。
土が常に濡れた状態は根腐れの原因となるため、水はけの良い土を使用することが重要です。
実生パキラを太くする3つの育て方

実生パキラを太くするためには、日光が当たる明るい場所で育てることが重要です。ただし直射日光は避け、レースカーテン越しの明るい窓辺などが適しています。
肥料は生長期である5~9月に与えます。固形タイプなら2ヶ月に1回、液肥なら2週間に1回のペースで与えるのが効果的です。
土は水はけの良い用土を使用します。観葉植物用の土を使うか、赤玉土7:腐葉土2:たい肥1の割合でブレンドした土がおすすめです。
冬場は休眠期となるため、肥料は控えめにします。肥料焼けを起こす可能性があるためです。
定期的な植え替えも幹を太くする重要なポイントです。2~3年に1回、生長期に行うことで健やかな生長を促します。
植え替えは5-7月の生長期がベスト
植え替えは生長期である5~7月に行うのが最適です。この時期は根の生長が活発で、植え替えのダメージからも早く回復できます。
植え替えの数日前から水やりを控えめにし、土を乾かしておくと作業がしやすくなります。根をほぐす際にも土が乾いている方が作業しやすいです。
鉢は1回り大きいサイズを選びます。大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根腐れの原因となるため避けましょう。
植え替え後は、パキラの水を吸い上げる力が弱くなっているため、しばらくは乾燥気味に管理します。新芽が確認できてから通常の水やりに戻します。
根は全体の1/3程度をほぐし、黒く変色した根は切り取ります。健康な根を残すことで、より良い生長が期待できます。
病害虫対策と予防方法
パキラに発生しやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシ、コバエ、アリ、アブラムシの5種類です。これらの害虫は早期発見が重要です。
直接取り除ける害虫は、乾いた布やウェットシートで優しく拭き取ります。触るのが難しい場合は殺虫剤を使用します。
予防には風通しの良い環境を保つことが大切です。病害虫は風通しの悪い環境で発生しやすい特徴があります。
土の表面を化粧砂や赤玉土、ココナッツファイバーでおおうと、コバエの予防になります。これは見た目も良く、実用的な対策です。
定期的な葉の手入れも効果的です。ティッシュペーパーやドライシートで葉の表面を拭き、清潔に保ちましょう。
剪定のタイミングと方法
剪定は5~9月の生長期に行うのがベストです。遅くとも7月までには済ませましょう。真冬と真夏は避けるのがポイントです。
剪定する際は「成長点」と呼ばれる、茎にある茶色いスジを確認します。この成長点から新芽が出るため、そこから2センチほど上を切ります。
剪定した枝は挿し木に使用することができます。10~15センチほどの長さで切り、下部の葉を取り除いて斜めにカットします。
バランスの悪い生長や風通しの悪さは病害虫の原因となるため、定期的な剪定が重要です。
剪定後は新芽が出るまでの約10日間、水やりを控えめにし、日陰で管理します。
ダイソーやホームセンターで購入可能
実生パキラは、ダイソーなどの100均でも購入することができます。価格は300円(税別)程度からと、手頃な価格で入手可能です。
購入する際は、双葉の有無や根元の形状をチェックします。双葉が残っているものは、確実な実生株といえます。
Amazonや楽天などのネットショップでも実生パキラを購入できます。通販は実店舗より安価で購入できることが多いです。
観葉植物の専門店では、実際に見て確認しながら購入できます。育て方のアドバイスも得られる利点があります。
購入時は葉の状態や病害虫の有無をしっかりチェックしましょう。深い緑色で生き生きとした葉の株を選ぶのがポイントです。

まとめ:パキラ実生の特徴と育て方のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 実生パキラは種から育てた株で、根元が膨らみ先端が細い特徴がある
- 双葉の有無や根元の形状で実生株か挿し木株かを見分けられる
- 5-10年で花が咲く可能性があり、開花時期は6-7月である
- 挿し木株とは異なり、花や実をつける特徴を持つ
- 置き場所は半日陰で風通しの良い場所が最適
- 水やりは季節によって頻度を変える必要がある
- 生長期(5-9月)は土が乾いたらたっぷりと水をあげる
- 休眠期(冬場)は土が乾いて2-3日後に水やりを行う
- 植え替えは5-7月の生長期に行うのがベスト
- 剪定は成長点から2センチ上を目安に行う
- 病害虫対策は予防と早期発見が重要
- ダイソーやホームセンターで手頃な価格で購入可能