草刈機から「ゴリゴリ」「プルプル」といった異音や振動が発生していませんか?これらの症状の多くは、ギアケース内のベアリング(軸受け)の劣化が原因です。ベアリングは草刈機の心臓部とも言える重要な部品で、適切に交換することで機械の寿命を大幅に延ばすことができます。
本記事では、草刈機のベアリング交換について、症状の見分け方から具体的な作業手順、必要な工具、費用まで詳しく解説します。DIY初心者でも分かりやすいよう、プロの技術者が実際に行っている方法を段階的に紹介し、失敗しないためのポイントも併せてお伝えします。
この記事のポイント |
---|
✅ ベアリング故障の症状と原因を正確に判断する方法 |
✅ DIYでベアリング交換を行うための詳細な手順と工具 |
✅ 各メーカー別のベアリングサイズと適合表 |
✅ 修理費用の相場と業者依頼との比較検討 |
草刈機ベアリング交換の症状診断と故障原因
- 草刈機のベアリング故障を見極める症状とは
- ベアリング交換が必要になる主な原因を理解する
- ギアケースの構造とベアリングの役割を知る
- 修理か買い替えかを判断するポイント
- メーカー別ベアリング規格と適合表
- 故障を予防するメンテナンス方法
草刈機のベアリング故障を見極める症状とは
草刈機のベアリング故障には、いくつかの特徴的な症状が現れます。最も分かりやすいのが「プルプル」という振動と「ゴリゴリ」「ミーーー」といった異音です。これらの症状は、ベアリング内部のボールやレースに損傷が生じ、スムーズな回転ができなくなることで発生します。
正常な草刈機と故障した草刈機の違いは、エンジンをかけて回転数を上げた際に顕著に現れます。正常な状態では滑らかに回転し、音も一定ですが、ベアリングが劣化すると回転が不安定になり、特にパーシャルからメイン回転への過渡領域でビビりが発生することが多いです。
また、刈刃を手で回した時の感触も重要な判断材料となります。正常なベアリングなら軽やかに回転しますが、故障したベアリングは重く感じられたり、回転中にガタつきを感じたりします。特に、回転を止めた瞬間に「カクッ」とした引っかかりがある場合は、ベアリングの損傷が進行している可能性が高いです。
さらに、ギアケースからのグリス漏れも見逃せないサインです。ベアリングが損傷すると、シール性能が低下してグリスが外部に漏れ出すことがあります。ギアケース周辺に黒っぽいグリスの痕跡がある場合は、内部のベアリングをチェックする必要があります。
📊 ベアリング故障の症状チェックリスト
症状 | 原因 | 緊急度 | 対処法 |
---|---|---|---|
プルプル振動 | ベアリングの摩耗・損傷 | 高 | 即座にベアリング交換 |
ゴリゴリ音 | ベアリング内部の破損 | 高 | 使用停止、ベアリング交換 |
回転の重さ | グリス不足・ベアリング固着 | 中 | グリス補給またはベアリング交換 |
グリス漏れ | シール劣化・ベアリング損傷 | 中 | ベアリング・シール交換 |
異常な発熱 | ベアリングの焼き付き | 高 | 即座に使用停止、部品交換 |
ベアリング交換が必要になる主な原因を理解する
草刈機のベアリングが故障する原因は多岐にわたりますが、最も多いのがグリス不足による潤滑不良です。ベアリングは高速回転する部品のため、適切な潤滑が欠かせません。定期的なグリス補給を怠ると、ベアリング内部の金属同士が直接摩擦し、摩耗や焼き付きを起こします。
連続高回転での使用も大きな原因の一つです。特にナイロンコード仕様の草刈機は、金属刃に比べて高回転を維持する時間が長く、ベアリングにかかる負荷が大きくなります。また、重い刈刃を使用したり、硬い雑草を無理に刈ろうとしたりすると、ベアリングに過度な負荷がかかり寿命を縮めます。
水分や異物の侵入も深刻な問題です。雨天時の作業や、泥や砂埃の多い環境での使用により、ベアリング内部に水分や異物が入り込むと、錆や摩耗が急速に進行します。特に、高圧洗浄機でギアケースを洗浄すると、シールを破って水分が侵入しやすくなるため注意が必要です。
経年劣化による自然な摩耗も避けられない要因です。一般的に、草刈機のベアリングは適切な使用とメンテナンスを行っても3〜5年程度で交換時期を迎えます。使用頻度や作業環境によっては、もっと早く交換が必要になる場合もあります。
🔧 ベアリング故障の主要原因と対策
原因 | 発生メカニズム | 予防策 | 交換目安 |
