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パーライトとバーミキュライト、どっちを使えばいい?🌱 失敗しない土作りの決定版

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園芸用の土壌改良材として知られるパーライトとバーミキュライト。ホームセンターや園芸店の棚に並んでいるのを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。見た目は似ているものの、その特性や効果には大きな違いがあります。

土作りの基本となるこの2つの資材は、それぞれ特徴的な性質を持っています。パーライトは火山岩を原料とし、排水性と通気性に優れる一方、バーミキュライトは苦土蛭石を原料とし、保水性と保肥力が高いという特徴があります。用途に応じて適切に選択することで、植物の生育環境を大きく改善することができるのです。

記事のポイント!

  1. パーライトとバーミキュライトの原料と製造方法の違い
  2. それぞれの特性と、土壌改良材としての効果
  3. 種まきや挿し木、ハンギングバスケットなどでの具体的な使い方
  4. 適切な配合比率と使用上の注意点

パーライトとバーミキュライトの違いを徹底解説!使い分けのポイント

  1. 土壌改良材として重要な役割を果たす2つの資材
  2. 原料と製造方法から見る特徴の違い
  3. パーライトは排水性、バーミキュライトは保水性に優れる
  4. 黒曜石パーライトと真珠岩パーライトの特徴と使い分け
  5. バーミキュライトの保水力と保肥力の高さが活きる用途
  6. ダイソーで買えるバーミキュライトの特徴と使い方

土壌改良材として重要な役割を果たす2つの資材

植物を健康に育てるためには、適切な土壌環境を整えることが欠かせません。その際に重要な役割を果たすのが、パーライトとバーミキュライトという2つの土壌改良材です。

これらの資材は、市販の培養土にも配合されていることが多く、園芸の基本的な資材として広く使われています。どちらも軽量で多孔質という特徴を持ち、断熱性や保温性にも優れています。

土壌改良材として使用する際は、土に混ぜ込んで使用します。その効果は土の通気性、排水性、保水性など、植物の生育に重要な要素を改善することにあります。

配合量は用途によって異なりますが、一般的な鉢植え用土では全体の5〜20%程度を目安にします。ハンギングバスケットなど、土を軽量化しつつ保水性を高めたい場合は20〜30%程度が適しています。

メーカーによっても推奨される使用量は異なるので、各商品の説明をよく読んで使用することが重要です。特に初めて使用する場合は、説明書きに従って適量を使うようにしましょう。

原料と製造方法から見る特徴の違い

パーライトは、ガラス質の火山岩を原料としています。この火山岩を高温で加熱することで、急激に水分が蒸発し、多孔質な構造に変化します。無菌で断熱性に優れ、燃えにくい特徴があります。

一方、バーミキュライトは、苦土蛭石という鉱物を800〜1000度程度の高温で焼成し、膨張させて作られます。原料となる苦土蛭石は、日本や中国、南アフリカ、オーストラリアなどで採取されています。

製造過程でバーミキュライトは元の体積の10倍以上に膨張し、薄い層が重なった独特の構造になります。この層状の構造が、優れた保水性と保肥性をもたらします。

両者とも製造時に高温処理を行うため、ほぼ無菌の状態です。そのため、種まきや挿し木など、病害虫の影響を受けやすい用途にも適しています。

バーミキュライトの主成分は、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムで、植物の生育に必要なマグネシウムやカリウム、鉄分などの微量元素も含んでいます。ただし、これらの成分が溶け出す量はごくわずかで、肥料としての効果は期待できません。

パーライトは排水性、バーミキュライトは保水性に優れる

パーライトは排水性、バーミキュライトは保水性に優れる

パーライトとバーミキュライトは、どちらも土壌改良材として使用されますが、その特性には大きな違いがあります。パーライトは総じて排水性が高く、非常に軽いのが特徴です。

バーミキュライトは水を吸うとやや粘り気が出て、しっかりとした重みのある保水性の高い土になります。体積の25〜30%もの水分を吸収することができ、その水分と一緒に溶け込んだ肥料分も保持します。

パーライトは通気性と排水性を高める効果があり、特に水はけの悪い土の改善に適しています。また、土中の微生物の活動を活発にし、植物の生育を促進する効果もあります。

バーミキュライトは薄い層が積み重なった構造をしているため、水や空気を通しやすく、水はけが悪く酸素不足になってしまった土に加えることで、土の排水性や通気性を改善する効果もあります。

土壌の状態や植物の種類によって、それぞれの特性を生かした使い分けが重要になります。例えば、サボテンなど乾燥を好む植物にはパーライトを、水を多く必要とする植物にはバーミキュライトを使用するといった具合です。

黒曜石パーライトと真珠岩パーライトの特徴と使い分け

パーライトには、黒曜石パーライトと真珠岩パーライトの2種類があります。黒曜石パーライトは水分量が2%未満と少なく、真珠岩パーライトは2〜5%ほどの水分を含んでいます。

