パキラを水耕栽培で育ててみたいけれど、「ずっと水耕栽培のままで大丈夫なのかな?」「土に植え替えなくても元気に育つの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。実際のところ、パキラは適切な管理をすれば水耕栽培でも長期間元気に育てることが可能です。
この記事では、パキラを水耕栽培でずっと育てるための具体的な方法から、よくあるトラブルの対処法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。水挿しの方法、ハイドロカルチャーでの育て方、根腐れや成長不良の対策など、実践的な情報を網羅的にお伝えします。
この記事のポイント |
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✅ パキラは水耕栽培でずっと育てることができる理由と条件 |
✅ 水挿しとハイドロカルチャーの違いと選び方 |
✅ 長期間の水耕栽培で失敗しないための管理方法 |
✅ 根腐れやカビなどのトラブル対策と予防法 |
パキラの水耕栽培でずっと育てる方法と基本知識
- パキラを水耕栽培でずっと育てることは十分可能
- パキラの水耕栽培には水挿しとハイドロカルチャーの2つの方法がある
- 水耕栽培に適したパキラの切る場所は緑色の若い枝部分
- パキラの水耕栽培では適切な水換え頻度が成功の鍵
- 水耕栽培でも肥料は必要不可欠
- 水耕栽培のパキラが大きくならない理由は環境にある
パキラを水耕栽培でずっと育てることは十分可能
パキラを水耕栽培でずっと育てることは、適切な管理を行えば十分に可能です。パキラは本来、原産地では水辺に自生していることが多く、水に親和性の高い植物として知られています。
水耕栽培でパキラを長期間育てる場合、いくつかのポイントを押さえることが重要です。まず、パキラは根の生長が早く、丈夫な性質を持っているため、水耕栽培の環境にも比較的適応しやすいとされています。
🌱 パキラが水耕栽培に適している理由
理由 | 詳細 |
---|---|
原産地の環境 | 中南米の水辺に自生しており、湿潤な環境を好む |
根の性質 | 根の生長が早く、水中でも酸素不足になりにくい |
耐性の強さ | 病気になりにくく、環境変化に対する適応力が高い |
管理の容易さ | 基本的な水換えと栄養管理で健康に育つ |
ただし、水耕栽培でずっと育て続ける場合は、土栽培よりもこまめな管理が必要になります。特に水質の維持と栄養バランスの調整は、長期栽培の成功を左右する重要な要素です。
一般的には、根が出て枝が10cm程度まで伸びたタイミングで土に植え替えることが推奨されることもありますが、適切な環境を整えれば水耕栽培のまま数年間育てることも可能です。実際に、2年以上水耕栽培で育てている事例も多く報告されています。
パキラの水耕栽培には水挿しとハイドロカルチャーの2つの方法がある
パキラの水耕栽培には、水挿しとハイドロカルチャーの2つの主要な方法があります。それぞれに特徴があり、目的や環境に応じて選択することができます。
水挿しは、最もシンプルな水耕栽培の方法です。剪定したパキラの枝を水を張った容器に挿すだけで始められ、初心者の方にも取り組みやすいのが特徴です。透明な容器を使用すれば、根の成長過程を観察できるという楽しみもあります。
🌿 水挿しとハイドロカルチャーの比較
項目 | 水挿し | ハイドロカルチャー |
---|---|---|
初期費用 | 低い(容器と水のみ) | やや高い(ハイドロボール、肥料等) |
管理の手間 | 毎日の水換えが必要 | 3日に1回程度の水やり |
見た目 | シンプル | インテリア性が高い |
安定性 | 根が長くなると不安定 | 植え込み材で安定 |
長期栽培 | 短期~中期向き | 長期栽培に適している |
ハイドロカルチャーでは、ハイドロボールなどの植え込み材を使用することで、より安定した環境でパキラを育てることができます。植え込み材が根を支え、水と空気のバランスを調整してくれるため、長期間の水耕栽培により適した方法と言えるでしょう。
どちらの方法を選択するかは、育てる期間や管理にかけられる時間、インテリアとしての要求などを総合的に考慮して決めることをおすすめします。初めて水耕栽培に挑戦する場合は、まず水挿しから始めて慣れてからハイドロカルチャーに移行するという方法もあります。
パキラの水耕栽培に適した切る場所は緑色の若い枝部分
パキラの水耕栽培を成功させるためには、適切な部分を選んで切ることが重要です。どの部分を使うかによって、発根の成功率や成長速度が大きく変わってきます。
水耕栽培に適しているのは、幹から15cm以上伸びた緑色の若い枝です。この部分は細胞が活発で、水中での発根能力が高いとされています。木質化した茶色い部分よりも、まだ柔らかい緑色の部分の方が水耕栽培には適しています。
✂️ パキラの切る場所の選び方
ポイント | 詳細 | 理由 |
---|---|---|
枝の色 | 緑色の若い枝を選ぶ | 細胞が活発で発根しやすい |
長さ | 15cm以上の枝 | 十分な栄養を蓄えている |
節の数 | 2~3節含むように切る | 節から根や芽が出やすい |
切り方 | 斜めにカット | 水の吸収面積を大きくする |
切る際は、清潔で鋭利なハサミを使用することが大切です。切り口が潰れると水の吸収が悪くなり、細菌の侵入リスクも高まります。また、切った後は切り口を斜めにカットし直すことで、水分を吸収する面積を大きくすることができます。
枝についている葉も重要な要素です。葉を半分程度にカットすることで、蒸散量を減らし、水分バランスを調整できます。水に浸かる部分の葉は完全に取り除く必要がありますが、上部の葉は光合成に必要なので適度に残しておきましょう。
