草刈機が急に動かなくなったり、エンジンの調子が悪くなったりした経験はありませんか?多くの場合、その原因はキャブレターの詰まりや汚れにあります。適切な分解清掃を行うことで、高額な修理費用をかけずに自分で草刈機を復活させることが可能です。
この記事では、草刈機分解の基本知識から実際の作業手順まで、初心者でも安全に取り組めるよう詳しく解説します。キャブレター分解清掃に必要な工具はわずか3つだけで、ホームセンターで1,000円程度で揃えることができます。ただし、作業には一定のリスクも伴うため、適切な知識と準備が不可欠です。
この記事のポイント |
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✅ 草刈機分解が必要になる主な症状と原因の診断方法 |
✅ キャブレター分解清掃に必要な工具と材料の選び方 |
✅ 安全で確実な分解・組み立ての具体的手順 |
✅ 自分で対処できるケースと専門業者に依頼すべきケースの判断基準 |
草刈機分解の基本知識と準備
- 草刈機分解が必要になる主な原因は燃料系トラブル
- キャブレター分解清掃に必要な工具は3つだけ
- 分解前に確認すべき症状と故障診断のポイント
- 安全作業のための事前準備と注意事項
- ロータリーバルブ式とバタフライ式の違いを理解する
- 分解作業に適した環境と時期の選び方
草刈機分解が必要になる主な原因は燃料系トラブル
草刈機の故障で最も多いのは、キャブレター関連のトラブルです。2サイクルエンジンを搭載した草刈機は、燃料システムが複雑で、適切なメンテナンスを怠ると様々な問題が発生します。
主な故障原因として、燃料の劣化や不純物の混入が挙げられます。ガソリンは時間の経過とともに成分が変化し、キャブレター内で固着や詰まりを引き起こします。また、燃料フィルターが劣化すると、ゴミや水分がキャブレター内部に侵入し、精密な部品の動作を阻害します。
小型農機(チェンソーや刈払機、ブロワー)の修理で一番多いのはキャブレターの分解清掃です。カッコつけて言うとキャブレターO/H(オーバーホール)ですね。
引用元:https://www.agriz.net/servicect/index.html/2017/07/18/bccaboh001/
さらに、長期間の保管時に燃料を抜き忘れると、キャブレター内で燃料が蒸発し、残留物が部品に付着して固着します。これにより、燃料の流れが悪くなり、エンジンの始動不良や出力低下が発生します。
🔧 草刈機故障の主要原因
故障原因 | 発生頻度 | 修理難易度 | 概算費用 |
---|---|---|---|
キャブレター詰まり | 高 | 中 | 3,000~8,000円 |
燃料系統トラブル | 高 | 低~中 | 1,000~5,000円 |
点火系統不良 | 中 | 中~高 | 5,000~15,000円 |
エンジン内部損傷 | 低 | 高 | 20,000円以上 |
このような状況を避けるためには、定期的なメンテナンスと適切な保管方法が重要です。しかし、すでに故障が発生している場合は、分解清掃による修理が効果的な解決策となります。
キャブレター分解清掃に必要な工具は3つだけ
草刈機のキャブレター分解清掃は、想像以上にシンプルな工具で実行できます。必要最小限の工具は、プラスドライバー、パーツクリーナー、キャブレタークリーナーの3点のみです。
プラスドライバーは、キャブレター下部のプライミングポンプを固定している小さなネジ4本を外すために使用します。一般的な#1または#2のサイズで十分対応できます。精密ドライバーセットがあれば、より細かい作業にも対応できて便利です。
パーツクリーナーは、分解したキャブレター部品の洗浄に使用します。強力な洗浄力を持つスプレータイプが適しており、ホームセンターで300円程度から購入できます。ただし、揮発性が高いため、換気の良い場所での使用が必須です。
キャブレタークリーナーは、キャブレター内部の燃料通路に詰まった汚れを除去するための専用クリーナーです。ムースタイプのものが特におすすめで、泡状になって細かい隙間にも浸透し、汚れをしっかりと包み込んで除去します。
🛠️ 必要工具の詳細情報
工具名 | 用途 | 価格目安 | 選び方のポイント |
---|---|---|---|