黒曜石パーライトは、丸みのある形状で、根腐れ防止の効果が期待できるため、鉢底石としても使用されています。排水性に優れており、水はけを良くしたい場合に適しています。

真珠岩パーライトは表面がざらざらしており、粒が小さいのが特徴です。内部まで水分が染み込む形状から、保水性を高める土壌改良材として活用されています。

黒曜石パーライトは表面にはほとんど穴が空かずツルツルとしているため、粒の中に水分が染み込みにくく、空気をよく通す特徴があります。水はけが良くなり、根腐れの防止にも効果があります。

用途に応じて、黒曜石パーライトは水はけを重視する場合に、真珠岩パーライトは保水性を重視する場合に選択するのが適切です。特に観葉植物など、適度な水分管理が必要な植物の栽培には、それぞれの特性を理解した上で使い分けることが重要です。

バーミキュライトの保水力と保肥力の高さが活きる用途

バーミキュライトは、その特徴的な層状構造により、優れた保水力と保肥力を持っています。特に軽い土でありながら水をかければ水持ち抜群に変化する特性があります。

ハンギングバスケットなど、土を軽量化しつつ保水性を高めたい場合に最適です。重たい土を使うと吊るす部分に負担がかかりますが、バーミキュライトを使用することで軽量化と保水性の両立が可能になります。

土の一番のネックになる部分は水持ちです。特にハンギングバスケットは風に当たりやすく、水切れが相当速くなります。バーミキュライトは乾燥を防止する目的の素材としては最軽量クラスの素材です。

また、塩基置換容量が高いため、土中のカルシウムやマグネシウム、カリウムを保持する能力に優れています。そのため、肥料が無駄に流れ出にくく、プランター栽培などにも適しています。

断熱性や保温性も高く、真夏は土の温度が上がりにくく、冬は下がりにくいという特徴があります。これにより、植物の根へのダメージを抑えることができます。

ダイソーで買えるバーミキュライトの特徴と使い方

ダイソーでも入手できるバーミキュライトは、土壌改良材として十分な効果を発揮します。粒子が細かく、特に種まきなどの用途に適しています。

100円ショップで販売されているバーミキュライトは2リットルほどで、手軽に試せる量が用意されています。園芸店で販売されているものと比べて粒子が細かいため、種まきの表土として使用する際に特に有効です。

細かい粒子は土に混ぜ込むと保水性が高くなりすぎる可能性があるため、土壌改良材として使用する場合は、全体の割合を調整する必要があります。表面の保水用や種まきの用土として使用するのがおすすめです。

なお、バーミキュライトを土に混ぜる際は、全体の1割程度を目安にします。使いすぎると保水力が強すぎて、かえって植物の生育に悪影響を与える可能性があります。

従来のガーデニング用品店で販売されているバーミキュライトと比べると、粒の大きさに違いがありますが、用途に応じて使い分けることで、コストを抑えながら効果的な土作りが可能です。

パーライトとバーミキュライトの実践的な使い分け方

  1. 種まきや挿し木での活用法と効果
  2. ハンギングバスケットでの最適な配合比率
  3. 土の状態別おすすめの使用方法
  4. 安全性と健康への影響について
  5. 適切な配合量と混ぜ方のコツ
  6. まとめ:目的に応じたパーライトとバーミキュライトの選び方

種まきや挿し木での活用法と効果

種まきや挿し木では、無菌で清潔なバーミキュライトが特に重宝します。高温処理により生産過程で殺菌されているため、デリケートな種まき用土として最適な環境を提供します。

種まきの際は、バーミキュライトを表層に使用することで、適度な水分保持と発芽環境を整えることができます。特に光発芽性の種子の場合、土の表面に撒く必要があるため、バーミキュライトの保水力が重要な役割を果たします。

アリッサム、インパチェンス、ペチュニア、サルビアなどの草花や、ごぼう、春菊、水菜、小松菜などの野菜類は光発芽性の種子です。これらの種子は深く埋めすぎると発芽しないため、表面にバーミキュライトを薄く敷くことで理想的な発芽環境を作ることができます。

挿し木の場合も、断面が腐りにくい環境を作ることが重要です。バーミキュライトは無菌であるため、切ったばかりの枝を清潔な状態で育てることができます。

挿し木をする際は、必ず清潔な道具で枝を切り、切り口を汚さないように注意が必要です。切った後は、鋭利なカッターナイフで切り口を整えると、成功率が高まります。

ハンギングバスケットでの最適な配合比率

ハンギングバスケットでは、軽量でありながら保水力のある土づくりが重要です。土が重すぎると吊るす部分に負担がかかり、軽すぎると水切れが早くなってしまいます。

バーミキュライトは通常の土の約10分の1の重さしかなく、土全体の重量を大幅に軽減できます。ハンギングバスケット用の土には、全体の20〜30%程度のバーミキュライトを混ぜることで、適度な軽さと保水性を確保できます。

