「ハイポネックス原液を水耕栽培で使いたいけど、どう希釈すればいいの?」そんな疑問を持つ方は多いかもしれません。しかし、実はハイポネックス原液は水耕栽培には適していないという事実をご存知でしょうか。多くの園芸愛好家が混同しがちなのですが、ハイポネックス原液は土での栽培専用に開発された肥料で、水耕栽培で使用すると期待した効果が得られない可能性があります。
水耕栽培に適しているのは「微粉ハイポネックス」です。この記事では、なぜハイポネックス原液が水耕栽培に向いていないのか、微粉ハイポネックスの正しい希釈方法、キャップを使った計量のコツ、そして水耕栽培で実際に良い結果を得るための具体的な手順について詳しく解説していきます。また、代替となる肥料選択肢や、季節に応じた管理方法まで、水耕栽培初心者から上級者まで役立つ情報を網羅的にお伝えします。
この記事のポイント |
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✅ ハイポネックス原液が水耕栽培に適していない科学的理由 |
✅ 微粉ハイポネックスの正確な希釈方法(1000倍希釈) |
✅ キャップを使った1ml単位での正確な計量テクニック |
✅ 水耕栽培に適した代替肥料の選び方と使用法 |
ハイポネックス原液の水耕栽培での希釈基礎知識
- ハイポネックス原液は水耕栽培に適していない理由
- 水耕栽培に使うべきは微粉ハイポネックスである
- ハイポネックス原液と微粉ハイポネックスの成分比較
- 微粉ハイポネックスの正しい希釈方法は1000倍
- キャップを使った正確な計量方法
- ペットボトルを活用した希釈手順
ハイポネックス原液は水耕栽培に適していない理由
多くの園芸初心者が陥りがちな誤解ですが、ハイポネックス原液は水耕栽培には向いていません。これは単なる思い込みではなく、肥料の成分構成と水耕栽培の特性を考慮した科学的な理由があります。
ハイポネックス原液の成分構成を見ると、窒素6%、リン酸10%、カリウム5%となっており、特にリン酸の含有量が多いのが特徴です。この配合は土での栽培において根の発達を促進するためのもので、土壌中での養分の移動を前提として設計されています。土の中では微生物の働きによって肥料成分が徐々に分解され、植物に適した形で供給されます。
一方、水耕栽培では土がないため、肥料成分は直接根に接触します。ハイポネックス原液に含まれる窒素の多くはアンモニア性窒素で、植物が直接吸収しにくい形態です。また、土での栽培では不足しがちな成分をサポートするように調整されているため、水耕栽培環境では栄養バランスが適切ではありません。
実際の比較実験では、ハイポネックス原液で水耕栽培した小松菜は、微粉ハイポネックスで育てたものと比較して明らかに成長が劣ることが確認されています。葉の大きさが小さく、茎も細く、全体的に弱々しい印象になってしまいます。
さらに、ハイポネックス原液を水耕栽培で使用する場合、希釈倍率を濃くしすぎると浸透圧の関係で植物が水分を吸収できなくなり、肥料だけでなく水まで不足してしまう危険性があります。これは水耕栽培では致命的な問題となります。
水耕栽培に使うべきは微粉ハイポネックスである
水耕栽培で確実に成果を得たいなら、微粉ハイポネックス一択です。この製品は水耕栽培やハイドロカルチャー専用に開発されており、水に溶かしてすぐに効果を発揮する速効性化成肥料として設計されています。
微粉ハイポネックスの最大の特徴は、カリウム成分が19%と非常に多く含まれていることです。カリウムは植物の茎や根を丈夫にし、日照不足や温度変化への耐性を高める重要な栄養素です。特に室内での水耕栽培では、外の環境と比べて光量が不足しがちなため、このカリウムの多さが植物の健全な成長に大きく貢献します。
🌱 微粉ハイポネックスの特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
形状 | 細かな粉状 |
溶解性 | 水に素早く溶ける |
効果 | 速効性 |
対象栽培 | 水耕栽培・ハイドロカルチャー専用 |
容量 | 100g~5kgまで幅広いラインナップ |
また、微粉ハイポネックスは完全には溶けきらない成分があります。これは主にリン酸成分とカルシウム成分で、一見すると問題のように思えますが、実際は根から出る酸や微生物の働きによって徐々に効果を発揮する緩効性の肥料成分として機能します。
初心者の方でも扱いやすく、付属の計量スプーンで正確な分量を測ることができます。100gのスティックタイプなら保存場所にも困らず、ホームセンターで簡単に手に入るため、水耕栽培を始めたばかりの方にも最適です。
