草刈り作業を始めようとしたとき、「エンジンがかからない」「何度引いてもうまくいかない」といった経験はありませんか?草刈機のエンジン始動は、正しい手順とコツを覚えれば誰でも簡単にできるようになります。この記事では、初心者の方でも迷わずエンジンをかけられる基本的な手順から、トラブルが起きた時の対処法まで詳しく解説します。
また、燃料の準備方法やプライマーポンプの操作、チョークレバーの使い方など、草刈機を安全かつ効率的に使うための重要なポイントも併せてご紹介。さらに、メーカー別の違いや季節による始動方法の変化についても触れているため、どんな状況でも対応できる知識が身につきます。
この記事のポイント |
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✅ 草刈機エンジンの基本的なかけ方5ステップ |
✅ エンジンがかからない時の原因と対処法 |
✅ 燃料準備とプライマーポンプの正しい操作方法 |
✅ チョークレバーの適切な使い方とタイミング |
草刈機エンジンのかけ方【基本編】
- 草刈機エンジンのかけ方は5つのステップで完了する
- エンジン始動前の燃料準備が最重要ポイント
- プライマーポンプの正しい操作でエンジンがかかりやすくなる
- チョークレバーの開閉タイミングが成功の鍵
- リコイルスターターは勢いよく一気に引くことが大切
- エンジンが冷えている時の始動方法は特別な手順が必要
草刈機エンジンのかけ方は5つのステップで完了する
草刈機のエンジン始動は、正しい手順を踏めば5つのステップで簡単に完了します。多くの初心者の方が「何度やってもエンジンがかからない」と悩んでいますが、実はちょっとした手順の違いが原因であることがほとんどです。
🔧 基本的なエンジン始動の5ステップ
ステップ | 作業内容 | 重要度 |
---|---|---|
1 | 燃料の確認と給油 | ★★★ |
2 | プライマーポンプを7〜10回押す | ★★★ |
3 | チョークレバーを「閉」にする | ★★★ |
4 | エンジンスイッチを「ON」にする | ★★☆ |
5 | リコイルスターターを引く | ★★★ |
まず、安全な場所での作業確認が大切です。給油した場所から3メートル以上離れた平らな地面で、周りに障害物がない場所を選びましょう。この安全確認を怠ると、火災や怪我の原因となる可能性があります。
次に、各ステップを確実に実行することが重要です。順番を間違えたり、工程を飛ばしたりすると、エンジンがかからないだけでなく、故障の原因にもなりかねません。特に、プライマーポンプとチョークレバーの操作は、多くの方が見落としがちなポイントです。
エンジンが始動したら、必ずチョークレバーを「開」の位置に戻すことを忘れずに。チョークを閉じたままにしておくと、燃料が濃すぎてエンジンの調子が悪くなったり、停止してしまったりする原因となります。
最後に、エンジンが安定して回転していることを確認してから作業を開始しましょう。アイドリングが不安定な場合は、少し暖機運転をしてからスロットルを操作することをおすすめします。
エンジン始動前の燃料準備が最重要ポイント
草刈機のエンジン始動において、燃料の準備は最も重要なポイントです。適切な燃料を使用していなければ、どんなに正しい手順を踏んでもエンジンはかかりません。また、燃料の劣化や混合比の間違いは、エンジンの故障や焼き付きといった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
⛽ 燃料の種類と特徴
エンジンタイプ | 使用燃料 | 混合比 | 特徴 |
---|---|---|---|
2サイクルエンジン | 混合燃料 | 50:1または25:1 | 軽量でパワフル |
4サイクルエンジン | 無鉛ガソリン | 混合なし | 燃費が良く排ガスがクリーン |
2サイクルエンジンの混合燃料は、無鉛ガソリンに2サイクル専用オイル(FC級またはFD級)を正確な比率で混合したものを使用します。間違った比率の燃料を使用すると、エンジンが焼き付きを起こし、修理不可能になる場合もあります。
燃料の新鮮さも重要な要素です。古くなった混合燃料は始動性が悪く、エンジンの不調や故障の原因となります。混合燃料は1回で使い切る量だけ作り、長期保管は避けましょう。おそらく1週間以上使用しない場合は、燃料タンクから混合燃料を抜き取ることが推奨されます。
