テレビCMでおなじみの日立の木。「この木なんの木」という歌とともに、大きく枝を広げた姿は多くの人の記憶に残っています。しかし、この木がガジュマルだと思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、現在CMで使用されているのはモンキーポッドという木です。1973年から現在まで、日立のCMには様々な木が登場してきました。マンゴーやバニヤンツリー、カリフォルニアオークなど、歴代の木々にはそれぞれ興味深い歴史があります。
記事のポイント!
- 日立CMで使用されている木の正体と歴史
- モンキーポッドとガジュマルの違い
- ハワイ・オアフ島にある日立の木の現在の状況
- 日立の木の維持管理と撮影に関する裏側
日立CMの木はガジュマルって本当?モンキーポッドとの違いを解説
- 日立の木の正体はモンキーポッドだった
- 40年以上続く日立CMの歴代の木を紹介
- 現在のモンキーポッドツリーの場所と特徴
- 日立の木の維持管理費用と撮影権について
- CMで使用された楽曲「この木なんの木」誕生秘話
- CMに使われたことのある沖永良部島のガジュマル
日立の木の正体はモンキーポッドだった
日立のCMで使用されている木は、モンキーポッドという種類の木です。学名はサマネア・サマンで、中南米を原産とする豆科の植物です。アメリカネムやサマンの木、レインツリーという別名も持っています。
この木の特徴的な性質として、日の出とともに葉が開き、午後になると閉じる性質があります。年に2回、5月と11月頃に花を咲かせることも特徴的です。
現在ハワイ・オアフ島のモアナルア・ガーデンにある日立の木は、樹齢約130年、高さ約25メートル、幅約40メートル、胴回り約7メートルという堂々たる大きさを誇っています。
猿がその実を好んで食べることから「モンキーポッド」という名前が付いたとされています。「pod」は英語でえんどう豆などの「さや」を意味します。
このモンキーポッドは、2010年9月にハワイ州の”Exceptional Tree”(特別な木)に認定されました。これは生態系において重要で、外観的にも美しい樹木を保全する目的で設けられた制度によるものです。
40年以上続く日立CMの歴代の木を紹介
日立の木のCMは1973年から放送が開始されました。最初は実際の木ではなく、アニメーションで描かれた木が使用されていました。
1976年から1979年にかけて、現在も使用されているハワイ・オアフ島のモンキーポッドが初めてCMに登場しました。
その後、1979年から1980年にかけてはハワイ島のマンゴーの木、1981年から1982年にはシンガポール北部のバニヤンツリー、1982年から1984年にはロサンゼルス・オレンジカウンティのカリフォルニアオークが使用されました。
1984年からは再びオアフ島のモンキーポッドが使用されるようになり、現在まで続いています。この木は日立のブランドシンボルとして、長年にわたって愛されています。
日立グループは、この木を「大地に根を伸ばし、大きな枝を広げ、色とりどりの花を咲かせて実を結ぶ」姿に、グループの総合力と成長性、事業の幅広さ、力強さを重ね合わせています。
現在のモンキーポッドツリーの場所と特徴
現在の日立の木は、ハワイ・オアフ島のダニエル・K・イノウエ国際空港近くにあるモアナルア・ガーデンという公園に位置しています。ワイキキから車で約30分の場所です。
この公園には実は同じような形状のモンキーポッドが複数存在しています。CMで使用されている木を見分けるポイントは、その周辺にゴミ箱が置かれていないことです。
撮影時には、高速道路が写らないよう、また一本の木が孤高に立っているように見えるアングルを慎重に選んで撮影が行われています。
この木の特徴として、シダに似た形の葉を持ち、日の出とともに開き、午後になると閉じる性質があります。年に2回、5月と11月頃に花を咲かせます。
日本でもモンキーポッドの栽培キットを入手することが可能で、以前は日立のフェアなどで栽培キットが販促品として配布されたこともありました。
日立の木の維持管理費用と撮影権について
日立の木があるモアナルア・ガーデンは、ジョン・フィリップ・ダモン氏の個人所有地ですが、一般に無料開放されています。
2007年の情報によると、日立は公園を管理する地元企業と年間約40万ドル(約4800万円)で営業目的での独占的撮影権を締結しています。
しかし、公園の維持管理に関わる費用は年間60万USドルに上り、日立からの収入を上回っているとされています。2009年には増収を目的として、日本人観光客向けの売店も設置されました。
この木は、CMの撮影場所としてだけでなく、ハワイの観光名所としても多くの観光客が訪れる場所となっています。
2010年には『日立 世界・ふしぎ発見!』の25周年スペシャルで、出演者一同がモアナルア・ガーデンを訪れ、この木の前で番組撮影を行いました。
CMで使用された楽曲「この木なんの木」誕生秘話
「この木なんの木」という楽曲は、1972年にCM制作時に小林亜星氏に作曲を依頼し、作詞は小林氏の紹介で伊藤アキラ氏が担当しました。
興味深いことに、この歌詞は偶然から生まれました。伊藤氏がCMに使用する木のイラストを見せられた際、「この木は何という木ですか?」「どんな木なのですか?」「どこにあるのですか?」と質問したところ、スタッフが「わかりません」「知りません」と答えたことから、「この木なんの木」という特徴的な歌詞が生まれたのです。
この楽曲は長年にわたって親しまれ、日立の企業イメージに大きく貢献してきました。通信カラオケの主要機種にも収録されており、「この木なんの木」というタイトルで歌うことができます。
着信メロディとしても配信され、2007年2月から配信が開始された着うたは、同年4月時点で5万ダウンロードを突破する人気を記録しました。