---|---|---|---|
グリス不足 | 潤滑不良による摩耗 | 定期的なグリス補給 | 年1回のメンテナンス |
過負荷 | 過度な力による損傷 | 適切な刈刃選択・無理な作業回避 | 使用方法見直し |
異物侵入 | 砂埃・水分による摩耗 | 作業後の清掃・適切な保管 | 作業環境改善 |
経年劣化 | 自然な材料疲労 | 定期点検・予防交換 | 3〜5年周期 |
ギアケースの構造とベアリングの役割を知る
草刈機のギアケースは、エンジンの回転を刈刃に伝達する重要な機構です。内部にはベベルギア(傘歯車)と呼ばれる歯車が組み込まれており、エンジンの縦回転を刈刃の横回転に変換します。このベベルギアの軸を支えているのがベアリングで、スムーズな回転と正確な位置決めを担っています。
一般的な草刈機のギアケースには、シャフト側(エンジン側)とプロペラシャフト側(刈刃側)にそれぞれベアリングが配置されています。シャフト側には通常609ZZ規格のベアリングが、刈刃側には6000LLUや698規格のベアリングが使用されることが多いです。
ベアリングの種類と特徴も理解しておくことが重要です。**シールド形(ZZ)**は金属製のシールド板で覆われており、比較的軽い負荷に適しています。**接触ゴムシール形(LLU)**は密封性が高く、グリスの保持能力に優れています。オープン形はシールがなく、外部からのグリス供給が容易です。
ギアケース内部の構造を理解することで、どのベアリングがどの負荷を受けているかが分かり、故障の予測や適切なメンテナンス計画を立てることができます。特に、刈刃側のベアリングは作業時の衝撃を直接受けるため、シャフト側よりも早く劣化することが一般的です。
⚙️ ギアケース内部構造と部品配置
部位 | ベアリング規格 | 負荷特性 | 劣化傾向 |
---|---|---|---|
シャフト側上部 | 609ZZ | 回転負荷メイン | 中程度 |
シャフト側下部 | 609ZZ | 回転+軸方向負荷 | 高い |
刈刃側大型 | 6000LLU | 衝撃+回転負荷 | 最も高い |
刈刃側小型 | 698 | 軸方向負荷 | 低い |
修理か買い替えかを判断するポイント
草刈機のベアリング故障が発覚した際、修理するか新品に買い替えるかの判断は重要な決断です。まず考慮すべきは修理費用と機械の残存価値のバランスです。ベアリング交換だけなら部品代は数百円程度ですが、業者に依頼すると工賃込みで5,000〜10,000円程度かかります。
機械の年式と使用状況も判断材料となります。購入から5年以内で、エンジンの調子が良好な機械なら修理する価値があります。しかし、10年以上経過している機械や、エンジンにも不調がある場合は、修理費用を新品購入の頭金にした方が経済的かもしれません。
DIYでの修理可能性を検討することも大切です。ベアリング交換は適切な工具と知識があれば自分で行うことができ、この場合の費用は部品代のみで済みます。ただし、特殊工具が必要な場合や、ギアケース自体に損傷がある場合は専門業者に依頼することをお勧めします。
また、代替パーツの入手性も考慮すべき点です。古い機種や海外製品の場合、純正部品の入手が困難な場合があります。汎用品で代用できる場合もありますが、サイズが合わないリスクもあるため、事前に確認が必要です。
💡 修理・買い替え判断基準
判断要素 | 修理推奨 | 買い替え推奨 | 備考 |
---|---|---|---|
機械年数 | 5年以内 | 10年超 | 中間は状況次第 |
エンジン状態 | 良好 | 不調あり | 総合的な判断が必要 |
修理費用 | 本体価格の30%以下 | 本体価格の50%超 | DIYなら費用大幅削減 |
部品入手性 | 容易 | 困難 | 汎用品代用の可否確認 |
メーカー別ベアリング規格と適合表
草刈機のベアリング交換を成功させるためには、正確なベアリング規格の特定が不可欠です。主要メーカーごとに使用されるベアリングサイズには一定の傾向があり、事前に把握しておくことで部品調達がスムーズになります。
共立(KIORITZ)の草刈機では、シャフト側に609ZZ、刈刃側に6000LLUが標準的に使用されています。**ゼノア(ZENOAH)**製品も同様の規格が多く、互換性があることが多いです。一方、タナカ(TANAKA)の機種では、一部で6001規格を使用するものもあり、注意が必要です。