給油時の注意点として、燃料キャップを開ける前に静電気を除去し、こぼれた燃料は必ず拭き取ってください。また、給油中は絶対に喫煙したり、火気を近づけたりしないよう注意が必要です。
市販の混合燃料を使用する場合は、使用期限と混合比を必ず確認してから購入しましょう。ホームセンターで手軽に購入できる混合燃料は、初心者の方には特におすすめです。
プライマーポンプの正しい操作でエンジンがかかりやすくなる
プライマーポンプは、燃料タンクからキャブレターに燃料を送り込む重要な装置です。この操作を適切に行うことで、エンジンの始動性が格段に向上します。多くの初心者の方がこの工程を軽視しがちですが、実はエンジン始動の成功率を大きく左右する重要なポイントなのです。
🔄 プライマーポンプの効果的な操作方法
操作回数 | 目的 | 確認ポイント |
---|---|---|
7〜10回 | 燃料をキャブレターに送る | 燃料の色が変わる |
追加で数回 | 気泡を完全に除去 | ホース内の気泡がなくなる |
プライマーポンプを押す際は、親指で確実に押し込み、燃料がホースを通って流れていることを目視で確認しましょう。最初は透明だったホースに燃料の色が現れ、やがて気泡がなくなるまで継続します。気泡が残っていると、エンジンに十分な燃料が供給されません。
操作のコツとして、一定のリズムで押し続けることが大切です。急いで押したり、間隔が開きすぎたりすると、効率的に燃料を送ることができません。また、ポンプを押している間に燃料の流れが見えない場合は、燃料切れやフィルターの詰まりを疑う必要があります。
寒い季節では、燃料の粘度が高くなるため、通常よりも多くプライマーポンプを押す必要があるかもしれません。おそらく気温が低い日は、15回程度押しても問題ないでしょう。
プライマーポンプの故障や劣化が疑われる場合は、専門店での点検をおすすめします。ひび割れや硬化したポンプでは、十分な燃料供給ができず、始動不良の原因となります。
チョークレバーの開閉タイミングが成功の鍵
チョークレバーの操作は、エンジン始動の成功を左右する最も重要な要素の一つです。多くの方が「チョークを閉じればエンジンがかかる」と思い込んでいますが、実はタイミングと調整が非常に重要なのです。間違った使い方をすると、かえってエンジンがかかりにくくなってしまいます。
🎛️ チョークレバーの適切な使い方
エンジンの状態 | チョーク設定 | 操作タイミング |
---|---|---|
冷えている時 | 閉(ON) | 始動時 |
暖機後 | 開(OFF) | エンジンがかかった後 |
暖かい時 | 半開〜開 | 状況に応じて調整 |
冷えたエンジンの場合、チョークを完全に閉じて燃料を濃くします。しかし、ここで重要なのは**「初爆」が聞こえたらすぐにチョークを開く**ことです。初爆とは、エンジン内部で最初の燃焼が起こった時の「ボボッ」という音のことで、この音が聞こえたらチョークを開いて再度スターターを引きます。
チョークを閉じすぎる問題として、燃料が濃くなりすぎてスパークプラグが「燃料かぶり」を起こすことがあります。この状態になると、プラグが燃料で濡れてしまい、火花が飛ばなくなってしまいます。燃料かぶりを起こした場合は、プラグを取り外して清掃する必要があります。
気温による調整も重要なポイントです。真夏の暑い日であれば、チョークを4分の1程度しか閉じなくても十分エンジンがかかります。逆に真冬の寒い日は、完全に閉じても問題ないでしょう。
実際の作業では、チョークを段階的に調整することが効果的です。まず開いた状態で試し、かからなければ少しずつ閉じていく方法で、最適なポジションを見つけられます。
リコイルスターターは勢いよく一気に引くことが大切
リコイルスターターの引き方は、エンジン始動の成否を決める重要な技術です。多くの初心者の方が「ゆっくり丁寧に引けば良い」と思いがちですが、実は勢いよく一気に引くことが重要なのです。正しい引き方をマスターすれば、エンジン始動の成功率が格段に向上します。
💪 効果的なリコイルスターターの引き方
引き方の種類 | 効果 | 注意点 |
---|---|---|
勢いよく一気に引く | 高い圧縮力でエンジン始動 | 怪我をしないよう注意 |
ゆっくり引く | 圧縮不足で始動困難 | エンジンがかからない |
途中で止める | 逆回転の危険性 | ロープが絡む可能性 |
