草刈機を使う際に必要不可欠な混合油ですが、正しい作り方を知らずに使用すると機械の故障や事故につながることをご存知でしょうか。2サイクルエンジンの草刈機には、ガソリンとエンジンオイルを適切な比率で混合した燃料が必要で、この比率を間違えるとエンジンの焼き付きや性能低下を引き起こす可能性があります。
本記事では、草刈機混合油の作り方について、基本的な知識から実際の作業手順、安全な保管方法まで詳しく解説します。25対1と50対1の違いや、必要な材料の入手方法、よくあるトラブルの対処法など、初心者の方でも安心して作業できるよう丁寧に説明していきます。
この記事のポイント |
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✅ 草刈機混合油の基本的な作り方と必要な材料が分かる |
✅ 25対1と50対1の混合比率の違いと使い分け方法を理解できる |
✅ 安全な作業手順と注意点を把握できる |
✅ 保管方法とトラブル対処法を習得できる |
草刈機混合油の作り方における基礎知識
- 草刈機に混合油が必要な理由とエンジンの仕組み
- 草刈機の混合比率を見分ける方法は取扱説明書を確認すること
- 草刈機混合油の作り方で必要な材料と道具一覧
- 25対1と50対1の混合比率の違いと適用機種
- 草刈機混合油のエンジンオイル選び方とグレードの重要性
- 混合油作成時の安全対策と注意すべきポイント
草刈機に混合油が必要な理由とエンジンの仕組み
草刈機の燃料として混合油が必要な理由は、2サイクルエンジンの構造的特徴にあります。4サイクルエンジンとは異なり、2サイクルエンジンは燃料そのものに潤滑機能を持たせる必要があるためです。
🔧 エンジンタイプ別燃料一覧
エンジンタイプ | 使用燃料 | 特徴 |
---|---|---|
4サイクルエンジン | ガソリン | エンジンオイルは別系統で循環 |
2サイクルエンジン | 混合燃料 | 燃料に潤滑油を混合する必要 |
2サイクルエンジンでは、「吸気/圧縮・燃焼/排気」の2工程で1回の作動を行います。この仕組み上、エンジンオイルを循環させる独立したシステムがないため、燃料に直接オイルを混ぜて潤滑を確保しているのです。
適切な混合比率を守らないと、以下のような深刻な問題が発生します。オイルが不足すると摩擦により部品が摩耗し、最悪の場合エンジンが焼き付いてしまいます。逆にオイルが多すぎると、不完全燃焼を起こして排気が汚れたり、エンジンの出力が低下したりする可能性があります。
混合燃料は、ガソリンが燃料としての役目を果たし、エンジンオイルが潤滑材として機能する仕組みになっています。この二つの要素が適切なバランスで混合されることで、エンジンは正常に動作し、長期間にわたって使用することができるのです。
一般的に農作業で使われる草刈機やチェーンソーは、ほとんどが2サイクルエンジンを採用しています。これは軽量でパワーがあり、メンテナンスが比較的簡単だからです。ただし、混合燃料の管理は4サイクルエンジンよりも注意が必要となります。
草刈機の混合比率を見分ける方法は取扱説明書を確認すること
草刈機の混合比率を正確に把握するには、取扱説明書の確認が最も確実な方法です。機械によって指定される比率が異なるため、推測で作業することは避けるべきです。
📋 混合比率確認チェックリスト
✅ 取扱説明書の燃料の章を確認
✅ 機械本体のラベル・シールをチェック
✅ メーカーのウェブサイトで型式検索
✅ 購入店舗への問い合わせ
取扱説明書が見当たらない場合は、機械の型式番号を基にインターネットで検索するか、購入した販売店に問い合わせることをおすすめします。多くのメーカーでは、ウェブサイトに取扱説明書のPDFファイルを公開しているため、比較的簡単に情報を入手できます。
一般的な混合比率の傾向として、草刈機では25:1(ガソリン1Lに対しエンジンオイル40ml)、チェーンソーでは50:1(ガソリン1Lに対しエンジンオイル20ml)が多く採用されています。しかし、これはあくまで参考程度に留めておき、必ず実際の機械の仕様を確認してください。
機械本体にも燃料タンクの近くや操作部分に、混合比率を示すシールやラベルが貼られていることがあります。「25:1」や「50:1」といった数字が記載されているので、作業前に確認する習慣をつけましょう。
