パキラの胴切りは適切な時期と方法で行うことで、より健康的な成長を促すことができます。しかし、根腐れや幹の腐敗が進行している場合は、早めの対処が必要です。特に幹がスカスカになってきた場合は、そのまま放置すると株全体が弱ってしまう可能性があります。

成長期である5月から9月の間に胴切りを行うのが最適です。この時期は新芽が出やすく、回復も早いため、成功率が高くなります。また、切り口には必ず成長点を残し、清潔な道具を使用することで、健康的な新芽の成長を促すことができます。
記事のポイント!
- パキラの胴切りに最適な時期と成功のポイント
- 根腐れや幹の腐敗への対処方法
- 成長点を意識した正しい切り方の手順
- 胴切り後の管理方法と新芽を出すコツ
パキラの胴切りで失敗しない方法と正しい手順
- 胴切りに最適な時期は5月から9月の生育期
- 成長点を残して切ることで確実に新芽が出現
- 幹がスカスカになった場合は早めの胴切りが必須
- 根腐れした幹の胴切りは健康な部分まで切り戻し
- 木質化した幹の胴切りは成功率が低下するため要注意
- ノコギリを使用する場合は清潔な刃物を使用
胴切りに最適な時期は5月から9月の生育期
パキラの胴切りは、生育が活発な5月から9月の間に行うのが最適です。この時期は新芽が出やすく、回復も早いため、成功率が高くなります。
気温が上がる時期は生育が活発なので、切り口からすぐに新芽が出てきやすい特徴があります。また、晴れた日を選んで作業を行うことで、切り口が乾きやすく、病原菌の付着も防げます。
10月以降の気温が下がる時期の胴切りは避けましょう。この時期は生育が緩慢になり、切り口から新芽が出にくくなります。最低気温が15度以下になると成長が鈍くなるため、室内で管理する場合でも温度管理に注意が必要です。
暖房を入れたり切ったりする環境では、温度変化が激しすぎて植物にストレスを与えてしまう可能性があります。そのため、安定した環境で管理できる時期に胴切りを行うことをおすすめします。
胴切りを行う際は、必ず晴れた日を選びましょう。雨の日は湿度が高く、切り口が乾きにくいため、病原菌が付着しやすくなります。また、朝よりも午後の方が気温が高く、作業がしやすいでしょう。
成長点を残して切ることで確実に新芽が出現

