ガジュマルの挿し木は簡単な増やし方として人気がありますが、「幹が太くならない」という悩みを抱える方も多いようです。実は、ガジュマルの太い幹と思っているものは「気根」と呼ばれる部分で、挿し木で増やした株は種から育てた株に比べて太くなりにくい特徴があります。
しかし、諦める必要はありません。ポリポットを使った2階建て植えや、気根を土に埋めるなど、工夫次第で挿し木のガジュマルでも魅力的な樹形に育てることができます。この記事では、挿し木したガジュマルを太くする方法や、成功率を高める育て方のポイントについて詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- 挿し木ガジュマルが太くなりにくい理由と対処法
- 気根を太くする具体的な育て方の手順
- 挿し木の成功率を高めるコツと適切な管理方法
- 編み込みなど、挿し木ならではの楽しみ方
ガジュマルの挿し木が太くならない原因と対処法
- 挿し木のガジュマルは種から育てたものより太くなりにくい特徴がある
- 挿し木ガジュマルを太くする方法は2階建て植えがおすすめ
- 気根を土に埋めることで根を太くすることができる
- 植え替え時に根上がりさせることで太さを強調できる
- 若い枝を選んで挿し木すると発根率が上がる
- 切り戻しで徒長を防ぎコンパクトに育てられる
挿し木のガジュマルは種から育てたものより太くなりにくい特徴がある
ガジュマルを挿し木で増やした場合、種から育てた株と比べると幹や根元が太くなりにくい特徴があります。これは、ガジュマルの特徴的な太い部分が実は「気根」と呼ばれるもので、空気中から水分を吸収するための器官だからです。
挿し木で育てた株は、もともと枝から育てているため、気根の発達が種から育てた株ほど活発ではありません。店頭でよく見かける太い幹を持つガジュマルの多くは、種から育てられたものか、特殊な栽培方法で育てられたものです。
ただし、挿し木のガジュマルでも時間をかければ太くすることは可能です。気根の成長を促す適切な環境作りと、正しい育て方を心がけることで、徐々に太くなっていきます。
また、挿し木には発根が早く増やしやすいというメリットもあります。そのため、編み込みなど、挿し木ならではの楽しみ方もできます。
気根の発達を促すには、高温多湿の環境を好むガジュマルの性質を理解し、適切な環境作りを心がけることが重要です。
挿し木ガジュマルを太くする方法は2階建て植えがおすすめ
挿し木したガジュマルを太くする効果的な方法として、「2階建て植え」という手法があります。これは、鉢の上にポリポットを重ねて植える方法です。
具体的な手順としては、まず苗の土を全て落とし、ポリポットを逆向きにして底穴に根と枝を通します。次に、ポットの中に観葉植物用の土を入れ、そのまま土を入れた鉢の上にポリポットごと置いて育てます。
この方法により、ポリポット内の根が徐々に太くなっていきます。これは盆栽の根上がりという技法を応用したもので、年単位の時間はかかりますが、独特な樹形を作ることができます。
実際の栽培例では、10ヶ月程度で根の太さに変化が見られたという報告があります。ただし、すべての株で同じように太くなるわけではなく、個体差があることも理解しておく必要があります。
この方法は、通常の植え方では難しい根の肥大化を促すことができる点で、挿し木ガジュマルの育て方の中でも特に注目される技法です。
気根を土に埋めることで根を太くすることができる

気根を土に埋めることで、より早く太くすることができます。気根は土に埋めることで湿度が保たれ、地中の根と同じように水分や養分を吸収できるようになります。
特に気根を土に埋める時期は、成長期が始まる初夏がおすすめです。このタイミングで埋めることで、気根の成長が活発になり、より効果的に太らせることができます。
埋める際は、水はけの良い土を使用することが重要です。過湿になると気根が腐ってしまう可能性があるためです。また、埋める深さは気根の状態に応じて調整しましょう。
この方法は特別な道具や技術が必要なく、比較的簡単に試すことができます。ただし、気温が低い時期は避け、暖かい季節に行うようにしましょう。
気根を埋めた後は、通常の水やりと同様に管理を続けることで、徐々に太くなっていきます。
植え替え時に根上がりさせることで太さを強調できる