もし複数の草刈機を使用している場合は、それぞれの機械の混合比率をメモしておくことをおすすめします。間違った比率の燃料を使用すると、修理費用が高額になる可能性があるため、事前の確認は極めて重要です。
草刈機混合油の作り方で必要な材料と道具一覧
草刈機の混合油を自作するには、適切な材料と道具を準備することが成功の鍵となります。安全性と正確性を確保するため、消防法に適合した専用容器の使用が必須です。
🛠️ 必要な材料と道具
分類 | 項目 | 詳細・注意点 |
---|---|---|
燃料 | ガソリン | レギュラーガソリン、金属製携行缶で購入 |
オイル | 2サイクルエンジンオイル | JASO規格FC級以上推奨 |
容器 | 混合燃料タンク | 注油ノズル付きが便利 |
道具 | 燃料ポンプ | ガソリン移し替え用 |
保護具 | 耐油ゴム手袋 | 安全作業のため |
ガソリンの購入には、消防法に適合した金属製の携行缶が必要です。ポリタンクなどの樹脂容器での購入・運搬は法律で禁止されているため注意してください。また、ガソリンスタンドでの購入時には身分証明書の提示と使用目的の申告が義務付けられています。
2サイクルエンジンオイルは、JASO規格でグレード分けされています。FB級、FC級、FD級の順に品質が高くなり、FD級が最も環境性能に優れています。迷った場合は、グレードの高いFD級を選んでおけば間違いありません。
混合燃料タンクは、ガソリンとオイルを別々に計量できる仕切り付きのタイプが便利です。目盛りが付いているため、正確な計量が可能で、作業効率も向上します。ホームセンターや農機具店で2,000円程度から購入できます。
バイク用のエンジンオイルは使用しないでください。性能が農機具用と異なるため、不具合の原因となる可能性があります。必ず農機具用の2サイクルエンジンオイルを選びましょう。
作業時は耐油ゴム手袋を着用し、火気のない風通しの良い場所で行うことが重要です。ガソリンは引火点が-40℃と非常に低く、わずかな火花でも引火する危険性があります。
25対1と50対1の混合比率の違いと適用機種
混合燃料の比率である25:1と50:1の違いを理解することは、草刈機を長期間安全に使用するために不可欠です。この数字はガソリンに対するエンジンオイルの比率を表しています。
📊 混合比率別詳細比較
比率 | ガソリン量 | エンジンオイル量 | 特徴 | 適用機種例 |
---|---|---|---|---|
25:1 | 1L | 40ml | オイル多め、潤滑性重視 | 古いタイプの草刈機 |
50:1 | 1L | 20ml | 燃焼効率重視、排気クリーン | 最新タイプの草刈機・チェーンソー |
25:1の比率は、オイル濃度が高いため潤滑性に優れている反面、排気ガスが汚れやすく、エンジン内部にカーボンが蓄積しやすい特徴があります。主に古いタイプの草刈機や、重負荷での使用を想定した機械に採用されています。
50:1の比率は、燃焼効率が良く環境に優しい設計となっています。最新の2サイクルエンジンでは、エンジン内部の精度向上により、少ないオイル量でも十分な潤滑性を確保できるようになっています。
実際の計算例を見てみましょう:
- 25:1で3Lの混合燃料を作る場合:ガソリン3L + エンジンオイル120ml
- 50:1で3Lの混合燃料を作る場合:ガソリン3L + エンジンオイル60ml
間違った比率を使用すると、25:1仕様の機械に50:1の燃料を使った場合はオイル不足で焼き付き、逆の場合は不完全燃焼でエンジンの調子が悪くなります。必ず指定された比率を守ることが重要です。
近年の傾向として、環境規制の強化により50:1比率を採用する機械が増えています。しかし、古い機械では25:1が指定されているケースも多いため、機械ごとの確認が欠かせません。
草刈機混合油のエンジンオイル選び方とグレードの重要性
エンジンオイルの選択は、草刈機の性能と寿命に直接影響する重要な要素です。JASO規格に基づいたグレード選びと、用途に応じた適切な選択が求められます。
🏆 JASO規格グレード比較表
グレード | 潤滑性能 | 排気性能 | 価格帯 | おすすめ用途 |
---|---|---|---|---|
FB級 | 基本レベル | 煙やや多め | 安価 | 軽作業・コスト重視 |
FC級 | 良好 | 煙少なめ | 中程度 | 一般的な作業 |
