草刈機シャフトがブレる原因と対策【振動が止まらない時の完全解決ガイド】

草刈機を使っていて突然シャフトがブレ始めて困っていませんか？この振動は単なる不具合ではなく、放置すると機械の寿命を縮めたり、作業効率が大幅に低下したりする深刻な問題です。実は草刈機のシャフトがブレる原因は意外と多岐にわたり、チップソーの偏心から内部部品の故障まで様々な要因が考えられます。

多くの場合、見た目には分からない小さな問題が積み重なって大きな振動となって現れます。この記事では、草刈機修理の現場で実際に報告されている事例をもとに、シャフトがブレる原因を徹底的に解析し、自分でできる対処法から専門的な修理まで、段階的な解決方法をご紹介します。適切な対処により、快適な草刈り作業を取り戻せるはずです。

この記事のポイント
✅ チップソーの偏心や欠損が振動の最大の原因であること
✅ 刈刃のゆるみチェックで簡単に解決できる場合があること
✅ シャフト曲がりとベアリング破損の見分け方
✅ クラッチ部分の固着が引き起こす振動の特徴

草刈機シャフトがブレる主な原因と症状の特定方法

1. チップソーの偏心や欠損が振動の最大の原因である理由
2. 刈刃のゆるみを確認する具体的な方法と締め付け手順
3. シャフト自体の曲がりを見分ける診断ポイント
4. ベアリング破損の症状と交換の必要性を判断する方法
5. クラッチ部分の異常を点検する手順と注意点
6. エンジン関連の振動原因を特定する方法と対処法

チップソーの偏心や欠損が振動の最大の原因である理由

草刈機のシャフトがブレる原因として、チップソーの問題が圧倒的に多いことが修理現場では常識となっています。チップソーは高速回転するため、わずかな偏心や重量バランスの崩れでも激しい振動を引き起こします。

特に注意すべきはチップの欠落です。切り株や石などの硬い障害物に当たることでチップが欠けると、回転時のバランスが崩れます。1～2枚程度の欠損では影響は軽微ですが、数枚が連続して欠損している場合は深刻な振動の原因となります。この不安定な回転に引きずられて、草刈機のシャフト全体がブレるようになるのです。

🔧 チップソーの状態チェックポイント

チェック項目	正常な状態	異常な状態
チップの欠損	全てのチップが完全	連続する複数のチップが欠損
刃の形状	真円に近い形状	いびつな形状、歪み
中心穴	適正サイズで偏りなし	穴が大きすぎる、偏心
全体的な状態	平らで反りなし	反りや変形が見られる

また、チップソーの中心穴が大きすぎる場合も問題となります。この状態では取り付け時に偏って装着されやすく、回転時に重心がずれて振動を引き起こします。見た目では判断が難しい場合があるため、振動が発生した際は新品のチップソーに交換してみることが最も確実な診断方法です。

修理現場では「機械本体の故障を疑う前に、まずチップソーを新品に交換してテストする」ことが基本的な診断手順となっています。多くの場合、この段階で振動が解消されることが報告されています。

刈刃のゆるみを確認する具体的な方法と締め付け手順

刈刃の取り付けが不完全な場合、当然ながらグラつきが発生し、これがシャフトのブレの原因となります。作業中の振動により刈刃が徐々に緩んでくることも珍しくありません。

正しい点検手順として、まずエンジンを完全に停止させ、プラグコードを外して安全を確保します。その後、刈刃を手で軽く揺らしてみて、上下左右にガタつきがないかを確認します。少しでも動きが感じられる場合は締め付けが不十分です。

📝 刈刃締め付けの正しい手順

手順	作業内容	注意点
1	エンジン停止、プラグコード除去	安全確保が最優先
2	ギアケース固定	回転防止が必要
3	六角レンチで段階的締め付け	一気に締めすぎない
4	最終トルク確認	適正トルクで仕上げ

締め付けには六角レンチを使用しますが、重要なのは段階的に締め付けることです。一気に強く締めすぎると、ネジ山を傷めたり、過度な応力がかかって別の問題を引き起こす可能性があります。

特に注意すべきは、締め付け作業中にギアケースが回転しないようしっかりと固定することです。多くの草刈機にはギアケース固定用の穴やフラット部分が設けられているので、それらを活用して確実に固定してから作業を行います。