正しい引き方の手順として、まずロープを軽く引いて圧縮の抵抗を感じ取ります。硬くなったところから一気に引き上げることで、エンジン内部に十分な圧縮力を与えることができます。この時、ロープを途中で止めたり、ゆっくり戻したりしないよう注意が必要です。
安全な姿勢も重要なポイントです。草刈機を地面に置き、自分の体重で機械をしっかりと押さえながら引きます。片手で機械を持ちながら引くのは危険で、機械が暴れて怪我をする可能性があります。
ロープを引く回数にも注意が必要です。2〜3回引いてもエンジンがかからない場合は、一度チョークの設定を見直しましょう。むやみに何十回も引き続けると、スパークプラグの燃料かぶりを起こしたり、エンジンに負担をかけたりする原因となります。
足場の悪い場所でエンジンをかける場合は、チップソーを地面につけて安定させ、後ろのハンドルを握った状態で引きます。この時、絶対にアクセルレバーを握らないよう注意してください。
エンジンが冷えている時の始動方法は特別な手順が必要
冷えたエンジンの始動は、暖かい状態のエンジンとは異なる特別な配慮が必要です。特に寒い季節や朝一番の作業では、通常の手順だけではエンジンがかからないことがよくあります。冷間始動のコツを覚えることで、どんな季節でもスムーズに作業を開始できるようになります。
❄️ 冷間始動時の特別な手順
作業項目 | 通常時 | 冷間時 | 理由 |
---|---|---|---|
プライマーポンプ | 7〜10回 | 10〜15回 | 燃料の粘度が高い |
チョーク設定 | 半開〜全閉 | 全閉 | 濃い混合気が必要 |
暖機時間 | 1〜2分 | 3〜5分 | エンジン温度の安定 |
冷間時の「初爆」を意識することが、成功への鍵となります。初爆とは、エンジン内部で最初の燃焼が起こることで、この現象が起きやすい環境を作ることが重要です。チョークを全閉にして燃料を濃くし、十分なプライミングを行うことで、初爆が起きやすくなります。
寒い季節の特別な注意点として、燃料の温度も考慮する必要があります。おそらく極端に寒い環境では、燃料タンクごと室内で保管したり、使用前に少し温めたりすることで始動性が改善されるかもしれません。
暖機運転の重要性も忘れてはいけません。冷間始動に成功したら、すぐに作業を始めるのではなく、3〜5分程度のアイドリングでエンジンを十分に暖めましょう。急激な負荷をかけると、エンジンの寿命を縮める原因となります。
エンジンがかかった後は、チョークを段階的に開いていくことも大切です。一気に全開にすると、エンジンが停止してしまう可能性があります。徐々に開きながら、エンジンの回転が安定するのを確認しましょう。
草刈機エンジンのかけ方【トラブル対策編】
- 草刈機エンジンがかからない原因は燃料トラブルが8割
- スパークプラグの汚れが原因でエンジンが始動しない場合の対処法
- チョークを使わないとエンジンがかからない理由
- キャブレターの詰まりでエンジンが止まる症状の解決方法
- 寒い時期の草刈機エンジン始動は初爆を意識する
- 草刈機メーカー別のエンジンかけ方の違いを理解する
- まとめ:草刈機エンジンのかけ方は手順を守れば誰でもできる
草刈機エンジンがかからない原因は燃料トラブルが8割
草刈機のエンジンがかからない場合、その原因の約8割は燃料に関するトラブルです。多くの方が複雑な故障を疑いがちですが、実は燃料の問題を解決するだけで、ほとんどのケースが改善されます。燃料トラブルの種類と対処法を理解することで、素早く問題を解決できるようになります。
⚠️ 主な燃料トラブルと対処法
トラブルの種類 | 症状 | 対処法 | 予防策 |
---|---|---|---|
燃料切れ | エンジンが全くかからない | 新しい燃料を給油 | 使用前の燃料確認 |
燃料の劣化 | かかりにくい、不安定 | 燃料の全交換 | 使い切り量で作成 |
混合比間違い | 白煙、異音 | 正しい燃料に交換 | 計量の徹底 |
燃料系統の詰まり | 途中で止まる | 清掃・交換 | 定期メンテナンス |
燃料切れは最も基本的な問題ですが、意外に見落としがちです。特に2サイクルエンジンでガソリンだけを入れてしまうと、エンジンが焼き付きを起こし、修理不可能になる可能性があります。必ず正しい混合燃料を使用しましょう。
燃料の劣化は、長期保管による最も一般的な問題です。混合燃料は空気に触れると酸化し、粘性が高くなってキャブレターを詰まらせます。開封後1週間以上経過した燃料は使用しないことが重要です。劣化した燃料を使い続けると、エンジン内部にカーボンが蓄積し、性能低下の原因となります。
