草刈機を長期間使用していると、ギアケース内部の摩耗や故障が心配になりませんか？実は、多くの草刈機トラブルは適切なグリスアップで予防できるのです。しかし、正しい方法や頻度を知らずに放置してしまい、高額な修理費用に悩まされる方も少なくありません。
この記事では、草刈機のグリスアップに関する基本知識から実践的な手順、おすすめ商品まで網羅的に解説します。25時間ごとのメンテナンス頻度、リチウムグリスやウレアグリスの選び方、ゼノアや丸山製作所といったメーカー別のポイント、さらにはグリスガンの使い方やニップル交換まで、初心者でもわかりやすく説明していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ 草刈機グリスアップの適切な頻度と必要性 |
| ✅ グリスの種類別特徴と選び方のコツ |
| ✅ 実際の作業手順と注意すべきポイント |
| ✅ メーカー別のメンテナンス方法とおすすめ商品 |
草刈機グリスアップの基本知識
- 草刈機のグリスアップが必要な理由
- グリスアップの適切な頻度は25時間ごと
- 使用するグリスの種類と選び方のポイント
- グリスガンなど必要な工具の準備
- グリスアップの基本手順を詳しく解説
- 注意すべきポイントとトラブル対策
草刈機のグリスアップが必要な理由
草刈機のギアケース内部には、エンジンの回転力を刃に伝える重要なギアが収納されています。これらのギアは高速回転により摩擦熱が発生し、適切な潤滑がなければ急速に摩耗してしまいます。
グリスアップを怠った場合の影響を以下の表にまとめました。
🔧 グリスアップ不足による影響
| 症状 | 原因 | 修理費用の目安 |
|---|---|---|
| ギアの摩耗 | 潤滑不足による金属同士の直接接触 | 5,000円～15,000円 |
| 動力伝達の悪化 | ギア損傷による回転効率低下 | 8,000円～20,000円 |
| 異音の発生 | ベアリング損傷 | 3,000円～10,000円 |
| ギアケース全体の交換 | 複数部品の同時故障 | 15,000円～30,000円 |
特に、高温になりやすい夏場の草刈り作業では、グリスの劣化が加速します。適切なグリスアップにより、これらの故障リスクを大幅に軽減できるのです。
また、グリスアップは単なる故障予防だけでなく、作業効率の向上にも寄与します。潤滑が良好な状態では、エンジンへの負荷が軽減され、燃費向上や振動軽減にもつながります。
さらに、定期的なメンテナンスにより草刈機の寿命を延ばすことができ、結果的に買い替え費用の節約にもなります。一般的に草刈機の交換には3万円～10万円程度かかりますが、適切なグリスアップで5年～10年以上使用できる場合も珍しくありません。
メーカーの取扱説明書でも、グリスアップの重要性が強調されており、保証期間内であっても適切なメンテナンスを怠った場合は保証対象外となる可能性があります。
グリスアップの適切な頻度は25時間ごと
多くのメーカーでは、初回25時間の使用後、その後も25時間ごとのグリスアップを推奨しています。しかし、使用環境や作業内容によって頻度を調整する必要があります。
📅 使用環境別グリスアップ頻度
| 使用環境 | 推奨頻度 | 理由 |
|---|---|---|
| 家庭用（軽作業） | 年1回または25時間ごと | 使用時間が短く、負荷も軽い |
| 農業用（中程度） | 20時間ごと | 継続的な使用で負荷が中程度 |
| 業務用（重作業） | 15時間ごと | 長時間連続使用で高負荷 |
| 砂塵の多い環境 | 10～15時間ごと | 異物混入のリスクが高い |
実際の使用時間を把握するため、使用記録をつけることをお勧めします。簡単なノートやスマートフォンのメモ機能を活用し、作業日時と使用時間を記録しておくと良いでしょう。
また、使用時間に関係なく、以下の症状が現れた場合は即座にグリスアップが必要です：
- ギアケース部分からの異音
- 回転時の振動増加
- 作業効率の明らかな低下
- ギアケース表面の異常な発熱
季節による調整も重要で、夏場の高温期や連続使用時は通常より短い間隔でのメンテナンスが推奨されます。特に気温が35度を超える環境では、グリスの劣化が早まるため注意が必要です。
使用するグリスの種類と選び方のポイント
草刈機用グリスには複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。適切なグリス選択が長期的な機械の保護につながります。