正しく締め付けが完了したら、再度手でグラつきがないことを確認し、エンジンを始動して低回転から徐々に回転数を上げて振動の改善を確認します。

シャフト自体の曲がりを見分ける診断ポイント

シャフト自体が曲がっている場合は、より深刻な問題として対処する必要があります。これは主に強い衝撃を受けた場合に発生し、木の根元に刺さって瞬間的に停止したり、大きな石に強くぶつかったりすることで起こります。

シャフトの曲がりを確認する方法として、Mブロックにシャフトをセットしてダイヤルゲージで振れを測定する専門的な方法がありますが、一般的には目視と手による感触で判断することになります。

🔍 シャフト曲がりの診断方法

まず、ギアケース部分を外してシャフトを露出させます。シャフトを手でゆっくりと回転させながら、軸がまっすぐかどうかを目視で確認します。曲がりがある場合は、回転に伴って軸の位置が上下左右に振れるのが観察できます。

また、シャフトにスリ傷が多数ある場合も曲がりの兆候です。正常なシャフトであれば、パイプ内での摩擦は最小限に抑えられているため、過度なスリ傷は異常な状態を示しています。

症状	正常	軽微な曲がり	深刻な曲がり
目視での確認	真っ直ぐ	わずかな振れ	明らかな湾曲
回転時の動作	スムーズ	軽微な引っかかり	明らかな抵抗
音の変化	静か	わずかな異音	明らかな異音

シャフトの曲がりが確認された場合、修理よりも交換が推奨されます。曲がったシャフトを矯正することは技術的に困難で、一時的に直ったように見えても再発のリスクが高いためです。

ベアリング破損の症状と交換の必要性を判断する方法

ギアケース内のベアリング破損も、シャフトがブレる重要な原因の一つです。ベアリングは高速回転するシャフトを支える重要な部品で、これが損傷すると激しい振動が手に伝わってきます。

ベアリング破損の典型的な症状として、金属音を伴う振動があります。正常なベアリングは滑らかに回転しますが、破損すると内部の玉やローラーが不規則に動き、特徴的な音を発生させます。

⚡ ベアリング破損の診断ポイント

診断方法	正常な状態	破損の疑い
音による判断	静かな回転音	ガラガラ、ゴリゴリ音
振動の特徴	軽微で一定	激しく不規則
回転の感触	スムーズ	引っかかり感
発熱の状況	軽微な発熱	異常な発熱

ベアリングの点検は、エンジンを停止した状態でシャフトを手で回転させることで行います。正常なベアリングであれば抵抗なくスムーズに回転しますが、破損している場合は明らかな引っかかりや異音が感じられます。

また、作業後にギアケース周辺が異常に熱くなる場合もベアリング破損の兆候です。摩擦が増大することで発熱し、さらなる損傷を引き起こす悪循環となります。

ベアリング破損が確認された場合は、専門的な修理が必要となります。適切な工具と技術が必要で、一般的には修理業者に依頼することが推奨されます。放置すると他の部品にも損傷が及ぶ可能性があるため、早期の対処が重要です。

クラッチ部分の異常を点検する手順と注意点

遠心クラッチの動作不良も、シャフトがブレる原因として見逃せません。クラッチシューの動きが悪くなると、エンジン側からの振動が直接伝わりやすくなり、特に低回転域で顕著な振動が発生します。

クラッチの問題は主にシューとボルトの固着によって起こります。使用環境の湿気や汚れにより、シューを開閉するボルト部分に錆が発生し、片側だけが正常に動かなくなることがあります。

🔧 クラッチ点検の基本手順

まず、エンジンを始動してアイドリング状態で異音や振動をチェックします。正常なクラッチであれば、低回転時はシューが開かずに静かな状態を保ちます。しかし、固着があると不規則な接触により異音が発生します。

次に、回転数を徐々に上げてクラッチインのタイミングを確認します。正常であれば一定の回転数でスムーズにクラッチが繋がりますが、異常がある場合は繋がるタイミングが早くなったり、振動を伴ったりします。