FD級 | 優秀 | 非常にクリーン | 高価 | 長時間作業・環境重視 |
FD級のエンジンオイルは環境性能が最も優れており、煙やススの発生を大幅に抑制できます。作業環境の改善や近隣への配慮を考えると、多少高価でもFD級を選ぶメリットは大きいでしょう。
エンジンオイルには粘度による分類もあります。一般的な農機具では、SAE 30や10W-30といった粘度が使用されています。気温が低い地域や季節には、低粘度のオイルを選ぶことでエンジンの始動性が向上します。
メーカー指定のオイルがある場合は、それを優先的に使用することをおすすめします。特に保証期間内の機械では、指定外のオイル使用により保証が無効になる可能性があるため注意が必要です。
混合燃料用のエンジンオイルを選ぶ際の追加ポイントとして、添加剤の内容も確認しましょう。酸化防止剤や防錆剤が含まれているオイルは、燃料の劣化を遅らせる効果があります。
購入時は必ず2サイクルエンジン専用のオイルを選び、4サイクル用との混同を避けてください。容器のラベルに「2-Stroke」「2-Cycle」「混合用」といった表示があることを確認しましょう。
混合油作成時の安全対策と注意すべきポイント
混合油の作成作業は、ガソリンという危険物を扱うため、安全対策を最優先に考える必要があります。適切な準備と作業手順を守ることで、事故を防ぎ安全に作業できます。
⚠️ 安全対策チェックリスト
✅ 火気のない場所での作業
✅ 十分な換気の確保
✅ 耐油手袋の着用
✅ 金属製容器の使用
✅ 静電気除去の実施
✅ 緊急時対応の準備
作業場所の選定が最も重要です。屋外の風通しの良い場所で、周囲に火の気がないことを確認してください。ガソリンは揮発性が高く、蒸気が滞留すると爆発の危険があります。特にタバコ、ライター、ストーブなどの熱源から十分離れた場所で作業しましょう。
静電気による着火を防ぐため、作業前に金属部分に触れて静電気を除去してください。乾燥した日や化学繊維の衣服を着用している時は特に注意が必要です。可能であれば綿製の作業着を着用することをおすすめします。
混合作業中にガソリンをこぼした場合は、すぐに作業を中止し、十分に換気して蒸発を待ってから作業を再開してください。こぼれたガソリンをウエスで拭き取る際も、静電気に注意しながら慎重に行いましょう。
容器の取り扱いにも注意が必要です。樹脂製のペットボトルなどは絶対に使用しないでください。ガソリンが容器を溶かし、その成分がエンジン内部に入ると深刻な故障の原因となります。
万が一の事故に備えて、消火器や大量の砂を準備しておくことも大切です。また、家族や周囲の人に作業内容を伝え、緊急時の連絡先を確認しておきましょう。
草刈機混合油の作り方における実践方法と管理
- 草刈機混合油の作り方手順を詳しく解説
- 混合燃料の購入場所とコスト比較分析
- 草刈機混合油の保管方法と劣化防止対策
- 混合油を入れっぱなしにする危険性と対処法
- 草刈機混合油作成でよくあるトラブルと解決策
- 混合燃料の処分方法と環境への配慮
- まとめ:草刈機混合油の作り方のポイント整理
草刈機混合油の作り方手順を詳しく解説
草刈機混合油の具体的な作成手順を、失敗しないための詳細なステップとして解説します。正確な計量と適切な混合が、エンジンの性能を最大限に引き出すカギとなります。
🔄 混合油作成の基本手順
ステップ | 作業内容 | 注意点 |
---|---|---|
1 | 混合比率の確認 | 取扱説明書で正確な比率をチェック |
2 | 必要量の計算 | 使用予定量から逆算して材料を準備 |
3 | ガソリンの計量 | 混合燃料タンクのメインタンクに注入 |
4 | エンジンオイルの計量 | サブタンクまたは直接メインタンクに追加 |
5 | 混合作業 | キャップを確実に閉めて十分に振り混ぜる |
6 | 最終確認 | 色や粘度を確認し、草刈機に注入 |
第一段階:混合比率の確認と計算
まず、使用する草刈機の正確な混合比率を確認します。50:1の場合、ガソリン1Lに対してエンジンオイル20mlが必要です。3Lの混合燃料を作る場合は、ガソリン3L + エンジンオイル60mlとなります。
第二段階:材料の準備と計量
混合燃料タンクを使用する場合、まずメインタンクに必要量のガソリンを注入します。次に、サブタンクにエンジンオイルを正確に計量して入れます。この時、計量カップやシリンジを使用すると正確性が向上します。