**マキタ(MAKITA)**の電動草刈機は、エンジン式とは異なる規格を使用することが多く、6200番台のベアリングが使われることがあります。また、**丸山製作所(MARUYAMA)**の軽量モデルでは、クラッチドラム部分に特殊なベアリングが使用されており、専用部品が必要になる場合があります。
海外メーカー品や廉価版では、国産品とは異なる規格が使用されることもあるため、実物のベアリングを外して実測することが最も確実です。ベアリングの側面には通常、規格番号が刻印されているので、これを参考に適合品を選定します。
🏭 主要メーカー別ベアリング規格一覧
メーカー | シャフト側 | 刈刃側(大) | 刈刃側(小) | 特記事項 |
---|---|---|---|---|
共立 | 609ZZ | 6000LLU | 698 | 最も一般的な規格 |
ゼノア | 609ZZ | 6000LLU | 698 | 共立と共通性高い |
タナカ | 609ZZ/6001 | 6000LLU | 698 | 一部で6001使用 |
マキタ | 6200ZZ | 6201LLU | 699 | 電動式独自規格 |
丸山 | 609ZZ | 専用規格 | 698 | クラッチ部特殊 |
故障を予防するメンテナンス方法
ベアリング故障を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。最も重要なのはグリスの補給で、使用頻度にもよりますが年に1〜2回はギアケースのグリス注入口からウレアグリスを注入することを推奨します。グリスが古くなると潤滑性能が低下し、ベアリングの寿命を縮める原因となります。
作業後の清掃も重要なメンテナンス項目です。特に、ギアケース周辺に付着した草くずや泥は、水分と共にベアリング内部に侵入するリスクがあります。作業終了後は、エアブローやブラシを使ってギアケース周辺をきれいに清掃し、乾燥した場所で保管することが大切です。
適切な作業方法の実践も予防効果があります。硬い雑草や太い枝を無理に刈ろうとせず、刈刃に適した作業を心がけることで、ベアリングにかかる負荷を軽減できます。また、連続高回転での長時間作業は避け、適度に休憩を取ることでベアリングの温度上昇を防げます。
定期点検の実施により、故障の前兆を早期に発見することができます。月に1回程度、エンジンを止めた状態で刈刃を手で回し、異常な重さやガタつきがないかチェックします。また、ギアケースからの異音や振動にも注意を払い、異常を感じたら早めに詳細点検を行うことが重要です。
🛠️ 予防メンテナンススケジュール
頻度 | 作業内容 | 使用する材料・工具 | 所要時間 |
---|---|---|---|
毎回使用後 | 清掃・点検 | エアブロー・ウエス | 5分 |
月1回 | 手動回転チェック | なし | 2分 |
年2回 | グリス補給 | ウレアグリス・グリスガン | 10分 |
年1回 | 詳細点検 | 工具一式 | 30分 |
草刈機ベアリング交換の実践的手順と専門テクニック
- ベアリング交換に必要な工具と部品を準備する
- ギアケース分解の正しい手順を覚える
- 古いベアリングを安全に取り外すテクニック
- 新しいベアリングの正確な取り付け方法
- ベアリング交換にかかる費用を詳しく分析する
- 作業で失敗しないための注意点とコツ
- まとめ:草刈機ベアリング交換で長寿命化を実現
ベアリング交換に必要な工具と部品を準備する
草刈機のベアリング交換を成功させるためには、適切な工具と部品の準備が欠かせません。まず必要な工具として、ガスバーナーは古いベアリングを取り外す際に必須のアイテムです。ギアケースを加熱してベアリングとの嵌合を緩める作業に使用しますが、プロパンガス式のバーナーが温度調整しやすく推奨されます。
プーラー(引き抜き器)も重要な工具の一つです。特に貫通型のベアリングプーラーがあると、内輪と外輪を個別に取り外すことができ、作業効率が大幅に向上します。また、プレス機があれば新しいベアリングの圧入が確実に行えますが、DIYの場合は大型のバイスで代用することも可能です。
測定工具として、ノギスは必須です。既存のベアリングのサイズを正確に測定し、適合する交換部品を特定するために使用します。また、内径・外径・幅を正確に測定することで、汎用品での代替可能性も判断できます。
