ルートンとメネデールを徹底比較！併用は危険？失敗しない発根促進剤の正しい使い方｜アグリアライブ：農業・農家・家庭菜園・水耕栽培・庭園・盆栽・植物

挿し木や発根促進を考える際に必ずと言っていいほど名前が挙がる「ルートン」と「メネデール」。どちらも発根促進に効果があるとされていますが、実は全く異なる特徴を持つ薬剤であることをご存知でしょうか。この記事では、多くの園芸愛好家が疑問に思う両者の違いや正しい使い方について詳しく解説します。

特に注目すべきは、ルートンのつけすぎが植物にとって致命的な結果をもたらす可能性があるという事実です。多くの情報源では「つけすぎに注意」程度の記載しかありませんが、実際には切り口を塞いで植物を酸欠状態にしてしまう深刻なリスクが存在します。一方、メネデールは比較的安全性が高く、食用作物にも使用できる活力剤として位置づけられています。

この記事のポイント
✅ ルートンとメネデールの成分と効果の根本的な違い
✅ ルートンのつけすぎが引き起こす致命的なリスクの詳細
✅ 正しい併用方法と使用量の具体的な指針
✅ 植物の種類や季節による使い分けのコツ

ルートンとメネデールの基本的な違いと特徴

ルートンとメネデールの成分と効果の違いを理解することが重要
メネデールは鉄分補給の活力剤、ルートンは植物ホルモン剤
ルートンのつけすぎは植物を酸欠状態にする致命的なリスクがある
メネデールは継続使用で効果を実感、安全性が高い
食用作物にはメネデールのみ使用可能、ルートンは使用禁止
多肉植物では無処理が最も効果的な場合もある

ルートンとメネデールの成分と効果の違いを理解することが重要

園芸初心者の多くが混同しがちなルートンとメネデールですが、両者は全く異なる作用機序を持つ薬剤です。この違いを理解せずに使用すると、期待した効果が得られないばかりか、植物にダメージを与えてしまう可能性があります。

🔬 成分比較表

項目	ルートン	メネデール
主成分	α-ナフチルアセトアミド	二価鉄イオン
分類	植物ホルモン剤	活力剤
作用	強制的な発根促進	鉄分補給による健全育成
効果の現れ方	即効性あり	継続使用で効果実感

ルートンは植物が自然に分泌する発根ホルモン「オーキシン」の合成物質であるα-ナフチルアセトアミドを含む植物ホルモン剤です。この成分は植物の細胞分裂を促進し、強制的に発根を促す効果があります。まさに「科学が生んだ魔法の粉」と呼べる存在で、使用すると茎の至る所から根っこがもりもりと出てくる様子が観察できます。

一方、メネデールは植物の生長に必要な鉄分を、植物が吸収しやすい二価鉄イオンの形で含んでいる活力剤です。この鉄分は植物の葉緑体の形成に不可欠で、不足すると光合成ができなくなる恐れがあります。メネデールに含まれる二価鉄イオンは、植物が直接吸収できる形態であるため、エネルギーを消費せずに利用することができます。

重要なポイントとして、メネデールは肥料とは異なり、植物が消耗している時期でも使用できます。植物にとって体調が悪い時のお粥のような存在と考えると理解しやすいでしょう。また、メネデールは他の肥料と併用することも可能で、年間を通して使用できる利点があります。

メネデールは鉄分補給の活力剤、ルートンは植物ホルモン剤

両者の最も重要な違いは、メネデールが栄養補給を目的とした活力剤であるのに対し、ルートンが植物の成長をコントロールするホルモン剤である点です。この根本的な違いを理解することで、適切な使い分けが可能になります。

📊 作用メカニズムの違い

作用段階	メネデール	ルートン
吸収段階	根から二価鉄イオンを直接吸収	切り口から成分が浸透
体内作用	葉緑体形成を促進	細胞分裂を強制的に促進
効果発現	全体的な健康状態の改善	特定部位からの強制発根
持続性	継続使用で安定効果	一時的な強力効果

メネデールの鉄分は、一般的な土壌に含まれている三価鉄イオンとは異なり、植物が吸収しやすい二価鉄イオンの形態になっています。通常、植物は根から酵素を出して三価鉄を二価鉄に変換してから吸収していますが、メネデールを使用することで、この変換のプロセスを省くことができます。