第三段階:混合作業の実施
両方の材料を入れたら、タンクのキャップがしっかり閉まっていることを確認してから、30秒から1分程度しっかりと振り混ぜます。不十分な混合は、エンジン内でのオイル分布にムラを生じさせる原因となります。
混合が完了した燃料は、透明だったガソリンが薄く色づいて見えるはずです。完全に混合された状態では、オイルとガソリンが分離することなく均一な状態を保ちます。
作業終了後は、使用した道具をきれいに清拭し、材料は適切に保管してください。特にガソリンが付着した布類は、自然発火の危険があるため、水に浸してから廃棄するか、専門業者に処理を依頼しましょう。
混合燃料の購入場所とコスト比較分析
混合燃料は自作する以外に、既製品を購入するという選択肢もあります。時間と手間、コスト、安全性を総合的に考慮して、最適な方法を選択することが重要です。
💰 購入場所別価格比較表
購入場所 | 混合燃料価格(1L) | ガソリン価格(1L) | エンジンオイル価格(1L) | 自作コスト(1L) |
---|---|---|---|---|
ホームセンター | 280-350円 | 160円 | 2,000円 | 約200円 |
農機具専門店 | 300-400円 | 165円 | 2,200円 | 約210円 |
ガソリンスタンド | 取扱なし | 155円 | 取扱なし | 約195円 |
インターネット | 250-320円 | – | 1,800円 | – |
既製品購入のメリット・デメリット
✅ メリット:手間不要、保存期間が長い、品質が安定している
❌ デメリット:コストが高い、少量購入時の単価上昇、在庫管理が必要
既製品の混合燃料は、添加剤により長期保存が可能な商品が多く、中には2年程度の保存に対応した製品もあります。これに対し、自作の混合燃料は30日程度での使用が推奨されているため、使用頻度の低い方には既製品がおすすめです。
コスト計算の実例として、年間20Lの混合燃料を使用する場合を考えてみましょう:
- 既製品購入:約6,000円(300円×20L)
- 自作:約4,000円(200円×20L)
- 差額:約2,000円
ただし、自作の場合は携行缶や混合燃料タンクなどの初期投資(約5,000円程度)が必要なため、年間使用量が少ない場合は既製品の方が経済的な場合があります。
購入場所を選ぶ際は、価格だけでなくアクセスの良さや相談のしやすさも考慮しましょう。農機具専門店では、機械に適したオイルの選択や混合比率について専門的なアドバイスを受けることができます。
インターネット購入の場合は、まとめ買いによる単価の削減が期待できますが、消防法上の制限により配送に制約がある場合があるため、事前に確認が必要です。
草刈機混合油の保管方法と劣化防止対策
混合燃料の適切な保管は、エンジンの性能維持と安全性確保の両面で極めて重要です。不適切な保管により劣化した燃料を使用すると、エンジントラブルの原因となります。
🏠 保管環境の最適化
保管条件 | 推奨値 | 理由 |
---|---|---|
温度 | 10-25℃ | 高温は劣化を促進、低温は粘度上昇 |
湿度 | 60%以下 | 水分混入による品質低下防止 |
直射日光 | 完全遮光 | 紫外線による酸化防止 |
保管期間 | 30日以内 | 自作燃料の品質保持限界 |
保管容器の選択も重要な要素です。混合燃料は金属製の専用容器で保管し、密閉性を確保してガソリンの揮発を防ぎます。容器には必ず「混合燃料」と「混合比率」「作成日」をラベルで明記しておきましょう。
劣化の兆候を見極めるため、定期的な品質チェックを行ってください。正常な混合燃料は透明感があり、異臭がしません。以下の症状が見られる場合は使用を中止してください:
- 色が濁っている、沈殿物がある
- ガソリン臭以外の異臭がする
- 粘度が著しく高くなっている
- オイル成分が分離している
劣化防止のための追加対策として、酸化防止剤入りの燃料添加剤を使用する方法があります。市販の燃料安定剤を適量添加することで、保存期間を延長できる場合があります。
保管場所は、火気から離れた涼しく風通しの良い場所を選んでください。特に夏場は車庫内などの高温になりやすい場所を避け、地下室や北側の物置などが適しています。また、子供の手の届かない場所に保管することも安全上重要です。