混合比の間違いも深刻な問題です。25:1のエンジンに50:1の燃料を使用すると、オイル不足でエンジンが焼き付く可能性があります。逆の場合は、過度な白煙や性能低下が発生します。混合燃料を自作する場合は、正確な計量が必要不可欠です。
燃料系統の詰まりは、燃料フィルターやキャブレター内部の清掃で改善されることがほとんどです。しかし、内部の分解清掃は専門知識が必要なため、自信がない場合は専門店に依頼することをおすすめします。
スパークプラグの汚れが原因でエンジンが始動しない場合の対処法
スパークプラグは、燃料に点火するための重要な部品で、汚れや劣化によってエンジンの始動不良を引き起こします。特にカーボン汚れの蓄積は、火花の強度を弱め、最終的には点火しなくなってしまいます。適切なメンテナンスを行うことで、エンジンの始動性と性能を維持できます。
🔌 スパークプラグのトラブル診断
汚れの種類 | 外観 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|---|
カーボン汚れ | 黒いすす状の付着 | 燃料が濃い、不完全燃焼 | ワイヤーブラシで清掃 |
オイル汚れ | 湿った黒い汚れ | オイル混合比が濃い | 新品に交換 |
燃料かぶり | 濡れた状態 | チョーク使いすぎ | 乾燥後再使用 |
電極摩耗 | 電極部分の変形 | 長期使用 | 新品に交換 |
スパークプラグの点検は25時間使用を目安に行いましょう。エンジンを停止し、完全に冷えてからプラグレンチを使って取り外します。プラグの状態を確認することで、エンジンの調子や燃料の状態も把握できます。
清掃方法として、軽微なカーボン汚れであればワイヤーブラシで丁寧に清掃します。頑固な汚れの場合は、パーツクリーナーを使用し、最後にライターなどの火であぶって乾燥させます。清掃後は電極の隙間(ギャップ)を確認し、適正値に調整することも重要です。
燃料かぶりの場合は、プラグを取り外して完全に乾燥させます。この間に燃料タンクの換気も行い、エンジン内部の過剰な燃料を排出させましょう。30分程度放置してから再度取り付けることで、正常な始動が期待できます。
予防策として、適切な燃料の使用とチョークの正しい操作が重要です。また、定期的なプラグ交換(一般的には年1回程度)により、常に良好な始動性を維持できます。予備のプラグを常備しておくと、急なトラブルにも対応できて安心です。
チョークを使わないとエンジンがかからない理由
チョークは、エンジン始動時に混合気を濃くするための重要な装置です。多くの初心者の方が「チョークなしでもエンジンがかかる」と思いがちですが、特に冷間時や久しぶりの使用時には必須の操作となります。チョークの仕組みと必要性を理解することで、確実なエンジン始動が可能になります。
🌡️ チョークが必要な状況と理由
状況 | チョークの必要性 | 理由 |
---|---|---|
冷間始動 | 必須 | 燃料の気化が不十分 |
暖機後の再始動 | 不要〜軽微 | エンジンが温まっている |
久しぶりの使用 | 必須 | 燃料系統内の燃料不足 |
高地での使用 | 強化が必要 | 空気密度の変化 |
エンジンが冷えている状態では、燃料が十分に気化せず、空気との混合が不完全になります。チョークは空気の流入を制限して燃料を濃くすることで、この問題を解決します。チョークなしでは、希薄な混合気では点火せず、エンジンがかからない状態が続きます。
燃料系統の空気混入も、チョークが必要な理由の一つです。長期間使用していない草刈機では、燃料配管内に空気が入り込み、適切な燃料供給ができない状態になります。チョークによって強制的に燃料を吸い上げることで、この問題が解決されます。
温度による燃料特性の変化も重要な要因です。低温時には燃料の粘度が高くなり、気化しにくくなります。チョークによる燃料濃度の調整で、温度変化に対応した最適な混合気を作ることができます。
実際の作業では、エンジンの状態を見極めて適切にチョークを調整することが大切です。暖かいエンジンにチョークを使いすぎると、逆に燃料が濃くなりすぎてかかりにくくなります。初爆が聞こえたらすぐにチョークを開くというタイミングが、成功の鍵となります。
キャブレターの詰まりでエンジンが止まる症状の解決方法