ルートンに含まれるα-ナフチルアセトアミドは、植物がもともと自分自身の細胞たちに「発根せよ！」と指令を出すときに分泌する植物ホルモン「オーキシン」を人工的に作った合成オーキシンの一種です。そのため、これを植物に与えると強制的に発根が促進されるという驚くべき効果を発揮します。

ただし、ホルモン剤であるルートンは過剰に使用すると植物の成長が乱れてしまったり、奇形が生じてしまったりする可能性があります。また、後述するように切り口を塞いで致命的な状況を引き起こすリスクも存在するため、使用には十分な注意が必要です。

活力剤と肥料の違いについても触れておくと、メネデールは「活力剤」に分類されます。これは肥料取締法という法律で定められた成分の含有量に満たないもので、植物にとって水が「ごはん」、肥料が「おかず」だとすると、活力剤は「サプリメント」のような位置づけになります。

ルートンのつけすぎは植物を酸欠状態にする致命的なリスクがある

多くの園芸書やブログで「ルートンはつけすぎに注意」という記載を目にしますが、具体的にどの程度が「つけすぎ」なのか、なぜ危険なのかについて詳しく説明されることは稀です。実は、ルートンのつけすぎは植物にとって致命的な状況を引き起こす可能性があります。

⚠️ ルートンの危険性について

危険要因	詳細	対策
切り口の閉塞	ペースト状になって張り付く	極々少量の使用
酸欠状態	呼吸ができなくなる	薄く付着する程度
根張り不良	短い根が大量発生	適量使用と観察
成長異常	ホルモン過多による奇形	使用量の厳格管理

ルートンは水分を含むとペースト状になって切り口に張り付き、実験では挿し木から1週間経っても流れ落ちないことが確認されています。これが張り付くということは、切り口を塞いでしまうということを意味します。

挿し穂の切り口は、吸水だけでなく呼吸もしています。ペースト状になったルートンによって切り口が塞がれてしまうと、挿し穂が酸欠になってしまうのです。これが「致命的」と表現される理由で、湿度管理や水やりをどんなに徹底していても、ルートンのつけすぎが原因で失敗する可能性があります。

実際の使用例では、発根を促したい一心で「すぐに水で流されてしまうだろう」と考えて多めにまぶしてしまうケースが多く見られます。しかし、実際にはルートンはすぐに流れ落ちることはなく、むしろ長時間留まり続けるため、初心者が想像する以上に少量で十分なのです。

適切な使用量の目安

挿し穂の切り口を一度水で濡らす
ルートンを軽くまぶす程度（団子状にならないよう注意）
指で弾いて余分な粉を落とす
切り口に薄く付着する程度で十分

多くの実験結果から、ルートンを多く使用した場合、茎の至る所から根が出るものの、それぞれの根が短く、根張りとしては不十分な結果となることが報告されています。これは効果が強すぎることによる悪影響と考えられ、「付けすぎは逆効果」という結論に至っています。

メネデールは継続使用で効果を実感、安全性が高い

メネデールの最大の特徴は、安全性の高さと継続使用による効果の蓄積です。ルートンのような即効性はありませんが、植物の健全な成長をサポートする長期的な効果が期待できます。

🌱 メネデールの使用方法と効果

使用方法	希釈倍率	使用頻度	期待効果
通常使用	100倍	週1回程度	全体的な健康維持
挿し木時	100倍	水揚げ＋継続使用	発根促進サポート
弱った植物	50-100倍	毎日可能	回復促進
葉面散布	100倍	適宜	直接栄養補給

メネデールの基本的な希釈率は100倍です。希釈の目安として、メネデールのキャップ1杯（約10ml）を1リットルの水で薄めて使用します。状況に応じて50倍から200倍の範囲で調整が可能ですが、濃度を高くして時々使うよりも、標準的な濃度で継続的に使用する方が効果的です。

重要な注意点として、メネデールの希釈液は保存ができないため、使用する分だけを作ることが必要です。また、効果を最大限に引き出すために、冷暗所での保管が推奨されています。製造年月から5年ほどは使用可能ですが、早めに使い切ることで十分な効果を得ることができます。