症状	正常状態	異常状態
アイドリング時	静か、振動なし	異音、軽微な振動
クラッチイン時	スムーズな接続	振動を伴う接続
高回転時	安定した回転	継続的な振動

分解点検を行う場合は、フライホイールを外してクラッチシューの状態を確認します。シューをマイナスドライバーで軽くこじって、スプリングの力で戻るかを確認します。戻りが悪い場合は固着が疑われます。

シューとボルトに錆が確認された場合は、1500番程度の耐水ペーパーで丁寧に錆を落とし、パーツクリーナーで油分を除去した後、モリブデングリースを薄く塗布します。グリスは遠心力で飛散するため、厚く塗りすぎないことが重要です。

エンジン関連の振動原因を特定する方法と対処法

エンジン自体の問題により振動が発生することもあります。特にエンジンオイルの過多は見落としがちな原因の一つです。オイル量が規定より多すぎると、エンジンに負担がかかりオーバーヒートを起こし、異常な振動とともに濃い白煙が継続的に発生します。

4サイクルエンジンの場合は、オイルレベルゲージで適正量を確認し、過多の場合は余分なオイルを抜き取ります。2サイクルエンジンの場合は混合燃料となっているため、タンクを空にして適正比率の燃料を入れ直す必要があります。

🚨 エンジン関連振動の警告サイン

症状	原因	対処法
濃い白煙 + 振動	オイル過多	オイル量調整
回転数不安定 + 振動	キャブレター詰まり	分解清掃
始動困難 + 振動	燃料系統異常	燃料交換、清掃

キャブレターの詰まりも振動の原因となります。劣化した燃料により詰まりが発生すると、適正な空気と燃料の混合比が保てなくなり、燃焼効率が低下します。その結果、エンジンの回転が不安定になり、振動として現れます。

エンジン関連の問題は確実にエンジンを痛めるため、症状を確認したら直ちに使用を停止することが重要です。簡単だからといって放置すると、修理費用が大幅に増加したり、エンジン交換が必要になったりする可能性があります。

定期的な燃料の入れ替えやエアフィルターの清掃などの基本メンテナンスにより、多くのエンジン関連振動は予防可能です。特に長期間使用しない場合は、燃料を抜いて保管することが推奨されます。

草刈機シャフトがブレる時の修理方法と予防策

1. 自分でできる修理と専門店に依頼すべき修理の判断基準
2. 修理費用の相場と部品交換コストの詳細
3. 信頼できる修理店の探し方と選び方のポイント
4. 予防メンテナンスで振動を防ぐ具体的な方法
5. シャフト交換が必要になる判断基準と費用
6. グリスアップの正しい方法と適切な頻度
7. まとめ：草刈機シャフトがブレる問題の総合的な解決策

自分でできる修理と専門店に依頼すべき修理の判断基準

草刈機のシャフトがブレる問題について、どこまで自分で対処できるかを正しく判断することは、時間とコストの節約につながります。適切な判断により、安全で効果的な修理が可能になります。

自分でできる修理の範囲は、基本的な工具と知識があれば対応可能な項目に限定されます。最も重要なのは安全性を確保しながら作業することです。

✅ DIYで対応可能な修理

修理項目	必要な工具	難易度	所要時間
チップソー交換	六角レンチ、軍手	★☆☆	10-15分
刈刃の締め付け	六角レンチ	★☆☆	5-10分
簡単なグリス補給	グリスガン	★★☆	15-20分
エアフィルター清掃	ブラシ、コンプレッサー	★☆☆	10分

チップソーの交換や刈刃の締め付けは、基本的なメンテナンスとして覚えておくべき作業です。適切な工具さえあれば、特別な技術は必要ありません。ただし、作業前には必ずエンジンを停止し、プラグコードを外して安全を確保することが前提となります。

一方で、専門店に依頼すべき修理は、特殊な工具や高度な技術が必要な項目です。無理に自分で行うと、さらなる損傷を引き起こしたり、安全性を損なったりするリスクがあります。

🔧 専門店での修理が必要な項目

修理項目	理由	推定費用
ベアリング交換	特殊工具と技術が必要	5,000-8,000円
シャフト交換	分解・組立の専門知識	8,000-15,000円
クラッチ分解修理	精密な調整が必要	6,000-10,000円
エンジン内部修理	高度な技術と設備	15,000-30,000円