🛠️ 主要なグリス種類と特徴
| グリス種類 | 耐熱性 | 価格 | 推奨用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| リチウムグリース | 120°C程度 | 安価 | 家庭用・軽作業 | 高温に弱い |
| ウレアグリース | 180°C程度 | やや高価 | 業務用・重作業 | 入手しにくい |
| モリブデングリース | 150°C程度 | 中程度 | 高負荷作業 | 選択に注意要 |
| 専用グリース | 160°C程度 | 高価 | メーカー推奨 | 最も安全 |
リチウムグリースは最も一般的で、ホームセンターでも容易に入手できます。家庭用途であれば十分な性能を発揮しますが、高温環境での使用には注意が必要です。
ウレアグリースは耐熱性に優れ、業務用途に適しています。価格は高めですが、長期間の使用を考えれば費用対効果は良好です。特に夏場の連続作業や重負荷での使用に推奨されます。
モリブデングリースは高い負荷がかかる部分に適していますが、種類によってはベアリングのシールに悪影響を与える可能性があります。選択時は十分な注意が必要です。
メーカー専用グリース（ゼノアのパワーグリスなど）は最も安全で確実な選択肢です。価格は高めですが、機械との適合性が保証されており、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。
選択時のポイントとして、使用環境の最高気温とメーカー推奨を考慮することが重要です。不明な場合は、メーカーサポートに相談することをお勧めします。
グリスガンなど必要な工具の準備
効率的なグリスアップには適切な工具が不可欠です。特にグリスガンの選択は作業性に大きく影響します。
🔧 必要工具一覧
| 工具名 | 用途 | 価格目安 | 選び方のポイント |
|---|---|---|---|
| グリスガン | グリス注入 | 800円～3,000円 | 小型で扱いやすいもの |
| プラグレンチ | ネジの開閉 | 付属品 | 機械に付属のものを使用 |
| ウエス | 清拭作業 | 100円～500円 | 繊維くずの出ないもの |
| ブラシ | 清掃作業 | 200円～800円 | 金属ブラシが効果的 |
グリスガンの選び方は特に重要です。草刈機用には小型で取り回しの良いものが適しており、「チッコイグリースガン」のような製品が人気です。大型のグリスガンは作業しにくく、過度なグリス注入の原因にもなります。
グリス容量も重要な要素で、40g程度の小容量タイプが草刈機には最適です。大容量タイプは業務用途向けで、家庭用には不向きです。
ノズルの形状も確認ポイントです。草刈機の注油孔は狭いため、細いノズルや柔軟性のあるノズルが付属しているものを選びましょう。
また、バネ座金（ワッシャー）の準備も重要です。注油孔ボルトの緩み防止に効果的で、ホームセンターで数円～数十円で購入できます。M6やM8サイズが一般的です。
清掃用具として、金属ブラシは草や土の除去に効果的ですが、プラスチック部分への使用は避ける必要があります。ウエスは繊維くずの出ない工業用のものが理想的です。
グリスアップの基本手順を詳しく解説
正しい手順でのグリスアップにより、効果的な潤滑と長期的な機械保護が実現できます。
📋 グリスアップ作業手順
| 手順 | 作業内容 | 所要時間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 清掃作業 | 5分 | 異物混入防止 |
| 2 | 注油孔ボルト取外し | 2分 | 締めすぎ注意 |
| 3 | グリス注入 | 3分 | 適量注入 |
| 4 | ボルト取付け | 2分 | 適正トルク |
| 5 | 清拭作業 | 3分 | 余分なグリス除去 |
ステップ1：清掃作業 まず、ギアケース周辺の草や土を完全に除去します。特に注油孔周辺は入念に清掃し、異物の混入を防ぎます。金属ブラシで頑固な汚れを落とし、ウエスで仕上げ拭きを行います。
ステップ2：注油孔ボルトの取外し 付属のプラグレンチまたは適切なサイズのレンチを使用し、注油孔ボルトを慎重に取り外します。過度な力は禁物で、ネジ山の損傷を避けるため、反時計回りにゆっくりと回します。
ステップ3：グリス注入 グリスガンのノズルを注油孔に差し込み、少量ずつグリスを注入します。同時に回転刃を手で回転させ、グリスが内部全体に行き渡るようにします。溢れ出るまで注入せず、適量で止めることが重要です。