プラスドライバー | ネジの脱着 | 200~500円 | #1、#2サイズがあれば十分 |
パーツクリーナー | 部品洗浄 | 300~800円 | スプレータイプで洗浄力重視 |
キャブレタークリーナー | 内部清掃 | 500~1,200円 | ムースタイプがおすすめ |
これらの工具は、ホームセンターで簡単に入手でき、合計でも1,000円程度の投資で済みます。高価な特殊工具は不要で、DIY初心者でも気軽に挑戦できるのが草刈機分解清掃の魅力です。
ただし、機械からキャブレターを取り外す際には、追加でラジオペンチや機種に応じた工具が必要になる場合があります。作業前に取扱説明書を確認し、必要な工具を事前に準備しておくことが重要です。
分解前に確認すべき症状と故障診断のポイント
草刈機の分解清掃を行う前に、故障の症状を正確に把握することが重要です。適切な診断により、本当に分解清掃が必要なのか、他の原因による故障なのかを判断できます。
最も一般的な症状は、エンジンの始動不良です。プルスターターを引いても全くかからない場合や、かかってもすぐに止まってしまう場合は、キャブレターの詰まりが疑われます。また、アイドリングが不安定で回転数が一定しない症状も、燃料供給系のトラブルを示しています。
刃の回転に関するトラブルも重要な診断ポイントです。エンジンは動くが刃が回らない場合は、遠心クラッチや駆動系の故障が考えられます。この場合、キャブレター清掃だけでは解決しない可能性があります。
⚠️ 故障症状別の診断チェックリスト
症状 | 可能性の高い原因 | 分解清掃の効果 | 備考 |
---|---|---|---|
始動しない | キャブレター詰まり | 高 | 最も多い故障パターン |
すぐにエンストする | 燃料供給不良 | 高 | アイドリング調整も必要 |
出力不足 | 混合気濃度異常 | 中 | エアフィルター点検も重要 |
刃が回らない | 駆動系故障 | 低 | 遠心クラッチ点検が必要 |
診断時には、燃料の状態も確認しましょう。古い燃料が入っている場合は、新しい燃料に交換してから症状を再確認します。また、エアフィルターの汚れやスパークプラグの状態も、エンジン不調の原因となることがあります。
症状が複数重複している場合や、明らかに異音がする場合は、内部の機械的な損傷が疑われます。このような状況では、素人による分解は危険であり、専門業者への相談をおすすめします。
安全作業のための事前準備と注意事項
草刈機の分解作業は、適切な安全対策を講じて行うことが不可欠です。化学薬品の使用や精密部品の取り扱いが伴うため、事前の準備と注意事項の理解が重要です。
作業環境の整備が最も重要な要素です。十分な換気が確保された場所で作業し、クリーナー類の蒸気が滞留しないよう注意します。屋外での作業が理想的ですが、風の強い日は部品の紛失リスクがあるため避けましょう。
保護具の着用も必須です。キャブレタークリーナーやパーツクリーナーは皮膚に刺激を与えるため、保護手袋と保護眼鏡を着用します。また、作業服は化学薬品に耐性のある材質のものを選び、肌の露出を最小限に抑えます。
🛡️ 安全作業のための準備項目
- ✅ 換気の良い作業場所の確保
- ✅ 保護手袋・保護眼鏡の着用
- ✅ 化学薬品対応の作業服
- ✅ 部品整理用の小皿やトレー
- ✅ 組み立て手順のメモまたは写真撮影
- ✅ 応急処置用の水と清潔なタオル
部品管理も重要な安全要素です。小さなネジやガスケットを紛失すると、組み立て時に大きな問題となります。分解の各段階で写真を撮影し、部品の配置順序を記録しておくことをおすすめします。
作業中に異常を感じた場合は、無理を続けずに作業を中断します。特に、部品が予想以上に固着している場合や、破損の兆候が見られる場合は、専門業者に相談することが賢明です。
ロータリーバルブ式とバタフライ式の違いを理解する
草刈機のキャブレターには、主にロータリーバルブ式とバタフライ式の2つのタイプがあります。分解清掃の基本的な流れは同じですが、構造の違いを理解しておくことで、より効率的で安全な作業が可能になります。
ロータリーバルブ式は、一般的な刈払機に多く採用されているタイプです。キャブレター下部にプライミングポンプが配置され、4本の小さなネジで固定されています。分解時は、これらのネジを均等に緩めることで、キャブレター本体を分割できます。