特にエンジン内部の修理については、分解に伴うリスクが高く、適切な工具と豊富な経験が必要です。キャブレターの分解清掃なども、部品の紛失や組み立て不良により深刻な問題を引き起こす可能性があります。

判断に迷う場合は、まず専門店に相談することをお勧めします。多くの修理店では無料で簡単な診断を行ってくれるため、修理の必要性や費用を事前に把握できます。

修理費用の相場と部品交換コストの詳細

草刈機の修理費用は、症状の程度と必要な部品によって大きく変動します。適切な予算計画を立てるために、一般的な費用相場を把握しておくことが重要です。

基本的な修理費用には、診断料、技術料、部品代が含まれます。多くの修理店では診断料を修理費用に含めるシステムを採用しているため、実際に修理を依頼する場合は診断料が実質無料となることが多いです。

💰 一般的な修理費用相場

修理内容	技術料	部品代	合計費用
チップソー交換	500-1,000円	1,000-3,000円	1,500-4,000円
刈刃締め付け調整	500-800円	0円	500-800円
ベアリング交換	3,000-5,000円	2,000-3,000円	5,000-8,000円
シャフト交換	4,000-6,000円	4,000-9,000円	8,000-15,000円
クラッチ修理	3,000-4,000円	3,000-6,000円	6,000-10,000円

部品の品質によっても費用は変動します。純正部品は高価ですが耐久性と適合性に優れており、社外品は安価ですが品質にばらつきがある場合があります。特に安全に関わる部品については、純正品の使用が推奨されます。

複数の症状が同時に発生している場合は、個別に修理するよりも一括修理の方が割安になることがあります。例えば、シャフト交換とベアリング交換を同時に行う場合、分解・組立の技術料を共有できるため、総費用を抑えることができます。

🏪 修理費用を抑えるポイント

• 複数の修理店で見積もりを取る
• 修理内容と部品について詳しく説明を受ける
• 純正品と社外品の違いを確認する
• 保証期間とアフターサービスを確認する

また、機械の年式や状態も費用に影響します。古い機種では部品の入手が困難で、特注や代替品が必要になる場合があります。修理費用が新品購入価格の半分を超える場合は、買い替えを検討することも合理的な判断です。

信頼できる修理店の探し方と選び方のポイント

優良な修理店を見つけることは、適切な修理と長期的な満足度に直結します。草刈機の修理には専門的な知識と経験が必要なため、店舗選びは慎重に行う必要があります。

地域の農機具店は最も確実な選択肢の一つです。農機具の販売と修理を専門に行っているため、草刈機に関する豊富な知識と経験を持っています。また、地域密着型のサービスにより、アフターフォローも期待できます。

🔍 信頼できる修理店の特徴

評価項目	良い修理店の特徴	注意すべき修理店
説明の詳しさ	症状と原因を丁寧に説明	説明が曖昧、専門用語多用
見積もり	詳細な内訳を提示	大雑把な見積もり
部品の説明	純正品と社外品の違いを説明	部品について説明しない
保証	明確な保証期間を提示	保証について触れない
設備	専用工具と清潔な作業場	設備が不十分

口コミや評判を事前に調査することも重要です。近隣の農家や同じ草刈機ユーザーからの情報は非常に価値があります。インターネットの口コミサイトも参考になりますが、実際に利用した人の生の声を聞くことができれば、より信頼性の高い情報が得られます。

複数の店舗で見積もりを取ることも推奨されます。修理内容と費用を比較することで、適正価格を把握できるだけでなく、各店舗の対応や知識レベルも評価できます。

📍 修理店を探す具体的な方法

1. 農機具販売店：地域の農機具販売店に問い合わせ
2. メーカー正規代理店：草刈機メーカーのホームページで検索
3. 農協（JA）：地域の農協で修理店の紹介を依頼
4. インターネット検索：「地域名 + 草刈機修理」で検索
5. 知人の紹介：同じ草刈機を使用している人からの紹介

修理後のアフターサービスも重要な評価ポイントです。修理後に同じ問題が再発した場合の対応や、定期メンテナンスの提案など、長期的な関係を築ける修理店を選ぶことが大切です。

予防メンテナンスで振動を防ぐ具体的な方法

定期的な予防メンテナンスにより、シャフトがブレる問題の多くは未然に防ぐことができます。小さな問題を早期に発見し、適切に対処することで、大きなトラブルと高額な修理費用を避けることができます。