日立が協賛している柏レイソルのサポーターの間では、試合前にこの曲を歌う習慣があり、その際にはスポンサーへの感謝の意を込めて日立マークの入ったゲートフラッグを掲示するそうです。
CMに使われたことのある沖永良部島のガジュマル
沖永良部島の和泊町には、「日本一のガジュマル」と呼ばれる巨木があります。この木は和泊町国頭小学校の校庭にあり、高さ7メートル、枝張り22.5メートル、幹回り6.33メートルという大きさを誇ります。
1898年に同校の第1回卒業生によって植えられたこのガジュマルは、樹齢123年を超える歴史ある木です。新日本名木百選にも選定され、和泊町の天然記念物として指定されています。
日立のCMでガジュマルが使用された確かな記録は残っていませんが、撮影が行われた可能性について言及する記録が残っています。
子どもたちの成長を見守り続けてきたこの木は、地域のシンボルとして大切に保存されています。
観光スポットとしても知られており、多くの人々が訪れる場所となっています。
日立の木とガジュマルの歴史と見分け方
- モンキーポッドとガジュマルの形状の違い
- 沖永良部島の日本一のガジュマルの特徴
- ハワイのモアナルア・ガーデンパークへのアクセス方法
- 日立の木の観光スポットとしての魅力
- 日立グループが選んだシンボルツリーの意味
- まとめ:日立の木とガジュマルの関係性を完全解説
モンキーポッドとガジュマルの形状の違い
モンキーポッドは、熱帯アメリカ原産のマメ科ネムノキ亜科の常緑高木です。特徴的な形状として、シダに似た葉を持ち、大きく枝を広げて生育します。
このモンキーポッドという名前は、猿がその実を好んで食べることに由来しています。「pod」は英語でえんどう豆などの「さや」を意味する言葉です。
日の出とともに葉が開き、午後になると閉じるという特徴的な性質を持っています。そのため、レインツリー(雨降りの木)という異名も持っています。
年に2回、5月と11月頃に花を咲かせ、豆科の植物らしい特徴を見せます。
現在CMで使用されているモンキーポッドは、高さ約25メートル、幅約40メートル、胴回り約7メートルという堂々たる大きさに成長しています。
沖永良部島の日本一のガジュマルの特徴
沖永良部島の和泊町国頭小学校の校庭には、「日本一のガジュマル」と呼ばれる巨木があります。1898年に同校の第1回卒業生によって植えられました。
このガジュマルは、高さ7メートル、枝張り22.5メートル、幹回り6.33メートルという大きさを誇ります。枝張りの大きさは日本一とされています。
新日本名木百選にも選定され、和泊町の天然記念物として指定されている貴重な存在です。
樹齢は120年以上を数え、長年にわたって子どもたちの成長を見守り続けてきました。
地域のシンボルとして大切に保存され、多くの観光客が訪れる名所となっています。
ハワイのモアナルア・ガーデンパークへのアクセス方法
モアナルア・ガーデンは、ハワイ・オアフ島のダニエル・K・イノウエ国際空港近くに位置しています。ワイキキからは車で約30分でアクセスできます。
この公園は一般に無料で開放されており、日立の木の撮影場所として、また観光名所として多くの人々が訪れています。
2009年には日本人観光客向けの売店も設置され、より便利な観光スポットとなりました。
公園内には複数のモンキーポッドが生育していますが、CMで使用される木は周囲にゴミ箱が置かれていないことで見分けることができます。
高速道路に面した場所にありますが、CMの撮影では高速道路が写らないアングルが慎重に選ばれています。
日立の木の観光スポットとしての魅力
モアナルア・ガーデンの日立の木は、2010年9月にハワイ州の”Exceptional Tree”(特別な木)に認定されました。これは生態系において重要で、外観的にも美しい樹木を保全する目的で設けられた制度です。
認定の条件には、歴史的または文化的価値、樹齢の長さ、希少価値、美的価値、大きさ、生育場所の価値などが含まれています。
2010年10月には『日立 世界・ふしぎ発見!』の25周年スペシャルで、出演者一同がこの木の前で番組撮影を行いました。
日本人観光客に人気の観光スポットとして定着し、多くの人々が訪れています。
公園は無料で開放されており、誰でも自由に見学することができます。
日立グループが選んだシンボルツリーの意味
日立グループは、この木を「大地に根を伸ばし、大きな枝を広げ、色とりどりの花を咲かせて実を結ぶ」姿に、グループの総合力と成長性、事業の幅広さ、力強さを重ね合わせています。
このシンボルツリーは、日立のブランドイメージとして様々な形で活用されています。かつては日立製ワークステーションの起動時画面やパソコンのデモ画像にも使用されていました。
日立総合病院の診察券にもデザインされ、患者図書室は「モンキーポッド」という愛称が付けられています。
日立の製品CMでは、最後に流れる「Inspire the Next」のサウンドロゴとともに、この木のイメージ画像が登場します。
企業のシンボルとして、長年にわたって親しまれ続けています。
まとめ:日立の木とガジュマルの関係性を完全解説
最後に記事のポイントをまとめます。
- 日立CMの木は1973年からの放送開始で、当初はアニメーションだった
- 現在使用されているのはハワイ・オアフ島のモンキーポッド
- モンキーポッドは中南米原産の豆科の植物である
- 日立の木は樹齢約130年、高さ25メートル、幅40メートルの巨木
- ハワイ州の”Exceptional Tree”に認定されている
- 年間維持費は60万USドルにのぼる
- 「この木なんの木」の歌詞は制作時の質問から生まれた
- 沖永良部島のガジュマルは日本一の枝張りを持つ
- モアナルア・ガーデンは無料で見学可能
- 日立グループのブランドシンボルとして様々な形で活用されている
- 2009年には日本人観光客向けの売店も設置された
- 小林亜星氏作曲の「この木なんの木」は着うたでも人気を博した