キャブレターは、燃料と空気を適切な比率で混合してエンジンに供給する重要な装置です。この部分が詰まると、エンジンがかかってもすぐに止まってしまったり、回転が不安定になったりする症状が現れます。キャブレターのトラブルは、適切な対処により改善できることがほとんどです。
🔧 キャブレタートラブルの症状と対処法
症状 | 原因 | 対処法 | 難易度 |
---|---|---|---|
エンジンがすぐ止まる | メインジェットの詰まり | 分解清掃 | 高 |
回転が不安定 | アイドルジェットの詰まり | エアブロー清掃 | 中 |
加速しない | 燃料通路の詰まり | キャブクリーナー使用 | 中 |
始動できない | 完全な詰まり | 専門店での分解清掃 | 高 |
キャブレターの詰まりの主な原因は、古い燃料の長期滞留です。混合燃料が劣化すると、ゴム状の沈殿物や結晶が形成され、細い燃料通路を塞いでしまいます。特に1ヶ月以上燃料を入れたまま保管した場合、この問題が発生しやすくなります。
軽微な詰まりの対処法として、市販のキャブレタークリーナーを使用する方法があります。エンジンを止めた状態で、エアクリーナーを外してキャブレターに直接スプレーします。30分程度放置してから、通常の手順でエンジンを始動してみましょう。
外部からの清掃では解決しない場合、分解清掃が必要となります。しかし、キャブレターの分解は精密な作業で、素人が行うとかえって故障を悪化させる可能性があります。ジェット類の順番を間違えたり、ガスケットを破損したりするリスクがあるため、不安な場合は専門店に依頼することをおすすめします。
予防策として、使用後は必ず燃料を抜き取り、空運転で燃料系統を空にすることが重要です。また、定期的な燃料フィルターの交換により、異物の侵入を防ぐことができます。新鮮な燃料の使用を心がけることで、キャブレターの詰まりを大幅に減らすことができます。
寒い時期の草刈機エンジン始動は初爆を意識する
寒い季節の草刈機エンジン始動では、「初爆」という現象を理解し、意識的に起こすことが成功の鍵となります。初爆とは、エンジン内部で最初の燃焼が起きることで、この現象をうまく誘発できれば、その後のエンジン始動がスムーズに行えます。
❄️ 初爆を起こすための条件
要素 | 寒冷時の設定 | 通常時との違い | 重要度 |
---|---|---|---|
チョーク | 完全に閉じる | より濃い混合気 | ★★★ |
プライミング | 15〜20回 | 回数を増やす | ★★★ |
燃料温度 | 室温程度 | 事前に温める | ★★☆ |
引く回数 | 3〜5回で判断 | 早めの切り替え | ★★☆ |
初爆の音を聞き分けることが重要です。「ボボッ」「ポンッ」といった短い爆発音が聞こえたら、すぐにチョークを開の位置に戻し、再度リコイルスターターを引きます。このタイミングを逃すと、燃料が濃くなりすぎて逆にかかりにくくなってしまいます。
寒冷時の特別な準備として、草刈機本体を少しでも暖かい場所に保管することが効果的です。おそらく前日から室内に入れておくだけでも、始動性が大幅に改善されるでしょう。また、燃料も使用直前まで温かい場所で保管することで、粘度を下げ、流動性を良くすることができます。
燃料の濃度調整も寒冷時には重要です。通常よりもチョークをしっかりと閉じ、燃料を濃くすることで、低温でも点火しやすい条件を作ります。ただし、初爆後は速やかにチョークを開き、適切な混合比に戻すことが必要です。
暖機運転の重要性も忘れてはいけません。初爆に成功してエンジンが始動したら、5分程度のアイドリングでエンジン全体を温めましょう。急激な負荷をかけると、金属部品の熱膨張差によるトラブルが発生する可能性があります。
草刈機メーカー別のエンジンかけ方の違いを理解する
草刈機のメーカーによって、エンジンの始動方法や操作手順に微妙な違いがあります。基本的な原理は同じですが、スイッチの位置や操作方法、安全装置の種類などが異なるため、使用する機種に応じた正しい手順を理解することが重要です。
🏭 主要メーカー別の特徴
メーカー | 特徴的な機能 | 始動のポイント | 注意事項 |
---|---|---|---|
マキタ | 簡単始動機能 | 軽い力で引ける | 専用燃料推奨 |
丸山製作所 | プライマーポンプ重視 | 十分なプライミング | チョーク操作が重要 |
タナカ | 安全装置充実 | スイッチ確認必須 | 複数の安全装置 |