バタフライ式は、主にチェンソーなどに使用されるタイプで、スロットルバルブの形状が蝶々(バタフライ)に似ていることから名付けられました。ロータリー式と比較して、調整機構がより複雑で、分解時により細心の注意が必要です。
📊 キャブレタータイプ別の特徴比較
項目 | ロータリーバルブ式 | バタフライ式 |
---|---|---|
主な使用機器 | 刈払機、ブロワー | チェンソー、一部高出力機 |
分解難易度 | 中 | 中~高 |
調整の複雑さ | 比較的簡単 | 複雑 |
部品点数 | 少ない | 多い |
故障頻度 | 中 | やや高 |
どちらのタイプでも、分解清掃の基本原則は変わりません。燃料通路の清掃とダイヤフラムの点検が主要な作業内容です。ただし、バタフライ式の場合は、スロットルバルブの調整が狂いやすいため、分解前の設定を詳細に記録しておくことが重要です。
型式が不明な場合は、取扱説明書や製造元のWebサイトで確認することをおすすめします。間違った分解方法を行うと、修復不可能な損傷を引き起こす可能性があります。
分解作業に適した環境と時期の選び方
草刈機の分解清掃は、作業環境と時期の選択が成功の鍵となります。適切な条件下で作業することで、安全性と作業効率を大幅に向上させることができます。
作業時期については、草刈シーズンが終了した秋から冬にかけてが最適です。この時期は草刈機の使用頻度が低く、じっくりと時間をかけて作業できます。また、次のシーズンに向けた準備として、機械の調子を万全に整えることができます。
天候条件も重要な要素です。晴天で湿度の低い日を選ぶことで、クリーナー類の乾燥が早く、作業効率が向上します。雨天時や湿度の高い日は、金属部品の錆発生リスクが高まるため避けましょう。
🌤️ 理想的な作業条件
条件項目 | 推奨状況 | 理由 |
---|---|---|
時期 | 秋~冬(使用オフシーズン) | 時間的余裕、次シーズン準備 |
天候 | 晴天、低湿度 | 乾燥促進、錆防止 |
時間帯 | 午前中~午後早め | 十分な作業時間確保 |
温度 | 10~25℃ | 化学薬品の適切な揮発 |
作業場所の選定では、平坦で安定した作業台が確保できる場所を選びます。ガレージや作業小屋など、風の影響を受けにくい半屋外空間が理想的です。完全な室内は換気の問題があり、完全な屋外は風による部品飛散のリスクがあります。
照明も重要な要素です。細かい部品の状態確認や組み立て作業には、十分な明るさが必要です。自然光に加えて、作業用ライトを準備しておくと、精密な作業がしやすくなります。
草刈機分解の実践方法と応用テクニック
- キャブレター分解の基本手順を段階的に解説
- ダイヤフラムとガスケットの正しい取り扱い方法
- キャブレタークリーナーを使った効果的な清掃技術
- 組み立て時の失敗を防ぐチェックポイント
- 分解清掃で解決しない場合の対処法
- 専門業者に依頼すべきケースの見極め方
- まとめ:草刈機分解
キャブレター分解の基本手順を段階的に解説
草刈機のキャブレター分解は、正しい手順を踏むことで安全かつ確実に実行できます。ここでは、最も一般的なロータリーバルブ式キャブレターの分解手順を詳しく解説します。
第1段階:機械からキャブレターの取り外し まず、燃料タンクの燃料を完全に抜き、エンジンを停止状態にします。燃料ホースを外し、スロットルケーブルとチョークケーブルを慎重に取り外します。この際、ケーブルの接続位置を写真で記録しておくと、組み立て時に迷わずに済みます。
第2段階:プライミングポンプの取り外し キャブレター下部にある4本の小さなネジを、対角線状に少しずつ緩めます。一気に1本のネジを完全に緩めると、内部の圧力でダイヤフラムが飛び出す可能性があるため注意が必要です。
ロータリー式は殆どの場合、キャブレター下部のプライミングポンプを保持している小さなネジ4本を外せば分解出来ます。
引用元:https://www.agriz.net/servicect/index.html/2017/07/18/bccaboh001/
第3段階:内部部品の慎重な取り外し ネジが完全に外れたら、キャブレター本体を上下に分割します。この時、メタリングダイヤフラムとポンプダイヤフラムが現れます。これらの部品は非常にデリケートなため、破らないよう慎重に取り扱います。