部品については、ベアリング本体以外にもスナップリングやオイルシール、ウレアグリスの準備が必要です。特にスナップリングは再使用できない場合が多いため、予備を用意しておくことをお勧めします。また、作業中に部品を紛失しないよう、小さなトレイやマグネット付きの工具受けがあると便利です。
🧰 必要工具・部品チェックリスト
カテゴリ | 項目 | 用途 | 代替可能性 |
---|---|---|---|
加熱工具 | ガスバーナー | ベアリング取り外し | ドライヤー(限定的) |
取り外し工具 | ベアリングプーラー | 内輪・外輪の引き抜き | 貫通ドライバー+ハンマー |
圧入工具 | プレス機 | 新品ベアリング取り付け | バイス |
測定工具 | ノギス | サイズ確認 | 定規(精度劣る) |
消耗品 | スナップリング | 軸の固定 | 再利用困難 |
ギアケース分解の正しい手順を覚える
ギアケースの分解は、正しい順序と注意深い作業が求められます。まず、刈刃とエンジンを取り外し、ギアケース単体にします。次に、グリス注入口のキャップを外し、内部のグリスを排出させます。古いグリスは新しいグリスとの相性が悪い場合があるため、完全に除去することが重要です。
スナップリングの取り外しは、専用のスナップリングプライヤーを使用して慎重に行います。シャフト側とプロペラシャフト側の両方にスナップリングがあり、これらを外すことでベアリングへのアクセスが可能になります。スナップリングは弾性があるため、勢いよく飛び出すことがあり、紛失に注意が必要です。
ギアケースの加熱は、ベアリング取り外しの準備段階です。ガスバーナーでギアケースのベアリング周辺を数分間加熱し、金属の熱膨張を利用してベアリングとの嵌合を緩めます。加熱は一気に長時間行わず、少しずつ段階的に温度を上げることで、ケース自体の損傷を防げます。
分解作業中は、部品の配置と組み立て順序を記録しておくことが重要です。スマートフォンで写真を撮影したり、部品を順番に並べたりして、後の組み立て時に混乱しないよう準備します。特に、ベベルギアの噛み合わせ位置は重要で、間違って組み立てると動作不良の原因となります。
📋 ギアケース分解手順
順序 | 作業内容 | 使用工具 | 注意点 |
---|---|---|---|
1 | 刈刃・エンジン取り外し | スパナ・六角レンチ | ボルトの紛失注意 |
2 | グリス注入口キャップ外し | マイナスドライバー | グリス飛散注意 |
3 | スナップリング取り外し | スナップリングプライヤー | 飛び出し注意 |
4 | ギアケース加熱 | ガスバーナー | 過熱防止 |
5 | 部品配置記録 | カメラ・メモ | 組み立て順序確保 |
古いベアリングを安全に取り外すテクニック
古いベアリングの取り外しは、加熱と物理的な力を組み合わせた高度なテクニックが必要です。ガスバーナーでの加熱は段階的に行い、ベアリング周辺のギアケースが手で触れられないほど熱くなったら、木片やプラスチックハンマーで軽く叩きながらベアリングを押し出します。金属ハンマーを直接使用すると、ベアリングやギアケースを損傷する可能性があります。
エンジン側(シャフト側)のベアリングは、通常、ドライブシャフトと一緒に抜けてきます。ロングリーチペンチでシャフトを保持しながら、外側から数分間加熱し、ベアリンググリースが滴下して香ばしい匂いがしてきたら、鉛直方向に軽く打撃を加えます。この時、「ポロッ」という音と共に外れるのが正常な取り外し完了の合図です。
刈刃側(プロペラシャフト側)のベアリングは、より複雑な構造になっています。頂部と腰部を段階的に加熱し、側面から軽く打撃を加えてシャフトごと落とします。この部分には大小2つのベアリングが使用されていることが多く、**小さなベアリング(通常698規格)**が奥に残らないよう注意深く確認する必要があります。
取り外したベアリングは、再利用の可否を慎重に判断します。内輪や外輪にクラックがある場合や、ボールに摩耗や変色が見られる場合は交換が必要です。一見正常に見えても、手で回転させた時にガタつきや引っかかりがある場合は劣化している可能性が高く、新品との交換を推奨します。
⚠️ ベアリング取り外し時の安全対策
危険要因 | 対策 | 使用する保護具 |
---|---|---|
高温による火傷 | 段階的加熱・冷却時間確保 | 耐熱手袋 |
部品の飛散 | 作業エリアの整理・保護 | 安全メガネ |