植え替えの際に根上がりという手法を取り入れることで、ガジュマルの特徴的な樹形を強調することができます。根上がりとは、太くなった根を地表に出して見せる植え方です。
この方法では、地中で太くなった根の一部を見せることで、ガジュマルらしい見た目を演出できます。植え替え時に根を観察し、太い部分が見えるように植え付け深さを調整します。
根上がりさせる際は、根を傷つけないように注意深く作業を進める必要があります。また、露出させた根が乾燥しすぎないよう、適度な湿度管理も重要になってきます。
この手法は、挿し木から1年以上育てた株で、ある程度根が太くなってきた個体に効果的です。まだ根が細い段階では、もう少し成長を待つことをおすすめします。
根上がりは、ガジュマルの個性的な姿を引き立てる植え方として、盆栽でも用いられている伝統的な技法です。
若い枝を選んで挿し木すると発根率が上がる
挿し木の成功率を高めるには、若く元気な枝を選ぶことが重要です。若い枝には成長のエネルギーが豊富にあり、それだけ発根率も高くなります。
挿し穂は枝先から10~15cmの長さで切り取り、上部の2~3枚の葉を残して他は取り除きます。切り口は斜めにカットし、水に2~3時間浸けて吸水させることで、より確実に発根を促すことができます。
発根促進剤を使用すると、さらに発根率を高めることができます。これは必須ではありませんが、確実に発根させたい場合は検討する価値があります。
挿し木用の土は、市販の専用土か小粒の赤玉土を使用します。肥料分の入った土は避け、水はけの良い用土を選びましょう。
植え付け後は、明るい日陰で管理し、土が乾燥しすぎないよう注意を払います。2~3週間ほどで発根が始まり、新芽が出てきます。
切り戻しで徒長を防ぎコンパクトに育てられる
挿し木苗がひょろひょろと伸びてしまった場合は、切り戻しを行うことで姿を整えることができます。ただし、成長点などを切ると育たなくなる可能性があるため、注意が必要です。
適切な切り戻しにより、枝分かれが促され、より充実した樹形に育てることができます。また、切り戻した枝は新たな挿し木用の材料として活用することもできます。
剪定は、成長期である5月~7月に行うのがベストです。この時期は、植物の回復力が高く、新芽も出やすくなっています。
切り戻し後は、一時的に日陰で管理し、植物への負担を軽減させることが大切です。また、水やりは控えめにし、根腐れを防ぐよう注意しましょう。
これらの管理を適切に行うことで、コンパクトで見栄えの良い樹形に育てることができます。
ガジュマルの挿し木の育て方と成長のポイント
- 挿し木の適期は5月~7月の成長期
- 発根促進剤を使うと成功率が高まる
- 水切れと過湿に注意して管理する
- 日当たりと風通しの良い場所で育てる
- 複数の苗を植えて編み込み仕立ても楽しめる
- 3~4週間で発根して新芽が出てくる
- まとめ:ガジュマルの挿し木は太くならないけど工夫次第で魅力的に育つ
挿し木の適期は5月~7月の成長期
ガジュマルの挿し木は、5月~7月の成長期に行うのが最適です。この時期は気温が20~25度程度で、植物の生育に適した環境になっています。
暑すぎる時期や寒い時期は、ガジュマルが休眠状態に入るため挿し木をしても発根しにくくなります。そのため、真夏や冬場の挿し木は避けた方が無難です。
成長期の挿し木は、挿し穂からの発根が早く、母株へのダメージも最小限に抑えられます。また、この時期は剪定の適期とも重なるため、剪定した枝を挿し木に活用できます。
気温と湿度が安定している春から初夏にかけては、新しい根が出やすく活着も良好です。この時期に挿し木をすることで、秋冬を迎えるまでに十分な根の成長が期待できます。
環境が整った状態で挿し木をすることで、その後の管理もスムーズに進めることができます。
発根促進剤を使うと成功率が高まる
挿し木の成功率を高めたい場合は、発根促進剤の使用がおすすめです。使用方法は、水に規定量を溶かし、その中に挿し穂の切り口を浸すだけです。
発根促進剤は必須ではありませんが、使用することで根の発生が促進され、より確実に発根させることができます。特に初めて挿し木に挑戦する方は、成功率を高めるために活用を検討してみましょう。
使用する際は、製品の説明書に従って適切な濃度に調整することが重要です。濃度が濃すぎると逆効果になる可能性もあるため、注意が必要となります。