パキラの胴切りで最も重要なポイントは、必ず成長点を残して切ることです。成長点は幹の節の部分にあり、ここから新しい芽が出てきます。
節の部分には、膨らみのような部分があり、そこが成長点となります。この成長点を残さずに切ってしまうと、新芽が出てこない可能性が高くなります。特に木質化が進んだ幹では、成長点がないと新芽が出にくいため、注意が必要です。
若い枝の方が成長点からの新芽が出やすいため、可能であれば若くて太い枝の節を残すようにします。小さなパキラでも、若い枝は必ず節が残るように切ることが大切です。
木質化した古い幹では、成長点からの新芽が出にくいため、若い枝を優先して残すことをおすすめします。成長点を見極めながら、全体のバランスを考えて切り戻しを行いましょう。
若い枝には成長点が複数あるため、切り戻し後の新芽の生育も期待できます。ただし、切りすぎると株全体の負担になるため、適度な量を残すことが重要です。
幹がスカスカになった場合は早めの胴切りが必須
幹がスカスカになってきた場合は、早めに対処することが重要です。このような状態は根腐れや病気が原因で起こることが多く、放置すると株全体が弱ってしまう可能性があります。
柔らかく変色している部分や、触れると沈むような箇所は、すでに腐敗が進行している可能性が高いです。このような場合は、腐敗が広がる前に問題のある部分を取り除く必要があります。
切り取る際は、幹の硬い健康な部分が現れるまで切り進めます。切り取った後の断面は清潔に保ち、病原菌の侵入を防ぐために癒合剤を使用することをおすすめします。
幹がスカスカになる主な原因は、過剰な水やりや排水性の悪い土による根腐れです。根腐れが疑われる場合は、鉢から取り出して根の状態を確認し、腐った根があれば清潔なハサミで取り除きましょう。
その後、水はけの良い新しい土に植え替えることで、健康な状態に戻すことができます。植え替え後は水を控えめにし、土がしっかり乾いてから次の水やりを行うようにします。
根腐れした幹の胴切りは健康な部分まで切り戻し
根腐れによって幹が腐敗している場合は、健康な部分まで切り戻す必要があります。腐敗が進行すると、水分や養分が吸い上げられなくなり、そのまま放置すると枯れてしまう可能性があります。
切り戻しの際は、まず水やりを控えて、できるだけ風通しの良い場所に置き、様子を見ましょう。直射日光は避け、半日陰に置くことをおすすめします。室内であれば、扇風機やサーキュレーターを活用して空気を循環させることも効果的です。
腐敗した部分を切り取る際は、清潔な道具を使用し、健康な部分が現れるまで切り進めます。切り口には必ず癒合剤を塗り、病原菌の侵入を防ぎます。
まだ硬い健康な部分が残っている場合は、そこから新芽が出てくる可能性があります。ただし、この時期に肥料を与えると根を傷めてしまう可能性があるため、控えめにしましょう。
根腐れからの回復には時間がかかりますが、適切な管理を続けることで、新しい根が出てきて株が元気を取り戻すことがあります。
木質化した幹の胴切りは成功率が低下するため要注意
木質化した幹の胴切りは、通常の若い幹を切るよりも慎重に行う必要があります。木質化とは、幹が硬くなり樹木のような質感になることを指し、この部分は新しい芽を出しにくい特徴があります。
剪定のタイミングは、生育期の5月から9月が最適です。この時期はパキラの成長が活発で、新しい芽が出やすくなります。一方、10月以降の寒い季節に木質化した幹を切ると、再生する前に幹が弱ってしまう可能性が高くなります。
切る際は、必ず幹の節(成長点)を残すことが重要です。木質化した幹は特に新芽が出にくい性質があるため、節を残さないと再生が難しくなります。また、健康な枝や葉が付いている部分のすぐ下を目安に切ることで、剪定後に残った部分が成長を再開しやすくなります。
使用する道具も重要で、切れ味の悪いハサミやノコギリを使用すると、切り口がギザギザになり、病原菌が入りやすくなります。必ず清潔で鋭利な剪定用の道具を使用し、切り口が滑らかになるように切断します。
剪定後は必ず癒合剤を塗ることで、病気や害虫の侵入を防ぐことができます。木質化した幹の剪定は再生を促す反面、適切に行わなければダメージを与えるリスクもあるため、事前に幹の状態をよく観察し、慎重に作業を進めることが大切です。
ノコギリを使用する場合は清潔な刃物を使用
パキラの胴切りをノコギリで行う場合は、必ず清潔な刃物を使用しましょう。パキラの幹は硬い部分と柔らかい部分が混在しているため、剪定用の小型ノコギリや園芸用ノコギリを使うと切りやすくなります。
刃は清潔で錆びていないものを選び、作業中のトラブルを防ぎます。また、ノコギリを使用する前に、幹を拭いて汚れや湿気を取り除いておくと、切り口が綺麗に仕上がります。
胴切りの際には、幹の「節」を目安に切る位置を決めます。この節の少し上を切ることで、切り口から新しい芽が出やすくなります。切る場所を決めたら、ノコギリを幹に対して垂直に当て、ゆっくりと引くように切断を始めます。
一気に力を入れると幹を傷つける可能性があるため、焦らず丁寧に切り進めることが大切です。切断が終わったら、切り口を保護するために癒合剤を塗ります。
作業後の片付けや道具の清掃も忘れないようにしましょう。清潔なノコギリを保つことで、次回の剪定作業をスムーズに進めることができます。

パキラの胴切り後の育て方と増やし方
- 胴切り後は明るい日陰で管理が復活の鍵
- 切った部分からの発根には水差しが効果的
- 丸坊主にしても新芽が出る驚きの生命力
- 挿し木で増やす場合は節を残して切り取り
- 根を切る際は腐った部分を完全に除去
- 剪定した部分には必ず癒合剤を塗布
- まとめ:パキラの胴切りは成長点を意識して実施
胴切り後は明るい日陰で管理が復活の鍵
パキラは日当たりのよい環境を好みますが、夏の直射日光や西日の強い光に当たると葉焼けしやすい特徴があります。胴切り後に出てきた新芽は特に注意が必要です。
直射日光の当たらない明るい室内や、窓際であればレースカーテン越しの柔らかい光に当てて育てましょう。温度管理も重要で、最低10℃以上を保つ必要があります。
冷暖房の風が直接当たると、急激な乾燥によって新芽が枯れる可能性があります。そのため、エアコンの風が直接当たらない場所での管理がおすすめです。
水やりは季節によって頻度を変える必要があります。春夏は土が乾いたらたっぷりと、秋冬は土が乾いてからさらに2~3日後に水やりを行います。
肥料は生育期に液体肥料を2週間に1度、または置き肥を2ヶ月に1度与えます。ただし、冬は生育が緩慢になるため、肥料は控えめにしましょう。
切った部分からの発根には水差しが効果的
パキラの胴切りで切り取った部分は、水差しで発根させることができます。切り口を1~2時間ほど清潔な水に浸けることで、内部の細胞が活性化し、根が伸びやすくなります。
水は腐らないよう新鮮なものを使用し、容器も清潔に保つことが重要です。発根のための環境として、温度は20~25℃程度を保ち、風通しの良い場所に置くのが理想的です。
水栽培の場合は水が腐らないよう、定期的に水を交換する必要があります。発根までの期間は状況によって異なりますが、1ヶ月程度かかることもあります。
発根したら、水はけの良い土に植え替えて管理します。この際、根を傷つけないよう丁寧に作業を進めることが大切です。
新しい環境に慣れるまでは、急激な環境変化を避け、徐々に日光に当てる時間を増やしていくことをおすすめします。
丸坊主にしても新芽が出る驚きの生命力