🔧 分解手順の詳細ステップ
ステップ | 作業内容 | 注意点 | 所要時間 |
---|---|---|---|
1 | 燃料抜き・ケーブル外し | 写真記録を取る | 5分 |
2 | ネジ4本の段階的な緩め | 対角線状に均等に | 3分 |
3 | 本体分割・部品確認 | ダイヤフラム破損防止 | 5分 |
4 | ガスケット状態確認 | 無理な剥離は禁物 | 3分 |
ガスケット(紙製のパッキン)がキャブレター本体に張り付いている場合は、無理に剥がそうとしてはいけません。破れると空気漏れや燃料漏れの原因となり、キャブレターが正常に機能しなくなります。
分解が完了したら、すべての部品を清潔な作業台に並べ、組み立て順序を確認します。部品の配置を写真で記録し、紛失防止のために小皿やトレーに整理して保管します。
ダイヤフラムとガスケットの正しい取り扱い方法
キャブレターの心臓部とも言えるダイヤフラムとガスケットは、燃料供給システムの重要な役割を担っています。これらの部品の正しい取り扱いが、分解清掃の成功を左右します。
メタリングダイヤフラムは、金属製の部品が付いた薄いゴム膜で、燃料の計量と供給を制御します。表面に亀裂や硬化がないか注意深く検査し、弾力性を確認します。正常なダイヤフラムは柔軟性があり、軽く押すと元の形に戻ります。
ポンプダイヤフラムは、燃料をキャブレター内部に送り込む役割を持ちます。こちらには金属部品は付いておらず、歪な形状をしています。損傷や劣化の兆候を確認し、必要に応じて交換部品を準備します。
💡 ダイヤフラム点検のチェックポイント
- ✅ 表面のひび割れや亀裂の有無
- ✅ ゴム材質の硬化や変色
- ✅ 取り付け穴の変形や拡大
- ✅ 金属部品の腐食や変形
- ✅ 全体的な柔軟性と弾力性
ガスケット類の取り扱いでは、特に注意が必要です。紙製のガスケットは水分や化学薬品に弱く、一度破損すると修復が困難です。キャブレター本体に強固に張り付いている場合は、無理に剥がさず、そのまま清掃作業を進めます。
📋 部品交換の判断基準
部品名 | 交換が必要な状態 | 使用継続可能な状態 | 交換頻度目安 |
---|---|---|---|
メタリングダイヤフラム | ひび割れ、硬化 | 柔軟性あり、損傷なし | 2-3年 |
ポンプダイヤフラム | 変形、穴あき | 弾力性保持 | 2-3年 |
ガスケット類 | 破れ、収縮 | 密着性良好 | 必要時 |
部品の交換が必要な場合は、必ず純正部品または互換性の確認された部品を使用します。安価な代替品は、寸法や材質の違いによりトラブルの原因となることがあります。部品番号を確認し、信頼できる販売店から購入することをおすすめします。
キャブレタークリーナーを使った効果的な清掃技術
キャブレター内部の清掃は、詰まりや汚れを除去する最も重要な工程です。適切なクリーナーの使用方法と清掃技術により、キャブレターの機能を完全に回復させることができます。
ムースタイプのキャブレタークリーナーは、最も効果的な清掃アイテムです。泡状になることで細かい穴や隙間にも浸透し、固着した汚れを化学的に分解します。スプレー後は数分間放置し、汚れが十分に溶解するのを待ちます。
清掃の基本原則は、「穴という穴にキャブクリを」です。キャブレター内部には多数の小さな穴があり、それぞれが燃料の通り道となっています。すべての穴に対してクリーナーを吹き込み、詰まりを徹底的に除去します。
穴という穴にキャブクリを! キャブレター詰まりって、要するにキャブレター内部の燃料の通り道がゴミや劣化した燃料で詰まってしまう故障なので、燃料経路を綺麗にすれば解決するんですよ。
引用元:https://www.agriz.net/servicect/index.html/2017/07/18/bccaboh001/
🧽 効果的な清掃手順
工程 | 使用薬剤 | 作業内容 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | キャブレタークリーナー | 全ての穴への噴射 | ムースタイプ推奨 |
2 | 浸透時間確保 | 3-5分間放置 | 汚れの化学分解 |
3 | パーツクリーナー | 高圧洗浄 | 勢いよく噴射 |
4 | エアブロー | 残留物除去 | コンプレッサー使用 |