微粉ハイポネックスは観葉植物、サボテン、多肉植物などのハイドロカルチャーにも使用でき、一つ持っていれば様々な用途に活用できる万能性も魅力の一つです。
ハイポネックス原液と微粉ハイポネックスの成分比較
両者の違いを明確にするため、詳細な成分比較を見てみましょう。この比較を理解することで、なぜ水耕栽培には微粉ハイポネックスが適しているのかがより明確になります。
📊 成分比較表
成分 | ハイポネックス原液 | 微粉ハイポネックス |
---|---|---|
窒素(N) | 6.0% | 6.5% |
リン酸(P) | 10.0% | 6.0% |
カリウム(K) | 5.0% | 19.0% |
形状 | 液体 | 粉末 |
対象栽培 | 土耕栽培専用 | 水耕栽培対応 |
この表からも分かるように、最も大きな違いはカリウムの含有量です。微粉ハイポネックスのカリウム含有量19%は、ハイポネックス原液の約4倍という驚異的な数値です。カリウムは植物の茎を太く丈夫にし、病気や環境ストレスへの抵抗力を高める効果があります。
ハイポネックス原液のリン酸含有量10%は、確かに根の発達には優れた効果を発揮しますが、これは土の中で根が広く張り巡らされることを前提としています。水耕栽培では根の生育環境が限られているため、むしろ茎や葉の充実に重点を置いた微粉ハイポネックスの配合の方が理にかなっています。
窒素については両者ともほぼ同等ですが、ハイポネックス原液に含まれる窒素の多くはアンモニア性窒素で、土壌中の微生物によって硝酸性窒素に変換されて初めて植物が吸収しやすくなります。一方、微粉ハイポネックスの窒素は水耕栽培環境でも直接吸収しやすい形態になっています。
また、ハイポネックス原液には15種類の栄養素がバランス良く配合されていると謳われていますが、これらの微量元素も土での栽培を前提とした配合となっています。水耕栽培では別途、水耕栽培専用の活力剤と組み合わせる方が効果的です。
微粉ハイポネックスの正しい希釈方法は1000倍
微粉ハイポネックスを水耕栽培で使用する際の標準的な希釈倍率は1000倍です。この数値は長年の研究と実践によって確立された最適な濃度で、ほとんどの野菜や観葉植物に適用できます。
具体的な計算方法は非常にシンプルです。2Lの水に対して微粉ハイポネックス2g(付属の計量スプーン1杯分)を溶かします。10Lの大容量で作る場合は、水10Lに対して微粉ハイポネックス10gという計算になります。
💧 希釈倍率の詳細ガイド
水の量 | 微粉ハイポネックス量 | 備考 |
---|---|---|
500ml | 0.5g | 少量作成時 |
1L | 1g | 小型容器用 |
2L | 2g | 標準的な分量 |
10L | 10g | 大量栽培時 |
希釈する際のコツは、最初に少量の水で粉末を溶かしてから残りの水を加えることです。粉末を直接大量の水に入れると、均一に混ざりにくく、底に沈殿してしまう可能性があります。
ペットボトルを使う場合は、まず8分目程度まで水を入れ、微粉ハイポネックスを加えてよく振り混ぜます。粉末が完全に溶けてから残りの水を足すと、より均一な希釈液を作ることができます。
注意すべき点として、完全には溶けきらない白い粒が残ることがありますが、これは正常です。前述の通り、リン酸成分とカルシウム成分は水に溶けにくい性質がありますが、これらも重要な栄養源となるため、そのまま使用して問題ありません。
希釈した液肥は作り置きを避け、使う分だけ作ることが推奨されています。どうしても余ってしまった場合は冷蔵庫で保存し、3日以内に使い切るようにしましょう。特に夏場は腐敗しやすいため、注意が必要です。
キャップを使った正確な計量方法
微粉ハイポネックスには専用の計量スプーンが付属していますが、ハイポネックス製品のキャップも実は優秀な計量器として活用できます。このキャップの計量機能を知っていると、少量の液肥を作る際に非常に便利です。
ハイポネックスのキャップには細かい目盛りが設けられており、非常に正確な計量が可能です。キャップの満タン時は約20mlですが、ネジ山を利用することでより細かい計量ができます。
🔧 キャップ計量ガイド
位置 | 容量 | 用途 |
---|---|---|
満タン | 20ml | 大容量希釈時 |
一番上のネジ山 | 10ml | 中容量希釈時 |
真ん中のネジ山 | 5ml | 少量希釈時 |