有害ガス | 換気の確保 | 防塵マスク |
工具による怪我 | 適切な工具選択・慎重な作業 | 作業手袋 |
新しいベアリングの正確な取り付け方法
新しいベアリングの取り付けは、精密さと慎重さが求められる重要な工程です。まず、ギアケースとベアリングの清掃を徹底的に行います。灯油や専用クリーナーで古いグリスや汚れを完全に除去し、エアブローで水分を飛ばして完全に乾燥させます。わずかな汚れや水分も、新しいベアリングの性能に悪影響を与える可能性があります。
ベアリングの圧入は、プレス機があれば理想的ですが、DIYの場合はバイスやソケットを使った方法も有効です。重要なのは、ベアリングの内輪と外輪に均等に力をかけることです。片側だけに力が集中すると、ベアリングが傾いて正常に機能しなくなる可能性があります。適切なサイズのソケットを使用し、少しずつ段階的に圧入していきます。
グリスの塗布は、組み立て前の重要な工程です。ベアリング内部には予めグリスが封入されている場合が多いですが、オープン型のベアリングには手動でグリスを充填する必要があります。ウレアグリスを使用し、ベアリング内部の隙間を70%程度埋めるのが適切とされています。過度にグリスを入れると、回転抵抗が増加して性能が低下します。
組み立て時の位置合わせも重要なポイントです。ベベルギアの噛み合わせ位置を正確に復元し、スナップリングを確実に装着します。組み立て完了後は、手でシャフトを回転させてスムーズに動作することを確認し、異常な抵抗や引っかかりがないかチェックします。最後に、グリス注入口から新しいグリスを注入し、内部全体に行き渡るようシャフトを数回転させます。
🔧 ベアリング取り付け作業のポイント
工程 | 重要ポイント | 失敗回避策 |
---|---|---|
清掃 | 完全な汚れ除去 | 灯油+エアブロー |
圧入 | 均等な力の分散 | 適切なソケット使用 |
グリス充填 | 適量の塗布(70%) | 計量器での確認 |
位置合わせ | ギアの正確な噛み合わせ | 写真での記録確認 |
ベアリング交換にかかる費用を詳しく分析する
草刈機のベアリング交換費用は、DIYで行うか業者に依頼するかで大きく異なります。DIYの場合、ベアリング代金のみで済むため、一般的な規格のベアリングなら1個あたり300〜800円程度です。草刈機には通常3〜4個のベアリングが使用されているため、部品代の総額は1,500〜3,000円程度となります。
業者に依頼する場合の費用は、部品代に加えて工賃が発生します。一般的な修理工賃は5,000〜8,000円程度で、部品代と合わせて8,000〜12,000円程度が相場となります。ただし、ギアケース自体に損傷がある場合や、特殊な工具が必要な場合は追加費用が発生することもあります。
新品購入との比較も重要な検討材料です。エントリークラスの草刈機なら20,000〜30,000円程度で購入可能なため、修理費用が10,000円を超える場合は新品購入も検討する価値があります。特に、機械の年数が古い場合や、他の部品にも不具合がある場合は、トータルコストを考慮した判断が必要です。
DIY作業の場合の工具投資も考慮すべき点です。ガスバーナーやベアリングプーラーなど、専用工具を新規購入する場合は初期投資として5,000〜10,000円程度かかります。しかし、これらの工具は他の機械の修理にも使用できるため、長期的な視点では投資価値があります。また、工具をレンタルできる場合もあるため、使用頻度に応じて判断することが重要です。
💰 ベアリング交換費用の詳細分析
項目 | DIY | 業者依頼 | 新品購入 |
---|---|---|---|
ベアリング代 | 1,500〜3,000円 | 2,000〜4,000円 | – |
工賃 | 0円 | 5,000〜8,000円 | – |
工具代(初回のみ) | 5,000〜10,000円 | 0円 | – |
合計(初回) | 6,500〜13,000円 | 7,000〜12,000円 | 20,000〜30,000円 |
合計(2回目以降) | 1,500〜3,000円 | 7,000〜12,000円 | 20,000〜30,000円 |
作業で失敗しないための注意点とコツ
ベアリング交換作業で最も多い失敗は、加熱温度の調整ミスです。ギアケースを過度に加熱すると金属が変形し、新しいベアリングが正常に嵌合しなくなります。加熱は段階的に行い、手で触れられないほど熱くなったら一旦停止し、木片で軽く叩いてベアリングの状態を確認します。「熱い」と感じる程度で十分効果があることを覚えておきましょう。