パーツクリーナーでの洗浄では、ノズルの先端を穴に押し当て、勢いよく噴射します。これにより、キャブレタークリーナーで溶解した汚れを物理的に押し出します。洗浄の順序は、最初にクリーナーを噴射した部品から順番に行います。
エアーコンプレッサーが利用できる場合は、最後にエアブローを行います。これにより、残留したクリーナーや水分を完全に除去し、内部を乾燥状態にします。コンプレッサーがない場合でも、十分な乾燥時間を確保することで同様の効果を得られます。
組み立て時の失敗を防ぐチェックポイント
キャブレターの組み立ては、分解時の逆順序で行いますが、いくつかの重要なチェックポイントがあります。正しい組み立てを行うことで、清掃効果を最大限に活かし、長期間の安定動作を確保できます。
部品の配置順序が最も重要な要素です。分解時に撮影した写真を参考に、すべての部品が正確な位置に配置されているか確認します。特に、ダイヤフラムの向きやガスケットの重なり順序は、燃料供給に直接影響するため注意が必要です。
ネジの締め付けは、対角線状に段階的に行います。一度に強く締めると、ダイヤフラムやガスケットが変形し、密閉性が損なわれる可能性があります。最初は軽く仮締めし、全体のバランスを確認してから本締めを行います。
🔍 組み立て時の重要チェック項目
- ✅ ダイヤフラムの向きと位置確認
- ✅ ガスケットの重なり順序
- ✅ キャブレターのチョボとの穴合わせ
- ✅ ネジの対角線締め付け
- ✅ 各部品の密着状態確認
- ✅ 燃料ホースの接続確認
組み立て完了後は、試運転前に基本的な動作確認を行います。プライミングポンプを数回押して、燃料がキャブレター内に供給されることを確認します。また、スロットルレバーの動作やチョークの開閉動作も点検します。
📊 組み立て後の機能確認項目
確認項目 | 正常な状態 | 異常時の対処 |
---|---|---|
プライミング機能 | 燃料が確実に送られる | 組み立て順序を再確認 |
スロットル動作 | スムーズな動作 | ケーブル接続を点検 |
チョーク機能 | 確実な開閉 | 機構部分の清掃 |
外部からの漏れ | 燃料漏れなし | ガスケット交換検討 |
試運転時は、最初は短時間の運転から始めます。エンジンが正常に始動し、安定したアイドリングを維持できるか確認します。異音や振動、燃料漏れなどの異常がないことを確認してから、本格的な使用を開始します。
分解清掃で解決しない場合の対処法
キャブレターの分解清掃を適切に実施しても症状が改善しない場合は、他の原因による故障が考えられます。このような状況では、段階的な診断と追加の対策が必要です。
燃料系統全体の点検が第一のステップです。燃料タンク内の汚れや水分、燃料フィルターの詰まり、燃料ホースの劣化などが原因となることがあります。これらの部品は、キャブレター清掃と同時に点検・交換することで、総合的な改善効果を得られます。
点火系統の不具合も考慮すべき要素です。スパークプラグの劣化や汚れ、点火コイルの不良、配線の断線などは、エンジンの始動不良や出力低下の原因となります。プラグの状態確認は比較的簡単で、電極の摩耗や汚れの程度から点火系統の健康状態を把握できます。
⚡ 追加点検が必要な部位
系統 | 点検部位 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|---|
燃料系 | 燃料フィルター | 詰まり、変色 | フィルター交換 |
燃料系 | 燃料ホース | ひび割れ、硬化 | ホース交換 |
点火系 | スパークプラグ | 電極摩耗、汚れ | プラグ交換 |
吸気系 | エアフィルター | 汚れ、破損 | フィルター清掃・交換 |
エンジン内部の機械的トラブルの場合は、素人による修理は困難です。ピストンリングの摩耗、シリンダーの傷、クランクシャフトベアリングの損傷などは、専門的な技術と設備が必要な修理となります。
このような状況を判断するためには、エンジンの圧縮圧力測定や異音の詳細な分析が有効です。ただし、これらの診断には専用の測定器具が必要で、一般の方には実施が困難です。症状が改善しない場合は、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
専門業者に依頼すべきケースの見極め方