一番下のネジ山 | 4ml | 極少量希釈時 |
底の凹み | 1ml | 微量調整時 |
この計量方法は、ハイポネックス原液、トップクオリティシリーズ、リキダスなど、同じ形状のキャップを使用している製品すべてに適用できます。容量の異なる800cc、450cc、160ccボトルでも、キャップの形状は統一されているため安心です。
特に1mlの計量ができる点は非常に重要です。例えば、500mlの水で希釈液を作る場合、1000倍希釈なら0.5mlの微粉ハイポネックスが必要になりますが、この微細な量でもキャップの底の凹みを利用すれば比較的正確に測ることができます。
正確な計量のためには、キャップを使用前にきれいに洗い、水気をしっかりと拭き取ることが重要です。特に前回使用した原液が残っていると、正確な計量ができなくなる可能性があります。また、計量時は平らな場所で行い、目線を水平にして液面を確認することで、より正確な計量が可能になります。
ペットボトルを活用した希釈手順
ペットボトルを使った希釈方法は、特に家庭での水耕栽培において最も実践的で便利な方法です。500ml、1L、2Lのペットボトルを活用することで、必要な分だけ正確に希釈液を作ることができます。
2Lペットボトルを使った標準的な手順をご紹介します。まず、ペットボトルに水道水を1.5L程度入れます(8分目程度)。次に、付属の計量スプーンで微粉ハイポネックス2gを測り取り、ペットボトルに投入します。
この時点で重要なのは、必ずキャップをしっかりと締めてから振ることです。上下に20〜30回程度振ることで、粉末が均一に分散します。粉末が概ね溶けたら、残りの水を加えて満量の2Lにし、再度よく振り混ぜます。
⚡ ペットボトル希釈手順
- ペットボトルに水を8分目まで入れる
- 微粉ハイポネックスを計量して投入
- キャップを締めて20〜30回振る
- 残りの水を加えて満量にする
- 再度よく振り混ぜて完成
500mlペットボトルで少量を作る場合は、100mlごとに印を付けておくと便利です。1Lペットボトルの場合、肩の部分までが約900mlという目安を覚えておくと、正確な分量調整ができます。
使用後のペットボトルは洗浄して繰り返し使用できますが、長期間使用すると劣化する可能性があるため、定期的に新しいものに交換することをお勧めします。また、直射日光の当たる場所や高温になる場所での保管は避け、冷暗所で保管するようにしましょう。
ペットボトルの利点は、透明で中身が見えるため混合状況を確認しやすく、軽量で扱いやすいことです。また、目盛りが印刷されているものもあり、分量の調整が簡単に行えます。
ハイポネックス原液を水耕栽培で使う場合の希釈と実践的対処法
- ハイポネックス原液で水耕栽培した場合の成長比較実験結果
- 水耕栽培での液肥交換頻度と適切な管理方法
- 水耕栽培に適した代替肥料の選択肢と特徴
- 観葉植物の水耕栽培での肥料使用法
- 初心者が陥りやすい希釈の失敗例と対策
- 季節による濃度調整の必要性
- まとめ:ハイポネックス原液 水耕栽培 希釈の完全ガイド
ハイポネックス原液で水耕栽培した場合の成長比較実験結果
実際にハイポネックス原液を使って水耕栽培を行った比較実験の結果は、非常に興味深いものでした。小松菜を対象とした約40日間の栽培実験では、ハイポネックス原液と微粉ハイポネックスで明確な差が現れました。
実験開始から2週間程度は、両者の差はほとんど見られませんでした。発芽率や初期の成長速度に大きな違いはなく、「もしかしたらハイポネックス原液でも問題ないのでは?」と思わせる結果でした。しかし、栽培期間が1ヶ月を過ぎた頃から、明確な差が現れ始めました。
📈 成長比較実験結果
項目 | ハイポネックス原液 | 微粉ハイポネックス |
---|---|---|
葉の大きさ | 小さめ | 大きく育つ |
茎の太さ | 細く弱々しい | 太くしっかり |
葉の色 | 濃い緑色 | やや黄緑色 |
全体的な成長 | 成長が遅い | 順調に成長 |
耐暑性 | 比較的良好 | しおれやすい |
特に興味深かったのは、ハイポネックス原液で育てた小松菜の方が葉の色が濃く、形も整った楕円形になったことです。見た目だけで判断すると、むしろハイポネックス原液の方が良い結果のように見えました。一方、微粉ハイポネックスで育てた小松菜は黄緑色で、葉が丸まったりしていびつな形になることがありました。
しかし、サイズを比較すると明らかに微粉ハイポネックスの方が大きく育っており、茎の太さも微粉ハイポネックスの方が圧倒的に優れていました。株元の写真を比較すると、微粉ハイポネックスで育てた方が茎が太く密に育っているのが一目瞭然でした。