日常的な点検として、使用前後に簡単なチェックを行う習慣をつけることが重要です。特にチップソーの状態確認は、振動予防の最も効果的な方法です。

🔧 日常点検のチェックリスト

点検項目	頻度	チェック内容
チップソー	使用前後	欠損、変形、偏心の確認
刈刃の締め付け	週1回	ガタつきの有無
エアフィルター	月1回	汚れ、詰まりの確認
燃料状態	使用前	劣化、水分混入の確認
異音・振動	使用中	普段との違いを感覚的に確認

チップソーの管理は特に重要で、使用後には必ず状態を確認し、数枚のチップが連続して欠損した場合は即座に交換します。また、刃の研磨を定期的に行うことで、切れ味を維持し、機械への負担を軽減できます。

季節的なメンテナンスも効果的です。使用シーズンの開始前には総合点検を行い、シーズン終了後には清掃と保管準備を実施します。

🗓️ 季節別メンテナンススケジュール

時期	メンテナンス内容	目的
シーズン開始前（春）	総合点検、オイル交換、部品交換	最適な状態で使用開始
使用中（夏-秋）	定期清掃、簡易点検	問題の早期発見
シーズン終了後（冬）	完全清掃、燃料抜き、保管準備	長期保管時の劣化防止

グリス補給も重要な予防メンテナンスです。ギアケースのグリスニップルから定期的にグリスを補給することで、ベアリングとギアの摩耗を防ぎ、振動の発生を抑制できます。

作業環境にも注意を払うことが大切です。石や切り株の多い場所での作業時は、特に慎重に作業し、強い衝撃を避けるよう心がけます。無理な作業は機械に過度な負担をかけ、シャフトの曲がりやクラッチの損傷を引き起こす原因となります。

シャフト交換が必要になる判断基準と費用

シャフトの交換が必要になる状況は、主に物理的な損傷が確認された場合です。修理よりも交換が推奨される理由は、シャフトの構造的な特性と安全性にあります。

曲がったシャフトの矯正は技術的に困難で、一時的に改善されたように見えても、応力集中により再び問題が発生するリスクが高いです。また、不完全な修理により、使用中に破損する危険性も否定できません。

⚠️ シャフト交換が必要な症状

症状	程度	判断基準
目視での曲がり	軽微	1mm以上の振れ
目視での曲がり	深刻	明らかな湾曲
回転時の異音	継続的	金属音を伴う振動
スプライン摩耗	進行	接続部のガタ
表面損傷	広範囲	深いキズや変形

スプライン部分の摩耗も交換の重要な判断基準です。クラッチ側とギアケース側の接続部分が摩耗すると、動力伝達効率が低下し、さらなる損傷を引き起こします。この部分の修理は不可能で、シャフト交換が唯一の解決策となります。

シャフト交換の費用は、部品代と技術料を合わせて8,000円から15,000円程度が一般的です。機種によって部品代に差があり、古い機種や特殊な機種では部品入手が困難で、費用が高くなる場合があります。

💰 シャフト交換費用の内訳

費用項目	標準的な機種	特殊・古い機種
部品代（シャフト）	4,000-7,000円	8,000-12,000円
技術料	4,000-6,000円	5,000-8,000円
その他部品（ガスケット等）	500-1,000円	1,000-2,000円
合計	8,500-14,000円	14,000-22,000円

交換作業には2-3時間程度を要し、ギアケースの分解・組立が含まれます。この際、ベアリングやシールなどの消耗品も同時に交換することが推奨され、長期的な信頼性向上につながります。

予防的な交換を検討することも重要です。シャフトに軽微な損傷が確認された段階で交換することで、他の部品への二次的な損傷を防ぎ、結果的に総修理費用を抑制できます。

グリスアップの正しい方法と適切な頻度

グリス補給は草刈機の振動予防において最も重要なメンテナンスの一つです。適切なグリスアップにより、ベアリングとギアの摩耗を防ぎ、スムーズな動作を維持できます。

ほとんどの草刈機のギアケースにはグリスニップルが装備されており、専用のグリスガンを使用して簡単に補給が可能です。しかし、グリスの種類や補給量、頻度を間違えると、逆に問題を引き起こす場合があります。