大量の混合燃料を保管する場合は、消防法の規定により届出が必要な場合があります。個人住宅で100L以上を保管する際は、事前に消防署に相談することをおすすめします。
混合油を入れっぱなしにする危険性と対処法
草刈機に混合油を入れたまま長期保管することは、深刻なエンジントラブルの原因となる危険な行為です。燃料の劣化がもたらす様々な問題と、適切な対処法について詳しく解説します。
⚠️ 長期保管によるトラブル一覧
問題 | 原因 | 症状 | 修理費用目安 |
---|---|---|---|
キャブレター詰まり | 燃料の沈殿物 | エンジンがかからない | 5,000-15,000円 |
燃料系統の腐食 | 水分混入・酸化 | 燃料漏れ、性能低下 | 10,000-30,000円 |
エンジン内部の固着 | オイル成分の変質 | 始動困難、異音 | 20,000-50,000円 |
燃料タンクの劣化 | ガソリンによる腐食 | タンク交換が必要 | 8,000-20,000円 |
燃料劣化のメカニズムを理解することで、なぜ長期保管が危険なのかが明確になります。ガソリンは時間の経過とともに酸化し、ガム質と呼ばれる粘着性の物質を生成します。この物質がキャブレターの微細な通路を塞ぎ、燃料の流れを阻害するのです。
さらに、混合されたエンジンオイルも劣化し、本来の潤滑性能を失います。劣化したオイルは酸性物質を生成し、金属部品の腐食を促進します。特に燃料タンクやキャブレター内部の繊細な部品に深刻なダメージを与える可能性があります。
正しい保管前処理の手順:
- 燃料タンクから燃料を完全に抜く
- エンジンを始動し、燃料系統内の燃料を燃焼させる
- キャブレター内の燃料も空にする(サービスマニュアル参照)
- 燃料タンクキャップを外し、内部を乾燥させる
エンジンを動かして燃料を使い切る際は、エンジンが止まるまで運転を続けることが重要です。この作業により、キャブレター内部に残った燃料も完全に消費され、劣化による詰まりを防ぐことができます。
もし燃料を入れたまま長期保管してしまった場合は、まず古い燃料を完全に除去してから新しい燃料を入れてください。エンジンがかからない場合は、自己修理を試みず、専門の修理業者に相談することをおすすめします。
草刈機混合油作成でよくあるトラブルと解決策
混合油の作成や使用において発生しがちなトラブルと、その予防・解決方法について具体的に解説します。事前に対処法を知っておくことで、慌てることなく適切に対応できます。
🔧 トラブル対処法一覧
トラブル | 原因 | 症状 | 解決策 |
---|---|---|---|
混合比率間違い | 計算ミス・確認不足 | エンジン不調・異音 | 燃料交換・専門業者相談 |
オイル分離 | 不十分な混合 | 層状に分かれる | 再度十分に攪拌 |
燃料漏れ | 容器の劣化・損傷 | ガソリン臭・シミ | 容器交換・周辺清拭 |
エンジン始動不良 | 古い燃料使用 | かからない・息つき | 燃料交換・清掃 |
混合比率を間違えた場合の対処法が最も重要です。間違いに気づいた時点で、すぐに使用を中止し、燃料タンク内の燃料を全て抜いてください。特に、オイル不足の状態で運転を続けると、エンジンの焼き付きという致命的な故障につながる可能性があります。
オイル過多の場合は、エンジンから白い煙が大量に出たり、プラグがかぶったりする症状が現れます。この場合も運転を中止し、正しい比率の燃料に交換してください。プラグの汚れがひどい場合は、清掃または交換が必要です。
燃料の分離現象は、混合が不十分な場合に発生します。容器を振ってもすぐに分離してしまう場合は、エンジンオイルとガソリンの相性が悪い可能性があります。別のブランドのオイルに変更することで解決する場合があります。
エンジンの調子が悪い場合の診断方法として、排気ガスの色と臭いをチェックしてください:
- 白い煙:オイル過多の可能性
- 黒い煙:不完全燃焼、混合比異常
- 異臭:燃料の劣化
緊急時の応急処置として、エンジンがかからない場合は以下の手順を試してください:
- 燃料の残量と状態を確認
- プラグの状態をチェック(汚れ・濡れ)
- エアクリーナーの詰まりを確認
- 燃料フィルターの状態を点検
これらの作業で解決しない場合は、無理に修理を試みず、専門業者に相談することが賢明です。不適切な修理は、より深刻な故障を招く可能性があります。