この実験から分かることは、ハイポネックス原液でも一定の成長は期待できるものの、水耕栽培に適した微粉ハイポネックスと比較すると、明らかに成長が劣るということです。特に収穫量を重視する場合は、微粉ハイポネックスを選択する方が合理的と言えるでしょう。
水耕栽培での液肥交換頻度と適切な管理方法
水耕栽培での液肥管理は、成功の鍵を握る重要な要素です。微粉ハイポネックスを使用する場合の基本的な交換頻度は週1回、すべての液を新しい希釈液と交換することです。これはメーカーが推奨する標準的な使用方法です。
ただし、環境条件によって交換頻度を調整する必要があります。特に夏場は水温が上がりやすく、液肥が腐りやすくなるため、3日に1回程度の交換が望ましいでしょう。逆に冬場は植物の生育が緩やかになるため、10日に1回程度でも問題ない場合があります。
🗓️ 季節別液肥交換スケジュール
季節 | 交換頻度 | 注意点 |
---|---|---|
春(3-5月) | 1週間に1回 | 成長期のため定期交換 |
夏(6-8月) | 3日に1回 | 高温により腐敗しやすい |
秋(9-11月) | 1週間に1回 | 安定した成長期 |
冬(12-2月) | 10日に1回 | 成長が緩やか |
液肥の状態を見極めるポイントもあります。液が濁ってきた場合は、日数に関係なく即座に交換する必要があります。これは腐敗や藻の発生を防ぐための重要な対策です。また、異臭がする場合も同様に、すぐに新しい液肥に交換しましょう。
水位の管理も重要な要素です。植物の生育によって水位は下がりますが、この場合は希釈液ではなく水道水を足して調整します。これは肥料濃度の上昇を防ぐための重要なポイントです。根の3分の2〜半分程度が浸かる水位を保つことで、根腐れを防ぎながら適切な栄養供給ができます。
ECメーターを使用できる方は、より精密な管理が可能です。微粉ハイポネックスを1000倍希釈した場合のEC値は、900〜1100μS/cm程度になります。この数値が極端に上昇している場合は水の蒸発により液肥が濃縮している可能性があり、逆に低下している場合は植物による養分の吸収が進んでいるサインです。
水耕栽培に適した代替肥料の選択肢と特徴
微粉ハイポネックス以外にも、水耕栽培に適した肥料は複数存在します。それぞれに特徴があり、栽培する植物や栽培者のレベルに応じて選択することが重要です。
ハイポニカ液体肥料は、野菜の水耕栽培において特に評価が高い肥料です。A液とB液の2液タイプになっており、それぞれを500倍に希釈して混合して使用します。肥料成分だけでなく、ミネラル成分も豊富に含まれているため、野菜を大きく美味しく成長させる効果があります。
🌿 水耕栽培用肥料比較表
肥料名 | タイプ | 希釈倍率 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|---|
微粉ハイポネックス | 粉末 | 1000倍 | 初心者向け、扱いやすい | 低価格 |
ハイポニカ液体肥料 | 2液タイプ | 500倍 | 野菜栽培に最適 | 中価格 |
大塚ハウス肥料 | 粉末 | 1000倍 | プロ仕様、高性能 | 高価格 |
おうちのやさい液肥C | 液体 | 500倍 | 一液タイプで簡単 | 中価格 |
大塚ハウス肥料シリーズは、プロの農家も使用する本格的な水耕栽培用肥料です。1号、2号、5号を組み合わせて使用し、植物の成長段階に応じて配合比を調整できます。初心者には少し複雑ですが、本格的な水耕栽培を目指す方には最適な選択肢です。
おうちのやさい液肥Cは、一液タイプの水耕栽培用肥料で、希釈するだけで使用できる手軽さが魅力です。特に家庭での小規模栽培において、手間をかけずに良い結果を得たい方におすすめです。
各肥料の選択基準としては、栽培する植物の種類、栽培規模、コストパフォーマンス、扱いやすさなどを総合的に考慮することが重要です。初心者の方は微粉ハイポネックスから始めて、慣れてきたら他の肥料にチャレンジするのが良いでしょう。
また、肥料を混合使用する場合は十分な注意が必要です。原液同士を混ぜると化学反応を起こし、有害物質が発生する危険性があります。必ず水で希釈してから混合するか、メーカーが推奨する組み合わせのみを使用するようにしましょう。
観葉植物の水耕栽培での肥料使用法
観葉植物の水耕栽培(ハイドロカルチャー)では、野菜栽培とは異なるアプローチが必要です。観葉植物は一般的に成長がゆっくりで、過度な施肥は逆効果になる可能性があります。