パキラは丸坊主にしても、正しい方法で行えば再生する強い生命力を持っています。ただし、必ず成長点を残して切る必要があります。
生育期である5月から9月の暖かい季節に行うと、剪定後の回復が早くなります。一方、10月以降の気温が低い時期は、パキラが成長を停止するため避けた方が良いでしょう。
丸坊主にした後は、適切な環境での管理が欠かせません。パキラを日当たりの良い場所に置き、土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。
切りすぎると幹全体が枯れるリスクがあるため、作業には慎重さが求められます。特に木質化した部分は新芽が出にくいため、若い枝を中心に残すことが重要です。
ただし、直射日光が強すぎる場合は葉焼けのリスクがあるため、レース越しの光が当たる場所での管理がおすすめです。また、日光に慣れていない株は、徐々に光に当てる時間を増やしていきましょう。
挿し木で増やす場合は節を残して切り取り
パキラは挿し木での増殖が可能です。5月から9月の生育期に、10~15cm程度の長さで健康な枝を選んで切り取ります。
切り口は斜めにカットすることで吸水面積を広げ、発根を促進させます。切った枝の下部の葉はすべて取り除き、上部に2~3枚だけ葉を残します。これは、水分の蒸発を抑えるためです。
カットした枝は水の入った容器に1時間ほど浸けて吸水させます。その後、挿し木用の培養土を用意し、枝を差し込みます。このとき、枝がしっかりと固定されるように土を軽く押さえます。
挿し木を終えたら、直射日光が当たらない明るい日陰に置きます。土が乾燥しないように定期的に水を与えますが、過剰な水やりは根腐れの原因になるため注意が必要です。
約1ヶ月程度で発根が始まり、その後は新しい鉢に植え替えることで成長を促進させることができます。ただし、徒長した枝は元気が無く、挿し木の成功率も低くなる傾向があります。
根を切る際は腐った部分を完全に除去
パキラの根を切る際は、健康な部分を残すことが重要です。根全体を観察し、黒ずんでいる部分や腐っている部分を切り取ります。これらの傷んだ根を放置すると、健康な部分にも影響が及び、全体的に弱る原因になります。
使用する道具は、必ず清潔で切れ味の良いものを選びます。汚れたハサミやノコギリを使用すると、切り口から病原菌が侵入するリスクが高まります。根を切った後は、切り口に消毒液や癒合剤を塗ることで、細菌の繁殖を防ぎます。
植え替えたばかりのパキラはストレスを受けやすい状態にあるため、直射日光や極端な温度変化を避け、風通しの良い明るい場所に置きます。
水やりは土が乾燥してから適量与えるようにし、過剰な水分で根を再び傷めるのを防ぎましょう。また、切り口が乾燥しすぎないよう、環境の管理も重要です。
根を切る作業はパキラの健康を保つために必要不可欠ですが、適切なタイミングと方法を守ることでダメージを最小限に抑えることができます。
剪定した部分には必ず癒合剤を塗布
剪定後の切り口には、必ず癒合剤を塗布する必要があります。これにより、病原菌や害虫の侵入を防ぎ、切り口が乾燥してしまうのを防ぐことができます。
癒合剤は園芸用の専用のものを使用し、切り口全体にムラなく塗布します。特に木質化した部分の切り口は、病原菌が侵入しやすいため、丁寧に塗布することが重要です。
塗布後は癒合剤が乾くまで、水やりや葉水を控えめにします。また、直射日光が当たると切り口が乾燥しすぎてしまう可能性があるため、明るい日陰での管理がおすすめです。
癒合剤を塗布した後は、定期的に切り口の状態を確認します。もし癒合剤が剥がれてきた場合は、再度塗布することで保護を続けましょう。
剪定後の管理は、パキラの回復に大きく影響します。癒合剤による保護と適切な環境管理を組み合わせることで、健康的な成長を促すことができます。

まとめ:パキラの胴切りは成長点を意識して実施
最後に記事のポイントをまとめます。
- 胴切りの最適な時期は5月から9月の生育期である
- 成長点は必ず残して切ることで新芽が出やすくなる
- 根腐れした場合は早めに健康な部分まで切り戻す
- 木質化した幹は新芽が出にくいため、若い枝を優先的に残す
- ノコギリは清潔な刃物を使用し、丁寧に切断する
- 切り口には必ず癒合剤を塗布して病原菌から守る
- 胴切り後は直射日光を避け、明るい日陰で管理する
- 水やりは季節に応じて適切な頻度で行う
- 挿し木での増殖は生育期に10~15cmの健康な枝を使用する
- 根を切る際は腐った部分を完全に除去し、清潔な道具を使用する
- 冷暖房の風が直接当たらない場所での管理が重要
- 肥料は生育期のみ与え、冬は控えめにする