部品の組み立て順序の間違いも頻繁に発生する失敗です。特に、スナップリングの装着順序やベベルギアの位置合わせは重要で、間違って組み立てると動作不良や異音の原因となります。分解時に写真を撮影し、部品配置を記録しておくことで、このような失敗を防ぐことができます。
適切でない工具の使用も避けるべき失敗要因です。金属ハンマーでベアリングを直接叩いたり、サイズの合わないソケットで圧入を行ったりすると、部品を損傷する可能性があります。木製またはプラスチック製のハンマーを使用し、ベアリングのサイズに合った専用工具を選択することが重要です。
安全対策の不備による怪我も深刻な問題です。ガスバーナーを使用する際は、可燃性の物質を作業エリアから除去し、適切な換気を確保します。また、高温になった部品を素手で触らないよう、耐熱手袋を着用し、安全メガネで目を保護することも忘れてはいけません。
✅ 失敗回避のための重要チェックポイント
失敗要因 | 回避策 | 確認方法 |
---|---|---|
過熱による変形 | 段階的加熱・温度管理 | 手での温度確認 |
組み立て順序ミス | 写真記録・マーキング | 分解時の詳細記録 |
不適切な工具使用 | 専用工具の準備・サイズ確認 | 事前の工具チェック |
安全対策不備 | 保護具着用・環境整備 | 作業前の安全確認 |
まとめ:草刈機ベアリング交換で長寿命化を実現
最後に記事のポイントをまとめます。
- 草刈機のベアリング故障は「プルプル振動」「ゴリゴリ音」「回転の重さ」で判断できる
- 故障の主要原因はグリス不足、過負荷、異物侵入、経年劣化である
- ギアケース内部にはシャフト側と刈刃側にそれぞれベアリングが配置されている
- 修理か買い替えかは機械の年数、状態、修理費用で総合判断する
- 主要メーカーでは609ZZ、6000LLU、698規格のベアリングが一般的である
- 予防メンテナンスとして年2回のグリス補給と定期清掃が重要である
- ベアリング交換にはガスバーナー、プーラー、プレス機などの専用工具が必要である
- ギアケース分解は刈刃外し→グリス排出→スナップリング外し→加熱の順序で行う
- 古いベアリング取り外しは段階的加熱と木片による軽い打撃で安全に実施する
- 新しいベアリング取り付けは清掃→圧入→グリス充填→位置合わせの手順が重要である
- DIY修理なら部品代のみで1,500〜3,000円、業者依頼なら7,000〜12,000円が相場である
- 失敗回避には適切な加熱温度管理、組み立て順序の記録、専用工具使用が必須である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.youtube.com/watch?v=vDZeJswt79s
- https://minkara.carview.co.jp/userid/780452/car/1563601/5727055/note.aspx
- https://www.youtube.com/watch?v=JOkNqP_rgv0
- https://noajii.hatenablog.jp/entry/2019/06/08/130255
- https://ameblo.jp/kikori21/entry-12740517301.html
- https://www.monotaro.com/kc/usage/%E8%8D%89%E5%88%88%E3%82%8A%E6%A9%9F%E3%81%AE%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84/
- https://blog.goo.ne.jp/nw8over/e/3373b26c0706d91e7df43b9869d3cbe5
- https://kusakariki.com/16650/
- https://hainan.ja-shizuoka.or.jp/webcms/wp-content/themes/jahainan/assets/service/pdf/noukisyuri.pdf
- https://www.trihealthfamily.com/pcmypage?callback=product/review/64570770