観葉植物の場合、微粉ハイポネックスは同じく1000倍希釈で使用しますが、施肥頻度は2週間〜1ヶ月に1回程度と少なくて済みます。また、根に直接肥料を与えるのではなく、葉面散布という方法も効果的です。
🪴 観葉植物別施肥ガイド
植物名 | 施肥頻度 | 希釈倍率 | 特記事項 |
---|---|---|---|
ポトス | 3週間に1回 | 1000倍 | 成長が早いため定期的に |
パキラ | 1ヶ月に1回 | 1000倍 | 過施肥に注意 |
ガジュマル | 3週間に1回 | 1000倍 | 安定した成長 |
サンスベリア | 2ヶ月に1回 | 2000倍 | 多肉質のため薄めに |
サボテン | 2ヶ月に1回 | 2000倍 | 最小限の施肥 |
観葉植物専用の活力剤として「キュート ハイドロ・水栽培用」という製品もあります。これは希釈せずにそのまま株元にひと押しするだけで使用でき、植物の葉色・花色を鮮やかに美しく育てる効果があります。
葉面散布を行う場合は、500倍に希釈したハイポネックス原液をスプレーボトルに入れ、葉の裏表にまんべんなく吹きかけます。この方法は根腐れのリスクを避けながら栄養を供給できるため、観葉植物には特に適しています。
水位管理も重要で、観葉植物の場合は根の3分の2程度が浸かるようにし、根元は濡らさないように注意します。これは根腐れを防ぐための重要なポイントです。また、風通しの良い場所で管理することで、カビの発生を防ぐことができます。
観葉植物は野菜と比べて栄養要求量が少ないため、「少なめに、薄めに」を心がけることが成功の秘訣です。過度な施肥は根を傷める原因となるため、様子を見ながら徐々に調整していくことが重要です。
初心者が陥りやすい希釈の失敗例と対策
水耕栽培初心者の多くが経験する失敗例と、それらを避けるための具体的な対策をご紹介します。これらの情報を事前に知っておくことで、無駄な失敗を避け、スムーズに水耕栽培を始めることができます。
最も多い失敗例は、ハイポネックス原液と微粉ハイポネックスの混同です。名前が似ているため、多くの初心者が間違えて購入してしまいます。ハイポネックス原液を水耕栽培で使ってしまい、期待した成長が得られずに挫折してしまうケースが非常に多いのです。
⚠️ よくある失敗例と対策
失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
肥料選択ミス | ハイポネックス原液を購入 | パッケージをよく確認、「微粉」を選ぶ |
濃度計算ミス | 希釈倍率を間違える | 1000倍希釈を徹底する |
作り置きによる腐敗 | 希釈液を長期保存 | 使い切り分のみ作成 |
根腐れ | 水位が高すぎる | 根の半分〜2/3を目安に |
栄養過多 | 肥料を濃くしすぎ | 規定の希釈倍率を守る |
二番目によくある失敗は、「早く成長させたい」という思いから肥料を濃くしすぎることです。1000倍希釈を500倍や300倍にしてしまうと、浸透圧の関係で植物が水分を吸収できなくなり、かえって成長が阻害されます。最悪の場合、植物が枯れてしまう可能性もあります。
希釈液の作り置きも初心者にありがちな失敗です。「一度に大量に作っておけば楽だろう」と考えて大量の希釈液を作り、それを数週間にわたって使用する方がいます。しかし、希釈液は時間が経つにつれて品質が劣化し、特に夏場は腐敗してしまう可能性があります。
水位管理の失敗も深刻な問題を引き起こします。「水が多い方が良いだろう」と考えて根を完全に水に浸けてしまうと、根が空気を吸えなくなり根腐れを起こします。水耕栽培では、根の一部は必ず空気に触れている状態を保つことが重要です。
これらの失敗を避けるためには、基本に忠実に従うことが最も重要です。特に最初の数回は、規定通りの希釈倍率、交換頻度、水位管理を厳格に守り、植物の反応を観察しながら徐々に自分なりのコツを掴んでいくことをお勧めします。
季節による濃度調整の必要性
水耕栽培において、季節に応じた濃度調整は植物の健全な成長のために重要な要素です。植物の代謝活動は気温や日照時間の変化に大きく影響されるため、一年を通して同じ濃度で管理するのは必ずしも最適ではありません。
春(3〜5月)は植物の成長期にあたるため、基本の1000倍希釈で問題ありません。この時期は気温も適度で、植物の代謝活動が活発になるため、規定通りの濃度で十分な効果を期待できます。新芽の展開や根の伸長が盛んな時期なので、定期的な液肥交換を心がけましょう。