草刈機の修理において、自分で対処できる範囲と専門業者に依頼すべき範囲を正しく判断することは、安全性と経済性の両面で重要です。無理な自己修理は、かえって修理費用を増大させる可能性があります。
明らかに専門業者に依頼すべきケースとして、エンジン内部からの異音、オイル漏れ、排気煙の異常などが挙げられます。これらの症状は、エンジンの根本的な故障を示しており、特殊な技術と部品が必要な修理となります。
燃料調整に関わる複雑な分解も、専門業者に任せるべき作業です。キャブレターの燃料調整ネジを動かしてしまうと、エンジンの性能が大幅に悪化したり、最悪の場合エンジンを焼き付かせたりする可能性があります。
あとね、お客様が自分でキャブの分解清掃にチャレンジして燃料を調整しているデリケートな部分まで分解してしまい、元に戻せなかったり、調整ミスでエンジンを焼き付かせてしまったりするケースがたまにあります。
引用元:https://www.agriz.net/servicect/index.html/2017/07/18/bccaboh001/
🏭 専門業者依頼の判断基準
症状・状況 | 自己対応 | 業者依頼 | 理由 |
---|---|---|---|
キャブレター簡易清掃 | ○ | – | 基本的な技術で対応可能 |
燃料調整ネジの操作 | × | ○ | 専門知識と経験が必要 |
エンジン内部異音 | × | ○ | 内部機械の専門診断が必要 |
複数系統の同時故障 | × | ○ | 総合的な診断技術が必要 |
費用対効果の観点からも、業者依頼を検討すべきケースがあります。高価な部品の交換が必要な場合や、修理に長時間を要する場合は、自己修理による時間的コストと専門業者の技術料を比較検討することが重要です。
緊急性の高い状況では、迷わず専門業者に相談します。作業繁忙期に草刈機が故障した場合、迅速な修理が優先されます。また、安全性に関わる部分(燃料系統、点火系統)の故障は、専門的な診断と修理が不可欠です。
信頼できる業者の選択も重要な要素です。農機具専門店や林機店など、草刈機の修理実績が豊富な業者を選ぶことで、適切な診断と効率的な修理を期待できます。
まとめ:草刈機分解
最後に記事のポイントをまとめます。
- 草刈機の故障で最も多いのはキャブレターの詰まりや汚れである
- 分解清掃に必要な工具はプラスドライバー、パーツクリーナー、キャブレタークリーナーの3点のみである
- 作業前の症状診断により、分解清掃の必要性を正確に判断できる
- 安全作業のためには換気の良い場所での作業と適切な保護具着用が必須である
- ロータリーバルブ式とバタフライ式では分解方法に違いがあるため事前確認が重要である
- 作業に適した環境は秋から冬の晴天時で湿度の低い条件である
- キャブレター分解は4本のネジを対角線状に段階的に緩めることから始まる
- ダイヤフラムとガスケットは破損防止のため慎重な取り扱いが必要である
- キャブレタークリーナーは穴という穴にすべて噴射することが清掃の基本である
- 組み立て時は部品の配置順序とネジの対角線締め付けが成功の鍵となる
- 分解清掃で解決しない場合は燃料系統全体や点火系統の点検が必要である
- 燃料調整に関わる複雑な分解や異音を伴う故障は専門業者に依頼すべきである
- 費用対効果と緊急性を考慮して自己修理と業者依頼を適切に判断することが重要である
- 信頼できる農機具専門店や林機店の選択が適切な修理の前提条件である
- 定期的なメンテナンスと適切な保管により分解清掃の頻度を減らすことができる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.agriz.net/servicect/index.html/2017/07/18/bccaboh001/
- https://niimi.mypl.net/shop/00000365779/news?d=2770188
- https://minkara.carview.co.jp/userid/235840/car/137824/3235490/note.aspx
- http://islamicaidbd.org/index.php/health-project/
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