ハンギングバスケットは360度風に当たるため、通常の鉢植えよりも水切れが早くなります。特に夏場は水やりの頻度が増えてしまいますが、バーミキュライトを使用することで水持ちを改善できます。

赤玉土などの重い土は、水を含むとさらに重くなってしまうため、ハンギングバスケットには適しません。代わりに、軽い培養土をベースにバーミキュライトを混ぜることで、理想的な土を作ることができます。

吊るす設置場所の強度や日当たり、風通しなども考慮しながら、適切な配合比率を決めていく必要があります。

土の状態別おすすめの使用方法

バーミキュライト 土の状態別おすすめの使用方法

連作などで痩せた土の場合、まずは深さ30cm以上しっかり耕し、バーミキュライトを混ぜ込むことで、土壌の状態を改善することができます。水はけと通気性が改善され、根の生育環境が整います。

粘土質の土では、排水性を高めるために黒曜石パーライトを使用します。パーライトの粒子が土の中に空気の通り道を作り、水はけを良くする効果があります。

砂状の土では、保水性を高めるために真珠岩パーライトやバーミキュライトを使用します。これらの資材は水分を保持する能力が高く、乾燥しやすい土壌の改善に効果的です。

酸性の強い土壌の場合、バーミキュライトは中性であるため、土のpHバランスを大きく崩すことなく改良することができます。土壌の状態に応じて、他の改良材と組み合わせて使用することも可能です。

土の状態を確認しながら、必要に応じて配合量を調整していくことが重要です。一度に大量に使用するのではなく、少しずつ様子を見ながら改良していくのがおすすめです。

安全性と健康への影響について

バーミキュライトの安全性については、1970年代から1980年代にかけて、アメリカのリビー鉱山で採取されたものにアスベストの混入が問題となりました。しかし、現在この鉱山は閉鎖されています。

日本で使用されているバーミキュライトの主な産地は、日本、中国、南アフリカ、オーストラリアです。2006年からはアスベストの含有量が重量に対して0.1%を超える製品の製造・譲渡が禁止されています。

農林水産省の指導のもと、製造業者による継続的な安全性の確認が行われています。園芸用バーミキュライトは、通常の使用方法では健康被害の心配はなく、安全に使用できる資材とされています。

パーライトは火山岩を原料とする無機物で、化学的に安定した物質です。高温処理により無菌状態となっており、有害物質の溶出などの心配もありません。

使用時には、粉塵を吸い込まないようマスクを着用するなど、基本的な安全対策を取ることが推奨されます。

適切な配合量と混ぜ方のコツ

一般的な鉢植え用土では、バーミキュライトやパーライトの配合量は全体の5〜20%程度が目安となります。使いすぎると保水力が強すぎたり、逆に排水性が高すぎたりする可能性があります。

土壌改良材を混ぜ込む際は、必ず植物を植える2週間以上前に作業を行います。これは、土の状態が安定するまでに時間が必要なためです。

まずは土の上の層と下の層を入れ替えるように深くしっかり耕し、前に植えていた植物の根や雑草、石などを取り除きます。その後、目的に応じた土壌改良材を均一に混ぜ込んでいきます。

種まきや挿し木用の場合は、表層に5mm程度の厚さでバーミキュライトを敷きます。光発芽性の種子の場合は、深く埋めすぎないよう注意が必要です。

使用前には土壌改良材をしっかりと湿らせることが重要です。特にバーミキュライトは、事前に水を含ませておかないと、他の土と混ぜ合わせた際に上手く水を吸収できない場合があります。

まとめ:目的に応じたパーライトとバーミキュライトの選び方

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. パーライトは排水性と通気性、バーミキュライトは保水性と保肥力に優れている
  2. 黒曜石パーライトは水はけ改善、真珠岩パーライトは保水性向上に適している
  3. バーミキュライトは体積の25〜30%の水分を保持可能
  4. 種まきや挿し木には無菌性を活かしてバーミキュライトが有効
  5. ハンギングバスケットには軽量で保水力の高いバーミキュライトが最適
  6. 一般的な配合率は土全体の5〜20%程度
  7. 土壌改良材は植え付けの2週間前から使用する
  8. 使用前には十分な水分を含ませることが重要
  9. 現在流通している園芸用バーミキュライトは安全性が確認されている
  10. ダイソーの細かい粒子のバーミキュライトは種まきに適している
  11. 粘土質の土には黒曜石パーライト、砂状の土にはバーミキュライトを使用する
  12. 光発芽性の種子には表面にバーミキュライトを薄く敷く