混合燃料の処分方法と環境への配慮
使用期限を過ぎた混合燃料や余った燃料の処分は、環境保護と安全性の観点から適切な方法で行う必要があります。家庭での不適切な処分は法律違反となる可能性もあるため注意が必要です。
🌍 環境に配慮した処分方法
処分方法 | 処分費用 | 処分量制限 | 環境負荷 |
---|---|---|---|
ガソリンスタンド引取 | 無料-500円/L | 店舗により異なる | 適正処理 |
自治体回収 | 自治体により異なる | 制限あり | 適正処理 |
専門業者依頼 | 1,000-3,000円 | 制限なし | 適正処理 |
自然蒸発(NG) | 無料 | – | 環境汚染 |
ガソリンスタンドでの引取りが最も一般的な処分方法です。ただし、全ての店舗で対応しているわけではないため、事前に電話で確認してから持ち込むことをおすすめします。自店で販売した燃料のみ受け入れる店舗もあるため、購入時のレシートを保管しておくと良いでしょう。
絶対にやってはいけない処分方法:
- 下水道や側溝への放流
- 土に埋める・撒く
- 一般ゴミとして廃棄
- 燃やして処分
これらの方法は環境汚染や火災の原因となり、法律により厳しく処罰される可能性があります。ガソリンは土壌汚染や地下水汚染の原因となるため、適切な処理が必要です。
自治体の回収サービスを利用する場合は、危険物として特別な取り扱いが必要になることがあります。回収日や回収方法が通常のゴミと異なるため、事前に自治体の環境課などに問い合わせてください。
処分費用を削減するためには、必要な分だけ混合燃料を作成することが最も効果的です。使用予定を立てて、余りが出ないよう計画的に作成しましょう。
また、近隣の農家や草刈機使用者との情報交換により、余った燃料を融通し合うことも有効です。ただし、混合比率が異なる場合は使用できないため、注意が必要です。
まとめ:草刈機混合油の作り方のポイント整理
最後に記事のポイントをまとめます。
- 草刈機混合油は2サイクルエンジンの潤滑に必要不可欠である
- 混合比率は取扱説明書で確認し、推測での作業は避ける
- 25:1と50:1の比率の違いを理解し、機械に適した燃料を使用する
- 必要な材料は消防法適合の金属製容器で準備する
- ガソリン購入時は身分証明書と使用目的の申告が必要である
- 2サイクルエンジンオイルはJASO規格FC級以上を選択する
- 作業は火気のない風通しの良い場所で行う
- 静電気除去と適切な保護具着用が安全作業の基本である
- 混合作業は正確な計量と十分な攪拌で品質を確保する
- 自作燃料は30日以内に使い切り、長期保管は避ける
- 機械への燃料入れっぱなしは深刻なトラブルの原因となる
- 使用期限切れ燃料はガソリンスタンドなどで適切に処分する
- 既製品購入と自作のコスト比較で最適な方法を選択する
- トラブル発生時は無理な修理を避け専門業者に相談する
- 環境への配慮と法規制遵守が処分時の重要なポイントである
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.youtube.com/watch?v=e1EaWRHh6Ys&pp=ygUNI-S6uuapn-a3t-WQiA%3D%3D
- https://m.youtube.com/watch?v=lEnGjq0KjG8
- https://www.youtube.com/shorts/1GIrACfahT0
- https://ummkt.com/blog/625
- https://www.youtube.com/watch?v=UBoEdQs5AY0&pp=0gcJCdgAo7VqN5tD
- https://www.noukinavi.com/blog/?p=16187
- https://www.orec.co.jp/magazine/316/
- https://jatrack.co.jp/jtinnovation/2024/05/30/lawn-mower-fuel-mixing/
- https://note.com/ryutaro0306/n/n234407acd149
- http://www.aquaworld-d1.com/index/outboardmotor/mix_rate/mr.html