発根促進剤を使用する場合は、清潔な容器を用意し、新しい水で希釈するようにします。使用後の液は再利用せず、その都度新しく調整することをおすすめします。
このような適切な使用により、より安定した発根を促すことができます。
水切れと過湿に注意して管理する

挿し木後の水管理は、水切れと過湿の両方に注意を払う必要があります。土が乾燥しすぎると発根が阻害され、逆に水が多すぎると根腐れの原因となります。
新芽が出るまでは、土が乾燥しすぎないように水やりや霧吹きをこまめに行います。ただし、受け皿に水を溜めたままにすることは避け、土が湿る程度の水やりを心がけましょう。
特に気温の高い時期は、水の蒸発が早くなるため、土の状態をこまめにチェックすることが大切です。表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。
土は水はけの良いものを使用し、鉢底には必ず排水用の穴を設けます。これにより、過剰な水分を排出し、根腐れを防ぐことができます。
適度な水分管理により、健康的な根の生育を促すことができます。
日当たりと風通しの良い場所で育てる
ガジュマルは基本的に日光を好む植物です。挿し木後、発根して新芽が出てきたら、日当たりと風通しの良い場所で育てていきます。
ただし、真夏の直射日光は避け、カーテン越しの柔らかな光が当たる場所を選びます。冬場は5度以上の温度を保てる場所で管理し、エアコンの風が直接当たらないよう注意します。
風通しの良い環境は、病気の予防にも効果的です。ただし、強風にさらされる場所は避け、適度な通気がある場所を選びましょう。
空調の効いた室内で育てる場合は、葉水や霧吹きで適度な湿度を保つことも大切です。乾燥しすぎると葉の元気がなくなってしまいます。
このように環境を整えることで、健康的な成長を促すことができます。
複数の苗を植えて編み込み仕立ても楽しめる
挿し木で増やしたガジュマルは、3~4本を同じ鉢に植えて編み込み仕立てを楽しむこともできます。挿し木苗は幹が柔らかいため、様々な形に仕立てることが可能です。
編み込みを始める前に、まずは根がしっかりと育つまで待ちます。その後、成長に合わせて幹を編み込んでいき、麻ヒモや針金で固定します。
編み込みは植物にストレスをかける作業となるため、健康な状態の苗を使用することが重要です。また、編み込む際は幹を傷つけないよう、慎重に作業を進めます。
固定具は、成長に合わせて適宜調整や交換が必要です。きつすぎる固定は幹を傷める原因となるため、余裕を持たせて固定します。
このように、挿し木苗ならではの楽しみ方で、独創的な樹形を作り出すことができます。
3~4週間で発根して新芽が出てくる
適切な環境で管理すれば、挿し木から2~3週間程度で発根が始まり、その後新芽が出てきます。発根の兆候は、新芽の成長から確認することができます。
新芽が3~4枚程度になったら、しっかりと根が育っている証拠です。この段階で、通常の観葉植物用の土に植え替えを行うことができます。
植え替えの際は、発根したばかりの根を傷つけないよう、丁寧に作業を進めます。また、新しい環境に馴染むまでは、急激な環境変化を避けることが大切です。
この時期の水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。ただし、発根促進剤を使用している場合は、製品の説明に従った管理を行います。
このように、挿し木から1ヶ月程度で新しい個体として育ち始めます。
まとめ:ガジュマルの挿し木は太くならないけど工夫次第で魅力的に育つ
最後に記事のポイントをまとめます。
- 挿し木のガジュマルは種から育てた株より太くなりにくい特性がある
- 太くする方法として2階建て植えが効果的
- 気根を土に埋めることで養分を吸収し太くなる
- 根上がり仕立ては独特の樹形を作り出せる
- 挿し木の適期は5月~7月の成長期
- 若い枝を選ぶことで発根率が上がる
- 発根促進剤の使用で成功率を高められる
- 水切れと過湿のバランスが重要
- 日当たりと風通しの良い場所での管理が基本
- 編み込み仕立てなど挿し木ならではの楽しみ方がある
- 2~3週間で発根し、その後新芽が出てくる
- 切り戻しでコンパクトな樹形に整えられる