パキラは観葉植物の中でも人気の高い植物ですが、最近では曲げ仕立てのパキラに注目が集まっています。幹を曲げることで独特の雰囲気を演出でき、インテリアとしての存在感も際立ちます。

曲げ仕立てのパキラは、園芸店で購入すると高価なものが多いのですが、実は家庭でも作ることができます。若い緑色の幹と正しい道具があれば、初心者でも挑戦可能です。この記事では、パキラの曲げ方の基本から具体的な手順まで、詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- パキラの曲げ方に必要な道具と材料
- 曲げるのに最適な時期と幹の状態
- 針金の巻き方と曲げ方の具体的な手順
- 曲げた後の管理方法と注意点
パキラを曲げて楽しむための基本知識と注意点
- パキラの曲げ方は若い緑色の幹から始めること
- 曲げるための準備物は針金とペンチだけでOK
- パキラを曲げられる最適な時期は5月から7月まで
- 1回の作業で曲げられる範囲は1か所だけ
- 曲げ始めの前に土を乾燥させておくこと
- パキラの幹に合わせた針金の太さと長さ
パキラの曲げ方は若い緑色の幹から始めること
パキラを曲げる際に最も重要なのは、幹の状態を見極めることです。曲げられるのは、その年に成長した緑色の若い幹のみとなります。
木質化して茶色くなった幹は硬くなっているため、曲げることができません。パキラは1年かけて木質化していくので、新芽が出てきた後の若い時期に曲げ始めることが大切です。
幹が若いうちは柔軟性があり、曲げても折れにくい特徴があります。このタイミングを逃すと、次の成長期まで待つ必要があります。
曲げる際は、葉の付け根から少し下の部分から始めると良いでしょう。この部分が最も柔軟で、曲げやすい状態になっています。
幹の太さによって曲げられる角度も変わってきます。細すぎる幹は折れやすく、太すぎる幹は曲がりにくいため、2-3cmほどの太さの幹が理想的です。
曲げるための準備物は針金とペンチだけでOK
曲げ仕立てに必要な道具は、アルミワイヤー(2mmと1.5mm)とペンチのみです。これらはホームセンターやダイソーなどで手に入れることができます。
アルミワイヤーは、太い方を芯材として使用し、細い方を巻き付け用として使います。長さは曲げたい幹の1.5倍程度を目安に用意しましょう。
ペンチは針金を切るのに使用します。切れ味の良いものを選ぶと作業がスムーズです。
支柱も用意しておくと安定感が増します。支柱は曲げた後の形を保つために重要な役割を果たします。
これらの道具があれば、特別な技術がなくても曲げ仕立てに挑戦することができます。
パキラを曲げられる最適な時期は5月から7月まで

パキラの曲げ仕立てに最適な時期は5月から7月の生育期です。この時期は植物の成長が活発で、幹も柔軟性があります。
生育期は新芽が次々と出てきて、幹も柔らかい状態を保っています。この時期なら、曲げても植物へのダメージが少なく、回復も早いです。
反対に、8月から3月までの休眠期は避けた方が無難です。この時期は植物の生長が緩やかで、ストレスに弱くなっています。
また、真夏の暑い時期も避けた方が良いでしょう。水分が不足すると幹が硬くなり、折れやすくなってしまいます。
朝晩の涼しい時間帯を選んで作業を行うと、より安全に曲げることができます。
1回の作業で曲げられる範囲は1か所だけ
パキラの曲げ仕立ては、1回の作業では1か所しか曲げることができません。一度に複数箇所を曲げようとすると、植物に大きな負担がかかります。
S字のような複雑な形にする場合は、最初の曲げが安定してから次の曲げに挑戦する必要があります。だいたい半年程度の間隔を空けることが推奨されます。
曲げる角度は90度程度が一般的です。これ以上の角度をつけると、幹が折れるリスクが高くなります。
曲げる方向は、時計回りか反時計回りのどちらかに統一した方が、見栄えの良い仕上がりになります。
一度曲げた後は、その形を維持するために支柱で固定することが重要です。
曲げ始めの前に土を乾燥させておくこと
パキラを曲げる前の重要な準備として、土を乾燥させることがあります。水分が少ない状態の方が、幹が柔軟になり曲げやすくなります。
土が乾燥するまでは1週間から2週間ほどかかります。この間、通常の水やりは控えめにしておきましょう。
ただし、完全に水を切ってしまうと植物にストレスがかかるため、葉の様子を見ながら調整が必要です。
乾燥させすぎると根が弱ってしまう可能性もあるので、葉がしおれない程度を目安にします。
曲げ作業が終わったら、すぐに通常の水やりに戻すことで、植物の回復を促します。
パキラの幹に合わせた針金の太さと長さ
パキラの幹の太さに合わせて、適切な太さの針金を選ぶことが重要です。基本的には2mmと1.5mmの2種類を用意します。
針金の長さは、曲げたい幹の1.5倍程度を目安にします。余裕を持って準備しておくと、作業がスムーズに進みます。
太い針金は幹の芯材として使用し、細い針金で巻き付けて固定します。この組み合わせにより、安定した曲げ仕立てが可能になります。
針金は、長すぎても短すぎても作業がしづらくなります。必要な長さを測ってから切るようにしましょう。
細い針金は、巻き付ける際に隙間を空けることで、幹の成長に対応できます。