ステップ4：ボルトの取付け バネ座金がある場合は装着し、注油孔ボルトを取り付けます。締め付けトルクは手の感覚で調整し、締めすぎによるネジ山損傷を避けるため注意深く作業します。
ステップ5：清拭作業 余分なグリスをウエスで完全に拭き取り、作業完了です。この段階で、ボルトの締まり具合も再確認します。
作業後は必ず試運転を行い、異音や振動がないか確認してください。初回使用時はボルトの緩みが生じやすいため、使用中の点検も重要です。
注意すべきポイントとトラブル対策
グリスアップ作業では、適切な注意点を把握することで重大なトラブルを防止できます。
⚠️ 主要な注意点とトラブル対策
| トラブル | 原因 | 対策方法 | 予防策 |
|---|---|---|---|
| ボルトの緩み | 締付不足・振動 | バネ座金使用 | 適正トルク管理 |
| ネジ山損傷 | 締めすぎ | 修理または交換 | 慎重な作業 |
| グリス入れすぎ | 過剰注入 | 余分な除去 | 少量ずつ注入 |
| 異物混入 | 清掃不足 | 分解清掃 | 事前清掃徹底 |
ボルトの緩み対策は最も重要な課題です。グリスアップ後は振動により注油孔ボルトが緩みやすくなります。バネ座金の使用や適正な締付トルクの管理により、この問題を軽減できます。
ネジ山の損傷は修理が困難な深刻なトラブルです。特にアルミ製のギアケースでは、鉄製のボルトとの硬度差により損傷しやすいため、締付けは慎重に行う必要があります。
グリスの入れすぎも問題となります。過剰なグリスは内部圧力を高め、シールの損傷やグリス漏れの原因になります。また、柔らかいグリスの場合、立てかけ保管時にクラッチ部へ流れ込む可能性もあります。
異物混入の防止は作業の基本です。土や砂が混入すると、グリスの潤滑性能が著しく低下し、逆に摩耗を促進する結果になります。作業前の清掃は十分すぎるほど行うことが重要です。
また、作業環境の選択も重要です。風の強い日や粉塵の多い場所での作業は避け、できるだけ清潔な環境で行うことをお勧めします。
さらに、使用するグリスの保管にも注意が必要です。高温多湿を避け、異物が混入しないよう密閉保管することで、グリスの品質を維持できます。
草刈機グリスアップの実践とメンテナンス
- メーカー別グリスアップのポイント
- グリスニップルの交換と管理方法
- おすすめのグリス商品比較と選択基準
- 故障を防ぐ定期メンテナンス計画
- よくあるトラブルと解決方法
- コストを抑えるメンテナンス方法
- まとめ：草刈機グリスアップ
メーカー別グリスアップのポイント
各メーカーの草刈機には、それぞれ独自の設計特徴とメンテナンス要点があります。適切な対応により、機械本来の性能を最大限に発揮できます。
🏭 主要メーカー別特徴と対応
| メーカー | 特徴 | 推奨グリス | 注意点 | 専用工具 |
|---|---|---|---|---|
| ゼノア | 高品質・高耐久 | パワーグリス | 純正品推奨 | 専用レンチ |
| 丸山製作所 | 万能設計 | BIG-M万能グリス | 汎用性重視 | 標準工具 |
| マキタ | 電動併用 | リチウムグリス | 温度管理重要 | 付属工具 |
| ハスクバーナ | プロ仕様 | 高性能グリス | 頻度調整必要 | 専用キット |
ゼノア製品は高品質で知られ、メーカー純正の「パワーグリス」の使用が強く推奨されます。価格は高めですが、機械との適合性が抜群で、長期的な信頼性を重視するなら最適な選択です。注油孔の設計も精密で、専用レンチの使用が必要な場合があります。
丸山製作所の製品は汎用性を重視した設計で、「BIG-M万能グリス」以外にも市販のリチウムグリスが使用可能です。比較的メンテナンスが容易で、初心者にも扱いやすい特徴があります。
マキタ製品は電動工具のノウハウを活かした設計で、特に温度管理が重要です。エンジン式でも比較的低温での使用を想定した設計のため、高温環境での使用時は頻度を上げる必要があります。
ハスクバーナはプロ仕様の設計で、過酷な使用環境に対応しています。そのため、一般的な25時間よりも短い間隔でのメンテナンスが推奨される場合があります。
また、海外メーカーと国内メーカーでは規格が異なる場合があります。ネジサイズや締付トルクの違いに注意し、取扱説明書の確認を怠らないことが重要です。
各メーカーとも、保証期間内は純正品の使用を強く推奨しています。社外品使用による故障は保証対象外となる可能性があるため、購入時期と保証内容を確認して選択することをお勧めします。