🔧 グリスアップの基本手順

手順	作業内容	注意点
1	エンジン停止、冷却待ち	高温時の作業禁止
2	グリスニップル清掃	汚れの除去
3	グリスガン接続	確実な接続確認
4	適量注入	過多に注意
5	余分なグリス除去	清潔な状態に仕上げ

グリスの種類も重要な要素です。一般的にはリチウムグリースやモリブデングリースが使用されますが、メーカー指定のグリスがある場合はそれに従うことが最も安全です。

適切な補給頻度は使用時間と作業環境によって決まります。標準的には25-30時間使用ごと、または月1回程度が目安とされています。ただし、砂埃の多い環境や高負荷作業が多い場合は、より頻繁な補給が必要です。

⏰ グリス補給の適切なタイミング

使用環境	補給頻度	判断基準
標準的な使用	25-30時間毎	定期メンテナンス
砂埃の多い環境	15-20時間毎	汚れの侵入防止
高負荷作業	20時間毎	摩耗の軽減
長期保管前	使用終了時	保管時の保護

過剰なグリス注入は避けるべきです。グリスが多すぎると、内部圧力が上昇してシールから漏れ出したり、回転抵抗が増加したりします。適量は、ニップルからわずかに新しいグリスが押し出される程度です。

グリスアップ後は試運転を行い、異音や振動がないことを確認します。新しいグリスが馴染むまで、最初の数分間は低回転で運転することが推奨されます。

定期的なグリスアップにより、ベアリングの寿命を大幅に延ばし、振動の発生を予防できます。また、早期の異常発見にもつながるため、予防メンテナンスの基本として習慣化することが重要です。

まとめ：草刈機シャフトがブレる問題の総合的な解決策

最後に記事のポイントをまとめます。

1. チップソーの偏心や欠損が振動の最大原因であり、新品交換で大半の問題が解決する
2. 刈刃のゆるみは六角レンチで簡単に調整でき、定期的な点検で予防可能である
3. シャフトの曲がりは目視と回転テストで判断でき、交換が基本的な対処法となる
4. ベアリング破損は金属音と異常な発熱を伴い、専門的な修理が必要である
5. クラッチシューの固着により片側だけが動かなくなり振動が発生する場合がある
6. エンジンオイル過多は濃い白煙と振動を引き起こし即座の対処が必要である
7. 自分でできる修理はチップソー交換と締め付け調整程度に留めるべきである
8. 専門修理が必要な項目はベアリング交換、シャフト交換、クラッチ分解修理である
9. 修理費用は症状により5,000円から30,000円と幅広く事前見積もりが重要である
10. 信頼できる修理店は農機具販売店や地域密着型店舗から探すのが確実である
11. 日常点検でチップソー状態確認と刈刃締め付けチェックを習慣化すべきである
12. 季節的メンテナンスでシーズン前後の総合点検と保管準備を実施する
13. シャフト交換は曲がりや摩耗が確認された時点で決断すべきである
14. グリスアップは25-30時間使用毎または月1回の頻度で実施するのが適切である
15. 予防メンテナンスにより大半の振動問題は未然に防ぐことが可能である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

• https://www.youtube.com/watch?v=0LpTynRK6ss&pp=0gcJCdgAo7VqN5tD
• https://www.ec.boku-nou.jp/2024/01/%E8%8D%89%E5%88%88%E6%A9%9F-9/
• https://www.youtube.com/watch?v=HgkvHEO3ByQ
• https://blog.goo.ne.jp/tack3304/e/a8bbd2f6deb732b9562982600ae4c71f
• https://www.youtube.com/watch?v=Si574W90CNM&pp=ygUKI-i7uOS7mOOBjQ%3D%3D
• https://plow-power.com/repairblog/blog-7039/
• https://question.realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/109513565/
• https://blog.goo.ne.jp/murabito-1/e/2d8c70d8d72024eaccd19985403f8001
• https://ononouki.com/2019/07/16/%E5%88%88%E6%89%95%E6%A9%9F%E3%81%AE%E6%8C%AF%E5%8B%95%E3%81%8C%E9%85%B7%E3%81%84%EF%BC%88%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%81%8C%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%89/
• https://www.agriz.net/servicect/index.html/2020/04/06/newgl260/