共立 | 耐久性重視 | 標準的な手順 | メンテナンス性良好 |
マキタの草刈機は、独自の簡単始動システムを採用している機種が多く、通常よりも軽い力でリコイルスターターを引くことができます。ただし、専用の混合燃料の使用が推奨されており、他社の燃料では性能が発揮されない場合があります。
**丸山製作所(BIGM)**の製品は、プライマーポンプの操作が特に重要です。燃料の色が変わるまで確実にポンプを押し、気泡を完全に除去することが始動成功の鍵となります。また、チョークレバーの操作タイミングが他社製品と若干異なる場合があります。
**タナカ(現在はHiKOKI)**の草刈機は、安全装置が充実している特徴があります。複数のスイッチや安全装置があるため、すべての設定を確認してからエンジン始動を行う必要があります。安全性は高いですが、手順を間違えると始動できません。
メーカー固有の機能を理解することで、より効率的な操作が可能になります。例えば、自動チョーク機能付きの機種では、手動でのチョーク操作が不要な場合があります。必ず取扱説明書を確認し、その機種特有の操作方法を覚えましょう。
部品の互換性についても注意が必要です。スパークプラグや燃料フィルターなどの消耗品は、メーカー指定の純正品を使用することで、最適な性能を発揮できます。
まとめ:草刈機エンジンのかけ方は手順を守れば誰でもできる
最後に記事のポイントをまとめます。
- 草刈機エンジンの基本的なかけ方は5つのステップで構成されている
- 燃料の準備が最重要で、適切な混合燃料の使用が必須である
- プライマーポンプは7〜10回押して燃料をキャブレターに送り込む
- チョークレバーは冷間時に閉じ、初爆後すぐに開くことが重要である
- リコイルスターターは勢いよく一気に引くことで始動成功率が向上する
- エンジンがかからない原因の8割は燃料トラブルが占めている
- スパークプラグの汚れは25時間使用を目安に点検・清掃が必要である
- 寒い時期は初爆を意識したチョーク操作と十分な暖機運転が重要である
- キャブレターの詰まりは古い燃料の長期滞留が主な原因である
- メーカーによって操作手順や安全装置に違いがあるため説明書確認が必要である
- 燃料は使い切り量で作成し、1週間以上の保管は避けるべきである
- 安全な場所での作業と適切な姿勢でのエンジン始動が事故防止につながる
- 定期的なメンテナンスがエンジンの長寿命化と始動性向上に効果的である
- トラブル時は無理をせず専門店への相談が適切な判断である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://m.youtube.com/watch?v=T4AkBl1HLOs
- https://www.youtube.com/watch?v=bp4rRtzl4ow
- https://maruyama-support.jp/big-m/425/
- https://kikoriagri.jp/blogs/%E5%8B%95%E7%94%BB/%E5%88%88%E6%89%95%E3%81%84%E6%A9%9F%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%91%E6%96%B9-%E5%88%9D%E5%BF%83%E8%80%85%E5%BF%85%E8%A6%8B%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
- https://blog.jnito.com/entry/2019/05/24/113805
- https://meetsmore.com/services/cutting-grass/media/86394
- https://www.hikoki-powertools.jp/relation/safety/grasstrimmer/grasstrimmer.html
- https://note.com/ryutaro0306/n/n9c592db3da12
- https://www.ec.boku-nou.jp/2024/11/%E8%8D%89%E5%88%88%E6%A9%9F-16/
- https://www.kyocera-industrialtools.co.jp/support/faq/products/home/cat36/cat164/cat503/001148.html