グリスニップルの交換と管理方法
グリスニップルはグリス注入を効率化する便利なパーツですが、適切な管理が必要です。間違った使用により重大なトラブルを招く可能性もあります。
🔩 グリスニップルの種類と特徴
| 種類 | サイズ | 用途 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| ストレートタイプ | M6×1.0 | 一般用途 | 作業性良好 | 破損リスク |
| アングルタイプ | M8×1.25 | 狭小部 | アクセス性 | 高価格 |
| ワンタッチタイプ | M6×1.0 | 頻繁使用 | 効率性 | 耐久性 |
| 低頭タイプ | M6×1.0 | スペース限定 | 省スペース | 作業性劣る |
グリスニップルの最大のメリットは作業効率の向上です。毎回ボルトを外す必要がなく、グリスガンを直接接続して注入できます。特に業務用途で頻繁にメンテナンスを行う場合には大きな時間短縮となります。
しかし、いくつかのリスクも存在します。最も深刻なのは、ニップルの破損です。頭部が折れてギアケース内に落ちた場合、内部のギアを損傷する可能性があります。このため、一部の専門家は標準的なボルトの使用を推奨しています。
取り付け時の注意点として、ネジ山の深さを確認する必要があります。ニップルが長すぎると内部のギアに接触し、短すぎると十分な密閉ができません。適切な長さのものを選択し、必要に応じてワッシャーで調整します。
管理方法として、使用後は必ずキャップを装着し、異物の侵入を防ぎます。また、定期的にニップル自体の点検を行い、変形や摩耗がないか確認することが重要です。
草刈り作業中のニップルの脱落防止も重要な課題です。作業中の振動や草との接触により緩む可能性があるため、適切な締付トルクでの固定と、作業前の点検が必要です。
交換時期の目安として、ニップル表面の摩耗や変形、グリスの漏れが確認された場合は即座に交換することをお勧めします。一般的には2～3年での交換が適切です。
おすすめのグリス商品比較と選択基準
市場には多数のグリス商品があり、適切な選択により性能とコストのバランスを最適化できます。
💰 おすすめグリス商品比較
| 商品名 | メーカー | 容量 | 価格 | 耐熱性 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 超高性能刈払機用グリース | AZ | 40g | 550円 | 150°C | ★★★★☆ |
| パワーグリス | ゼノア | 85g | 800円 | 160°C | ★★★★★ |
| 刈払機専用グリース | BOLL | 70g | 360円 | 140°C | ★★★☆☆ |
| リチウムグリース | AZ | 40g | 150円 | 120°C | ★★★☆☆ |
| ウレアグリース | AZ | 100g | 350円 | 180°C | ★★★★☆ |
AZの超高性能刈払機用グリースは、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。専用設計でありながら手頃な価格で、家庭用途には十分な性能を発揮します。ジャバラ容器で使いやすく、初心者にもお勧めです。
ゼノアのパワーグリスは最高品質の選択肢で、メーカー純正品としての安心感があります。価格は高めですが、機械との適合性が保証されており、プロ仕様の性能を発揮します。ノズル先端が細く設計されており、作業性も良好です。
BOLLの刈払機専用グリースは低価格帯の製品で、基本的な潤滑性能を重視した商品です。頻繁にグリス交換を行う場合や、コストを重視する場合に適しています。
選択基準のポイントとして、まず使用環境の最高温度を考慮します。一般的な家庭用途なら120°C対応で十分ですが、業務用や夏場の連続使用なら150°C以上の耐熱性が必要です。
コストパフォーマンスも重要な要素です。高価な純正品を年1回使用するより、中級品を適切な頻度で交換する方が結果的に機械の保護効果が高い場合もあります。
容量の選択では、使用頻度を考慮します。年数回の使用なら40g程度で十分ですが、業務用途なら100g以上の大容量品が経済的です。ただし、開封後の保管期間が長くなると品質劣化のリスクがあります。
故障を防ぐ定期メンテナンス計画
草刈機の長期的な信頼性確保には体系的なメンテナンス計画が不可欠です。グリスアップ以外の項目も含めた包括的な管理により、突然の故障を防げます。