パキラの曲げ方の手順と失敗しないコツ
- 曲げる前の水やりは控えめにすること
- 針金は幹の1.5倍の長さで用意すること
- 株元から数センチ上から巻き始めること
- 針金は余裕を持って巻くのがポイント
- 支柱を立てて安定性を確保すること
- 曲げ終わったら6ヶ月は形を固定すること
- まとめ:パキラの曲げ方は緑の若い幹と適切な時期がカギ
曲げる前の水やりは控えめにすること
パキラを曲げる前の1週間から2週間は、水やりを控えめにする必要があります。土がカラカラになるまで乾燥させることで、幹が柔軟になり曲げやすくなります。
ただし、完全に水を切ってしまうと植物を弱らせてしまう可能性があるため、葉がしおれない程度を目安にします。水切りの期間は植物の状態を観察しながら調整していきましょう。
この水切り期間中は、葉の状態をよく観察することが重要です。葉がしおれすぎている場合は、少量の水を与えて様子を見ます。
水切りした状態で曲げ作業を行った後は、すぐに通常の水やりに戻します。これにより植物の回復を促すことができます。
乾燥させすぎて葉が落ちてしまうことがあるので、初めての方は控えめな水切りから始めることをおすすめします。
針金は幹の1.5倍の長さで用意すること

パキラを曲げる際に使用する針金は、曲げたい幹の長さの1.5倍程度を用意します。この長さがあれば、作業中に針金が足りなくなる心配がありません。
太さの異なる2種類の針金を用意するのがポイントです。2mmと1.5mmのアルミワイヤーを使用します。太い方は芯材として、細い方は巻き付け用として使用します。
針金は園芸用のものを使用します。ダイソーなどの100円ショップの園芸コーナーでも手に入れることができます。
針金を切る際は、ペンチやニッパーを使用します。切れ味の良い道具を使うことで、作業がスムーズになります。
余分な針金は切らずに残しておくと、後で調整が必要になった時に便利です。
株元から数センチ上から巻き始めること
パキラの幹に針金を巻く際は、株元から数センチ上の部分から始めます。株元の茶色い部分は硬くて曲がりにくいため、その上の緑色の部分から巻き始めるのがポイントです。
針金は時計回りか反時計回りのどちらかに統一して巻いていきます。曲げたい方向によって巻く方向を変えると良いでしょう。
巻く際は均等な幅になるよう意識します。また、針金がきつくなりすぎないよう、少し余裕を持たせて巻くことが大切です。
パキラは成長が早いため、幹が太くなった時に針金が食い込んだり傷をつけたりしないよう気をつけます。
巻き終わったら、上部の葉が重なっている部分は整理して、すべての葉に光が当たるようにします。
針金は余裕を持って巻くのがポイント
針金を巻く際は、きつく巻きすぎないことが重要です。パキラは成長が早い植物なので、幹が太くなった時に針金が食い込むのを防ぐため、少し余裕を持たせて巻きます。
巻く間隔は均一にすることで、曲げた時の力が均等にかかります。不均一な巻き方をすると、特定の部分に負担がかかり折れる原因になる可能性があります。
上部の方は幹が細くなっているので、より慎重に巻いていく必要があります。巻く前に針金を少し曲げて癖をつけておくと、巻きやすくなります。
針金が緩すぎると形が定まらず、きつすぎると成長を妨げてしまいます。適度な締め付け具合を見極めることが大切です。
成長に合わせて針金を緩める必要が出てくるので、定期的に状態をチェックしましょう。
支柱を立てて安定性を確保すること
曲げた後は必ず支柱を立てて固定します。90度に曲げることで鉢の安定性が悪くなるため、支柱で固定することで転倒を防ぎます。
支柱は1本では不安定な場合、2本使用して補強することもできます。支柱と曲げた枝幹をワイヤーで固定し、安定性を高めます。
支柱を立てる際は、根を傷つけないよう注意が必要です。鉢のスリット部分に支柱を立てると、根を傷つけるリスクを減らすことができます。
麻紐を使って引っ張る方向を調整することで、より細かい角度調整が可能になります。支柱に結んだ箇所から麻紐を引っ張り、鉢にかけて固定します。
支柱は曲げた形が安定するまでの約6ヶ月間は必要になります。
曲げ終わったら6ヶ月は形を固定すること
パキラを曲げた後は、その形を維持するために約6ヶ月間の固定期間が必要です。この期間中に幹が太くなり、曲がった形が定着していきます。
固定期間中は針金や支柱が食い込まないよう、定期的にチェックが必要です。食い込みが見られたら、すぐに緩めて調整します。
この期間中も成長は続くので、水やりや日光など、通常の管理は欠かさず行います。ただし、曲げることで生育は通常より遅くなります。
新芽が出てきたら、バランスを見ながら整理します。全ての葉に日が当たるよう、込み合った部分は適度に間引きましょう。
6ヶ月後、幹がしっかりと太くなり形が安定したら、針金を外すことができます。

まとめ:パキラの曲げ方は緑の若い幹と適切な時期がカギ
最後に記事のポイントをまとめます。
- パキラの曲げ仕立ては5月から7月の生育期に行うのが最適である
- 曲げられるのは緑色の若い幹のみで、茶色く木質化した部分は曲げられない
- 必要な道具は2mmと1.5mmのアルミワイヤーとペンチである
- 曲げる1-2週間前から水やりを控えめにして幹を柔軟にする
- 針金は幹の1.5倍の長さで用意し、余裕を持って巻く
- 株元から数センチ上の緑色の部分から巻き始める
- 1回の作業で曲げられるのは1か所のみである
- 90度程度の曲げ角度が安全である
- 支柱を立てて安定性を確保する
- 形を定着させるには約6ヶ月の固定期間が必要である
- 曲げることで生育速度は遅くなる
- 定期的に針金の締め具合をチェックし、必要に応じて緩める