メネデールは植物が必要とする鉄分を、吸収しやすい二価鉄イオンの形で供給するため、弱った株にも安心して使用できます。通常の土に含まれる鉄分は三価鉄イオンの形態で、植物はこれを二価鉄イオンに変換してから吸収していますが、メネデールを使用することで、この変換のプロセスを省くことができます。

様々な使用方法も魅力の一つです：

霧吹きでの葉面散布：室内での使用も可能
鉢ごとの浸水：弱った植物の緊急処置
継続的な水やり：最後の一杯だけメネデール希釈液にする工夫
挿し木の水揚げ：30分〜3時間の浸水処理

食用作物にはメネデールのみ使用可能、ルートンは使用禁止

園芸を始めたばかりの方が見落としがちな重要なポイントが、食用作物への使用可否です。メネデールとルートンでは、食用作物に対する使用制限が大きく異なります。

🍅 食用作物への使用可否

薬剤名	食用作物	使用理由・制限理由
メネデール	✅ 使用可能	安全な成分、人体への害なし
ルートン	❌ 使用禁止	化学合成物質、残留リスク

メネデールは安全な成分で作られており、食用作物にも使用できます。野菜や果樹の栽培に安心して活用することができ、室内での霧吹き使用も可能です。ただし、飲用はできませんので、子供の手の届かない場所での保管が必要です。

一方、ルートンは食用作物には使用できないため、注意が必要です。実際に果樹の挿し木にルートンを購入した園芸愛好家が「実を食べる植物には使用しないでください」という注意書きを見て慌てたという体験談もあります。

食用作物の栽培では、発根促進剤との併用を考える場合、メネデールのみの使用を検討することが賢明です。野菜苗や果樹の植え付けにも、メネデール単体で十分な効果が期待できます。特に以下のような用途で活用できます：

食用作物でのメネデール活用例

野菜苗の植え付け時：根の活着促進
果樹の植え替え：ストレス軽減
挿し木繁殖：安全な発根促進
弱った株の回復：栄養補給

果樹など大きな植物の場合、週に1回を目安に1ヶ月ほど継続してメネデールを与えることで効果が期待できます。雨で流されないよう、晴れの日を選んで使用すると良いでしょう。

多肉植物では無処理が最も効果的な場合もある

意外な実験結果として、多肉植物においては発根促進剤を使用しない方が良好な結果を得られるケースが報告されています。これは一般的な園芸の常識に反する結果で、画一的な方法にこだわらず、植物の特性を理解した対応の重要性を示しています。

🌵 多肉植物での実験結果比較

アエオニウムを用いた実験では、メネデールを使用した場合、カットしてすぐに挿した方が弱々しい結果となりました。これは、カットした断面からメネデールを吸収しすぎたことが原因と考えられています。

ルートンを使用した場合は、茎の至る所から根っこがもりもりと出てきて気持ち悪いくらいの状況になりましたが、1本1本の根っこが短く根張りとしては不十分で、吸水力も無処理の株に及ばない結果となりました。

この結果から導き出される多肉植物の最強の発根方法は：

カットして、すぐに土に挿す
腰水管理で水分を維持
薬品は使用しない

身も蓋もない結果ですが、最もカンタンな方法が、最も効果が高かったという興味深い結論です。ただし、これはあくまで特定の条件下での実験結果であり、季節や気温、植物の状態によって結果は大きく変わる可能性があります。

多肉植物特有の注意点

10度から25度程度が発根に適した温度
直射日光は避け、明るい日陰での管理
風通しの良い場所での管理が重要
夏の休眠期では発根促進剤も効果なし

ルートンとメネデールの正しい併用方法と注意点

併用する場合はメネデールで水揚げ後にルートンを極少量使用する
ルートンの正しい使用量は薄く付着する程度が適切
メネデールの希釈方法は100倍が基本、保存はできない
季節や植物の状態によって効果に差が出ることを理解する
挿し木以外の用途でも使い分けが重要
ダイソーなどで購入できるが品質と効果を考慮する
まとめ：ルートンとメネデールの使い分けで発根成功率を上げる

併用する場合はメネデールで水揚げ後にルートンを極少量使用する

ルートンとメネデールを併用する場合、正しい順序と方法を守ることが成功の鍵となります。間違った順序で使用すると、それぞれの効果を打ち消し合ったり、植物にダメージを与えたりする可能性があります。