📅 年間メンテナンススケジュール
| 時期 | 作業内容 | 所要時間 | 重要度 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|
| 春（使用開始前） | 全体点検・グリスアップ | 30分 | 高 | 500円 |
| 初夏（25時間後） | グリスアップ・フィルター清掃 | 20分 | 高 | 300円 |
| 夏（高負荷期） | 冷却系点検・グリス確認 | 15分 | 中 | 200円 |
| 秋（使用終了前） | 総合点検・冬季保管準備 | 45分 | 高 | 800円 |
春の使用開始前点検では、冬季保管中に発生した問題の確認と、新シーズンに向けた準備を行います。グリスアップに加え、燃料系統の確認、エアフィルターの清掃、刃の点検を実施します。
初夏の定期メンテナンスは、使用時間に基づく標準的なグリスアップです。この時期は気温上昇前のため、グリスの状態確認に最適です。同時にエアフィルターの清掃も行い、エンジン性能を維持します。
夏の高負荷期点検では、高温環境での使用による影響を確認します。グリスの状態確認と、必要に応じた追加注入を行います。冷却フィンの清掃も重要で、オーバーヒート防止に効果的です。
秋の総合点検は最も重要で、使用シーズン終了と冬季保管に向けた包括的な確認を行います。グリスアップに加え、燃料の抜き取り、各部ボルトの締め直し、防錆処理を実施します。
記録の重要性も強調したい点です。各メンテナンスの実施日、使用時間、交換部品、気づいた点などを記録することで、機械の状態変化を把握できます。
予防的交換の考え方も重要です。部品が完全に壊れる前の交換により、二次的な損傷を防げます。特にグリスやフィルター類は消耗品として定期交換を心がけることをお勧めします。
よくあるトラブルと解決方法
草刈機のトラブルの多くは適切な知識と対処法により自分で解決できます。早期発見と適切な対応により、大きな故障を防げます。
🔧 トラブル事例と解決方法
| トラブル症状 | 可能性の高い原因 | 解決方法 | 予防策 |
|---|---|---|---|
| ギアケースからの異音 | グリス不足・劣化 | グリス交換 | 定期メンテナンス |
| 回転力の低下 | ギア摩耗・グリス過多 | 分解清掃 | 適量注入 |
| グリス漏れ | シール劣化・圧力過多 | シール交換 | 適正量管理 |
| 注油孔ボルト脱落 | 締付不足・疲労 | ボルト交換 | バネ座金使用 |
異音の発生は最も一般的なトラブルです。「ガラガラ」という音はグリス不足による金属接触、「ウィーン」という音はベアリングの問題を示唆します。早期発見により、簡単なグリス交換で解決できる場合が多いです。
回転力の低下は複数の原因が考えられます。グリス不足による摩擦増加の他、逆にグリスの入れすぎによる抵抗増加もあります。また、異物混入により内部部品が損傷している可能性もあります。
グリス漏れは見た目にも分かりやすいトラブルです。シールの劣化が主な原因ですが、グリスの入れすぎによる内圧上昇も要因となります。放置すると異物の侵入や潤滑不足を招きます。
注油孔ボルトの脱落は、グリスアップ作業と密接に関連したトラブルです。締付不足や材質の疲労により発生し、内部への異物侵入リスクを高めます。
応急処置の方法として、作業中に異音が発生した場合は即座に使用を停止し、安全な場所で点検を行います。グリス漏れを発見した場合は、漏れた部分を清拭し、応急的にウエスで保護します。
専門業者への相談が必要な症状として、内部からの金属音、激しい振動、明らかな部品の変形などがあります。これらの症状は素人での修理が困難で、二次的な損傷を招く可能性があります。
トラブル防止の基本は、日常の観察と定期メンテナンスです。使用前後の簡単な点検習慣により、多くのトラブルを未然に防げます。
コストを抑えるメンテナンス方法
適切な知識と工夫により、メンテナンス費用を大幅に削減しながら機械の性能を維持できます。
💡 コスト削減のポイント
| 項目 | 標準コスト | 節約方法 | 削減効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| グリス代 | 年2,000円 | 大容量購入 | 30%削減 | 保管期間注意 |
| 工具代 | 5,000円 | 汎用品活用 | 50%削減 | 品質確認必要 |