夏(6〜8月)は高温により水の蒸発が激しくなり、液肥が濃縮されやすい時期です。また、高温ストレスにより植物の栄養吸収能力が低下する場合があります。この時期は1200〜1500倍程度に薄めて使用することを検討してもよいでしょう。また、液肥の交換頻度を3日に1回程度に増やすことも重要です。
🌡️ 季節別濃度調整ガイド
季節 | 推奨希釈倍率 | 気温の影響 | 管理のポイント |
---|---|---|---|
春(3-5月) | 1000倍 | 適温で安定 | 標準的な管理 |
夏(6-8月) | 1200-1500倍 | 高温ストレス | 頻繁な交換、薄めの濃度 |
秋(9-11月) | 1000倍 | 安定期 | 標準的な管理 |
冬(12-2月) | 800-1000倍 | 低温で代謝低下 | やや濃いめでも可 |
秋(9〜11月)は再び植物の成長期となりますが、夏の暑さから回復する時期でもあります。基本の1000倍希釈に戻し、安定した管理を行います。この時期は気温も安定し、植物の状態も良好になることが多いため、収穫を目的とした栽培には最適な時期です。
冬(12〜2月)は植物の代謝活動が最も低下する時期です。室内栽培の場合、暖房により乾燥しやすくなる一方で、植物の栄養要求量は減少します。この時期は800〜1000倍の範囲内で、やや濃いめに調整しても問題ありません。ただし、成長が緩やかになるため、液肥の交換頻度は10日に1回程度に減らすことができます。
季節調整を行う際の注意点として、急激な濃度変更は避けることが重要です。季節の変わり目には、1〜2週間かけて徐々に濃度を調整し、植物に負担をかけないよう配慮しましょう。
また、室内栽培では外気温の影響を受けにくいため、エアコンやヒーターの使用状況に応じて調整することも必要です。特に冬場の暖房による乾燥対策として、葉水を併用することも効果的です。
まとめ:ハイポネックス原液 水耕栽培 希釈の完全ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- ハイポネックス原液は水耕栽培には適していない
- 水耕栽培には微粉ハイポネックスを使用する必要がある
- 微粉ハイポネックスの標準希釈倍率は1000倍である
- ハイポネックス原液はリン酸が多く土耕栽培専用の配合
- 微粉ハイポネックスはカリウムが19%と非常に多い
- キャップを使えば1ml単位での正確な計量が可能
- ペットボトルを使った希釈方法が最も実践的
- 液肥交換は基本的に週1回、夏場は3日に1回
- 希釈液は作り置きせず使い切り分のみ作成する
- 観葉植物は2週間〜1ヶ月に1回の施肥で十分
- 根腐れ防止のため水位は根の半分〜2/3程度に保つ
- 夏場は薄めの濃度、冬場はやや濃いめの調整が有効
- ハイポニカ液体肥料や大塚ハウス肥料も水耕栽培に適している
- 初心者は肥料選択ミスと濃度計算ミスに特に注意が必要
- ECメーターを使用すればより精密な管理が可能
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.haruirosoleil.com/entry/2018/08/05/122007
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12280100307
- https://negi-note.hatenablog.com/entry/HYPONeX
- https://gardenfarm.site/hyponex-genleki-usemekata/
- https://www.hyponex.co.jp/faq/faq-385/
- https://gardenfarm.site/hyponex-suikou-saibai-kishaku/
- https://wootang.jp/archives/12083
- https://www.noukaweb.com/hydroponics-hyponex/
- https://www.youtube.com/watch?v=1NJ2NtJGY7E
- https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B4%E8%80%95%E6%A0%BD%E5%9F%B9-%E6%B6%B2%E8%82%A5/s?k=%E6%B0%B4%E8%80%95%E6%A0%BD%E5%9F%B9+%E6%B6%B2%E8%82%A5