📋 正しい併用手順

順序	作業内容	使用薬剤	時間	注意点
1	挿し穂の準備	–	–	清潔なカットが重要
2	水揚げ	メネデール100倍液	30分〜3時間	草本性30分、木本性2-3時間
3	軽く水気を切る	–	–	完全に乾燥させない
4	ルートン塗布	ルートン	–	極々少量、薄く付着
5	植え付け	–	–	あらかじめ湿らせた用土
6	水やり	メネデール100倍液	–	発根まで継続

最適な併用手順は以下の通りです：

まず、メネデールで水揚げを行います。メネデールを100倍に希釈した溶液を使用し、草本性の植物の場合は30分以上、木本性の植物の場合は2〜3時間のメネデール希釈液での水揚げが推奨されています。この段階で植物に必要な鉄分を補給し、挿し木のストレスを軽減します。

次に、挿し穂の表面の水分を軽く拭き取った後、ルートンを極少量付けて植え付けを行います。植え付け用の土はしっかりと湿らせておく必要があります。これは、根がない状態では自力で水を吸い上げることができないためです。

植え付け後は、再度メネデール希釈液で水やりを行うことで、より高い効果が期待できます。発根するまでの間は、2〜3日おきにメネデールを与えることも効果的です。また、霧吹きで水分補給する際にもメネデール希釈液を使用することができます。

この併用方法は、特にラベンダーでの実験で効果が確認されており、単独使用よりも高い発根率を達成したという報告があります。ただし、全ての植物に対して必ずしも効果的とは限らないため、小規模な実験から始めることをお勧めします。

併用時の重要なポイント

メネデール→ルートンの順序を必ず守る
ルートンは本当に少量で十分
継続的なメネデールでのフォローが重要
植物の状態を定期的に観察する

ルートンの正しい使用量は薄く付着する程度が適切

ルートンの使用で最も重要なのは適切な使用量の把握です。多くの園芸愛好家が失敗する原因は、「発根させたい」という気持ちが強すぎて過剰に使用してしまうことにあります。

⚖️ ルートン使用量の目安

使用段階	詳細な方法	注意点
切り口の準備	清潔な水で軽く濡らす	滴るほど濡らさない
ルートン塗布	軽くまぶす程度	団子状は絶対NG
余分除去	指で弾いて粉を落とす	薄い膜程度まで除去
最終確認	切り口に薄く付着	厚塗りしない

正しい使用手順を詳しく説明します：

挿し穂の切り口を一度水で濡らす：これによりルートンが付着しやすくなりますが、滴るほど濡らす必要はありません。
ルートンを軽くまぶす：容器から直接まぶすのではなく、小皿などに必要分だけ出してから使用することで、使用量をコントロールしやすくなります。
指で弾いて余分な粉を落とす：これが最も重要な工程で、団子状になった部分を完全に除去します。
最終的に切り口に薄く付着する程度：まるで薄いベールをかけたような状態が理想的です。

実験結果によると、ルートンを多く使用すると、茎の至るところから根が出るものの、一本一本が短く、根張りとしては不十分な結果となることが確認されています。これは効果が強すぎることによる悪影響で、「強力な薬だからたくさん使えばもっと効く」という考えは完全に間違いです。

使用量判断のコツ

白い粉が見える程度で十分
厚塗りは絶対に避ける
複数回の重ね塗りは不要
少なすぎるかな？と思うくらいが適量

多くの場合、初心者が「これで大丈夫かな？」と不安に思うくらいの量が、実は適切な使用量です。ルートンは水分を含むとペースト状になって切り口に張り付き、1週間経っても流れ落ちないという特徴があるため、最初に適切な量を付けることが極めて重要です。

メネデールの希釈方法は100倍が基本、保存はできない

メネデールの効果を最大限に引き出すためには、正しい希釈方法と使用タイミングを理解することが重要です。間違った希釈方法や保存方法では、期待した効果を得られません。

🧪 メネデール希釈早見表

用途	希釈倍率	水1Lに対するメネデール量	使用頻度
通常の水やり	100倍	キャップ1杯(10ml)	週1回程度
挿し木の水揚げ	100倍	キャップ1杯(10ml)	作業時のみ
弱った植物	50-100倍	キャップ1-2杯(10-20ml)	毎日可能
葉面散布	100倍	キャップ1杯(10ml)	適宜
緊急処置	50倍	キャップ2杯(20ml)	一時的使用