| 部品代 | 年3,000円 | 予防交換 | 40%削減 | 適切な時期判断 |
| 作業代 | 年10,000円 | 自分で実施 | 80%削減 | 技術習得必要 |
グリス購入の工夫として、大容量品の購入や複数人での共同購入が効果的です。100g～400g容量の製品は、小容量品より単価が安く、年間使用量が多い場合は大幅な節約になります。
工具の賢い選択では、専用品にこだわらず汎用品を活用することで費用を抑えられます。特にレンチ類は標準的なものでも十分機能し、複数の機械に共用できます。
予防的メンテナンスの経済効果は非常に大きく、小さな費用で大きな故障を防げます。例えば、500円のグリス交換により2万円のギアケース交換を回避できる場合があります。
DIYメンテナンスの推進により、作業費を大幅に削減できます。基本的なグリスアップ作業は特別な技術が不要で、初心者でも安全に実施できます。
中古部品の活用も選択肢の一つです。注油孔ボルトやワッシャー類は中古品でも十分機能し、新品の半額以下で入手できる場合があります。
保証期間の有効活用により、無償修理の機会を最大限に活用します。保証期間内は純正品とメーカー推奨手順での作業が必要ですが、適切なメンテナンス記録により保証対応を受けやすくなります。
年間予算の設定により、計画的なメンテナンスが可能になります。一般的な家庭用途なら年間3,000円～5,000円程度の予算で十分な維持管理ができます。
まとめ：草刈機グリスアップ
最後に記事のポイントをまとめます。
- 草刈機のグリスアップは25時間ごとの実施が基本である
- 適切なグリス選択により機械の寿命を大幅に延ばせる
- リチウムグリスは家庭用、ウレアグリスは業務用に適している
- グリスガンは小型で取り回しの良いものを選ぶ
- 作業前の清掃により異物混入を防止できる
- 注油孔ボルトの締めすぎはネジ山損傷の原因となる
- バネ座金の使用によりボルトの緩みを防げる
- メーカー純正グリスは価格が高いが最も安全である
- グリスニップルは便利だが破損リスクを考慮する必要がある
- 定期的な記録により機械の状態変化を把握できる
- 異音や振動は早期対応により大きな故障を防げる
- 予防的メンテナンスは結果的にコスト削減につながる
- 年間メンテナンス計画により体系的な管理が可能である
- DIY作業により大幅な費用削減ができる
- 適切な保管により部品の劣化を防げる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.youtube.com/watch?v=SC1eWvPF5Hc
- https://m.youtube.com/watch?v=q2J-j2j-_TI&pp=ygUcI-iNieWIiOapn-ODoeODs-ODhuODiuODs-OCuQ%3D%3D
- https://www.youtube.com/watch?v=8Gvz_lf0jwg
- http://chainsawhonpo.blog.fc2.com/blog-entry-977.html
- https://www.youtube.com/watch?v=iKCmcteyplA
- https://www.amazon.co.jp/%E8%8D%89%E5%88%88%E3%82%8A%E6%A9%9F-%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97/s?k=%E8%8D%89%E5%88%88%E3%82%8A%E6%A9%9F+%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97
- https://www.agriz.net/servicect/index.html/2019/04/17/bcgreece/
- https://kikoriagri.jp/blogs/%E5%8B%95%E7%94%BB/%E5%88%88%E6%89%95%E3%81%84%E6%A9%9F%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9-%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E7%B7%A8
- https://ameblo.jp/teammho/entry-12755257028.html
- https://kikaim.com/krguri.html