基本的な希釈方法は非常にシンプルです。メネデールのキャップ1杯（約10ml）を1リットルの水で薄めることで、標準的な100倍希釈液が完成します。計算を簡単にするため、1リットルのペットボトルに希釈率を書いておく方法もお勧めです。

重要な注意点として、メネデールの希釈液は保存ができません。これは成分の安定性に関わる問題で、時間が経過すると効果が減少してしまいます。そのため、使用する分だけを作り、その都度新鮮な希釈液を使用することが大切です。

メネデールの原液は、冷暗所での保管が推奨されています。直射日光や高温を避けることで、成分の劣化を防ぐことができます。製造年月から5年ほどは使用可能ですが、開封後は早めに使い切ることで十分な効果を得ることができます。

容量選択の目安

メネデールは100ml、200ml、500ml、2L、5L、20Lの様々なラインナップがあります。一般的な家庭での使用であれば、2L以下の容量で十分です。使用頻度や管理している植物の数に応じて選択しましょう。

効率的な使用方法

霧吹きでの葉面散布：室内植物に最適
鉢ごとの浸水処理：弱った植物の緊急処置
水やりの最後の一杯だけ：経済的な使用法
継続的な定期使用：健康維持目的

水やりの量が多い場合は、最後の一杯だけをメネデール希釈液にするという工夫もできます。これにより、経済的でありながら効果的な使用が可能になります。

季節や植物の状態によって効果に差が出ることを理解する

発根促進剤の効果は、季節や気温、植物の生理状態によって大きく左右されることを理解しておく必要があります。同じ方法を用いても、条件が違えば全く異なる結果になる可能性があります。

🌡️ 季節別効果比較

季節	気温帯	植物状態	効果期待度	推奨対応
春	15-25℃	活動期	⭐⭐⭐⭐⭐	標準的な使用
夏	25℃以上	休眠期(多肉)	⭐⭐	使用控えめ
秋	15-25℃	活動期	⭐⭐⭐⭐	効果的な時期
冬	15℃以下	休眠期	⭐	加温が必要

実験結果によると、10度から25度程度が発根に適した温度とされています。この温度帯を外れると、どんなに優秀な発根促進剤を使用しても期待した効果は得られません。

特に注目すべきは、夏の終わりなど、多くの植物が休眠状態に入る時期では、発根促進剤を使用してもほとんど効果が見られないことです。7月下旬の暑い時期に行った実験では、アエオニウムだけでなくほとんどすべての多肉植物が休眠状態で、まったく発根しませんでした。

一方、10月上旬の涼しくなってきた時期に同じ方法で実験を行うと、明確な効果の差が現れました。これは植物の生理活動が活発になったことによる影響と考えられます。

植物の状態による影響要因

花や蕾がついている枝：発根しにくい傾向
徒長した枝：発根率が低下
健康で太い枝：発根率が向上
カット直後の新鮮な切り口：効果が高い

また、天候も発根に影響を与える要因の一つです。晴れの日は葉の水分が蒸発しやすいため、曇りの日に挿し木作業を行うことが推奨されています。

環境管理のポイント

適切な温度管理：10-25℃を維持
湿度の調整：乾燥しすぎず、多湿すぎず
光の管理：直射日光を避けた明るい日陰
風通し：適度な通気性を確保

これらの条件を理解し、植物の状態に応じた対応を行うことで、発根促進剤の効果を最大限に引き出すことができます。

挿し木以外の用途でも使い分けが重要

ルートンとメネデールは挿し木以外にも様々な用途で活用できますが、それぞれの特性を理解した適切な使い分けが重要です。用途を間違えると期待した効果が得られないばかりか、植物にダメージを与える可能性もあります。

🌿 用途別使い分け早見表

用途	ルートン	メネデール	推奨度	注意点
挿し木	✅ 適用	✅ 適用	併用可	順序とタイミング重要
植え替え	❌ 不適	✅ 適用	メネデールのみ	根を切った時の回復
球根植え付け	✅ 適用	✅ 適用	使い分け	ルートンは薄くまぶす
種まき	❌ 不適	✅ 適用	メネデールのみ	発芽後の健全育成
弱った植物	❌ 不適	✅ 適用	メネデールのみ	継続的な栄養補給

植え替え時の使用では、メネデールが非常に効果的です。特に根を切ったときの植え替えにメネデールを使うと成績が良好という報告が多数あります。植え替えによるストレスを軽減し、新しい環境への適応を促進します。

球根類の植え付けには、ルートンも使用できます。ただし、ごく薄くまぶす程度の使用量で十分で、たくさんの量を減らせるほどではありません。ルートンの有効期限は5年程度のため、購入時期を考慮して適切に管理する必要があります。

種から育てる場合は、メネデールの使用が推奨されます。発芽後の健全な育成をサポートする効果があり、初期の成長段階で重要な鉄分を補給できます。一方、ルートンは種まきには不適切で、発芽阻害の可能性もあります。

特殊な用途での活用例

水挿しでの発根促進：メネデールとゼオライトの組み合わせ
密封水差し実験：ニオイバンマツリや金木犀での試み
根の回復処置：植え替え時の根切り処理後
ストレス軽減：環境変化時のサポート

水挿しを多用する場合は、メネデールとゼオライトの使用率が高くなります。土に挿す時は「メネデール吸水→ルートンで挿し木→水やりはメネデール」という多用パターンも効果的です。

ダイソーなどで購入できるが品質と効果を考慮する

最近では、ダイソーなどの100円ショップでも発根促進剤が販売されていますが、本格的な園芸用品との品質や効果の差を理解しておくことが重要です。

💰 価格と品質比較

販売場所	価格帯	内容量	成分濃度	効果期待度
ダイソー	100円	少量	不明	⭐⭐
ホームセンター	300-400円	15-20g	標準	⭐⭐⭐⭐
園芸専門店	500円以上	20g以上	高濃度	⭐⭐⭐⭐⭐
オンライン	価格競争	様々	表示確認要	商品による

ダイソー製品の特徴

低価格で試しやすい：初心者の入門用として最適
内容量が少ない：大量使用には不向き
成分濃度が不明：効果の予測が困難
品質のばらつき：ロットによる差の可能性

一方、専門メーカー製品の特徴

成分濃度が明確：効果の予測がしやすい
品質が安定：ロット間の差が少ない
使用方法が詳細：初心者でも安心
サポート体制：問い合わせ対応あり

ダイソー製品は「まずは試してみたい」という初心者には適していますが、本格的な園芸や重要な植物には専門メーカー製品の使用をお勧めします。特に高価な植物や失敗できない挿し木には、信頼性の高い製品を選択することが賢明です。

購入時の検討ポイント

使用頻度と必要量を考慮
対象植物の重要度を評価
初心者なら低価格から開始
慣れてきたら品質重視

まとめ：ルートンとメネデールの使い分けで発根成功率を上げる

最後に記事のポイントをまとめます。

ルートンは植物ホルモン剤、メネデールは鉄分補給の活力剤である
ルートンのつけすぎは切り口を塞いで植物を酸欠状態にする
メネデールは継続使用で効果を発揮し、安全性が高い
併用する場合はメネデール水揚げ後にルートンを極少量使用する
ルートンの適量は切り口に薄く付着する程度で十分である
メネデールの基本希釈は100倍で、希釈液は保存できない
食用作物にはメネデールのみ使用可能、ルートンは使用禁止である
多肉植物では無処理が最も効果的な場合もある
季節や植物の状態によって効果に大きな差が出る
発根適温は10-25℃で、この範囲外では効果が期待できない
挿し木以外にも植え替えや球根植え付けで使い分けが重要である
ダイソー製品は入門用として活用し、重要な植物には専門品を使用する
花や蕾のついていない健康な枝を選ぶことが成功の前提である
曇りの日の作業が蒸散を抑えて効果的である
植物の種類と特性を理解した上で薬剤を選択することが最重要である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

https://sakura-bonchan.hatenablog.com/entry/2022/10/24/233516
https://blog.goo.ne.jp/reiko0412ss/e/3f23d780f2278b89d2ab80dee8ff7f5a
https://gardenfarm.site/ruton-menederu-heiyou/
https://pukubook.jp/column/root-boosters
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_qa_detail&target_c_qa_id=41502
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1120018201
https://ameblo.jp/tennoishi-net/entry-12521427204.html
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10241935585
https://ameblo.jp/yu-zen1/entry-12556023913.html
https://note.com/tochousou/n/nb29a5be502d7

メネデール