切る時期としては、5月から7月の成長期が最も適しているとされています。この時期はパキラの生命力が最も活発で、水耕栽培への適応も早くなります。
パキラの水耕栽培では適切な水換え頻度が成功の鍵
パキラを水耕栽培でずっと育てるためには、適切な水換え頻度を維持することが最も重要です。水換えを怠ると、水質が悪化し、根腐れやカビの原因となってしまいます。
季節によって水換えの頻度を調整することが大切です。夏場は毎日、冬場は3日に1回程度が基本的な目安となります。ただし、室内の温度や湿度、パキラの状態によっても調整が必要です。
💧 季節別水換え頻度の目安
季節 | 頻度 | 理由 | 追加の注意点 |
---|---|---|---|
春(3~5月) | 2~3日に1回 | 気温が安定している | 成長期なので観察を密に |
夏(6~8月) | 毎日 | 水温が上がりやすい | 直射日光を避ける |
秋(9~11月) | 2~3日に1回 | 気温が下がり始める | 室内温度に注意 |
冬(12~2月) | 3~4日に1回 | 成長が緩慢になる | 暖房による乾燥に注意 |
水換えの際は、容器の中の水を完全に交換することが重要です。継ぎ足しだけでは、老廃物や細菌が蓄積されてしまいます。また、容器のぬめりや汚れも定期的に洗い流す必要があります。
水換えのタイミングを見極めるポイントとしては、水の色や臭い、容器のぬめり具合をチェックすることが挙げられます。水が濁ったり、異臭がしたり、容器がぬめぬめしている場合は、頻度を上げる必要があるかもしれません。
使用する水についても注意が必要です。水道水を一晩置いてカルキを抜いたものを使用するのが一般的ですが、浄水器の水やミネラルウォーターを使用することも可能です。ただし、硬水は避けた方が良いとされています。
水耕栽培でも肥料は必要不可欠
パキラを水耕栽培でずっと育てる場合、適切な栄養供給は欠かせません。水道水だけでは植物が成長するために必要な栄養素が不足してしまいます。
水耕栽培用の液体肥料を使用することで、パキラに必要な栄養を供給できます。水換えのタイミングで肥料も一緒に与えるのが基本的な方法です。ただし、肥料の濃度が高すぎると根腐れの原因となるため、適正な希釈率を守ることが重要です。
🌱 パキラに必要な主要栄養素
栄養素 | 役割 | 不足すると |
---|---|---|
窒素(N) | 葉や茎の成長促進 | 葉の黄化、成長不良 |
リン酸(P) | 根の発達、花芽形成 | 根の成長が悪い |
カリウム(K) | 全体的な健康維持 | 病気に対する抵抗力低下 |
微量元素 | 各種生理機能のサポート | 葉の色が悪くなる |
肥料を与える頻度は、成長期には週に1回程度、休眠期には月に1~2回程度が目安となります。ただし、パキラの状態を観察しながら調整することが大切です。葉の色が薄くなったり、成長が明らかに遅くなった場合は、栄養不足の可能性があります。
市販されている水耕栽培用の液体肥料には、希釈率が記載されているので、必ず説明書通りの濃度で使用しましょう。濃すぎる肥料は「肥料焼け」を起こし、根を傷める原因となります。
また、有機肥料よりも化学肥料の方が水耕栽培には適しているとされています。有機肥料は水中で分解される際に酸素を消費し、根腐れのリスクを高める可能性があるためです。
水耕栽培のパキラが大きくならない理由は環境にある
水耕栽培でパキラを育てていると、「なかなか大きくならない」という悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。これは水耕栽培特有の環境的な制約が関係しています。
まず理解しておきたいのは、水耕栽培は本来、コンパクトに育てることを目的とした栽培方法だということです。土栽培と比べて根の広がりが制限されるため、自然と植物全体のサイズも抑えられる傾向があります。
📏 パキラが大きくならない主な理由
要因 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
根の制約 | 容器サイズで根の広がりが制限される | より大きな容器を使用 |
栄養不足 | 土栽培より栄養供給が限定的 | 適切な液体肥料の使用 |
光不足 | 室内の光量が不十分 | 明るい場所への移動 |
水分バランス | 根の酸素不足 | 適切な水位管理 |
パキラを大きく育てたい場合は、いくつかの工夫が必要です。まず、容器のサイズを大きくすることで、根の成長スペースを確保できます。また、適切な液体肥料を定期的に与えることで、栄養不足を解消できます。
光環境も重要な要素です。レースカーテン越しの明るい日光が当たる場所に置くことで、光合成が活発になり、成長を促すことができます。ただし、直射日光は葉焼けの原因となるため避ける必要があります。
もし本格的に大きなパキラを育てたい場合は、ある程度成長した段階で土植えに移行するという選択肢もあります。水耕栽培で根をしっかりと育ててから土に植え替えることで、より健康的に大きく育てることができるでしょう。
しかし、小さくてかわいいサイズを維持したい場合は、水耕栽培は理想的な方法と言えます。インテリアとしての観賞価値も高く、管理も比較的簡単なため、多くの方に愛されている理由でもあります。
パキラを水耕栽培でずっと管理するトラブル対策と実践テクニック
- パキラの水耕栽培で根腐れを防ぐ方法は水質管理にある
- パキラの水差しで根が出ない原因は環境条件の不備
- パキラの水耕栽培でカビを防ぐコツは清潔な環境維持
- パキラの水差しで冬場の管理は温度と湿度の調整が重要
- パキラの水差しでネバネバする時の対処法は即座の水換え
- パキラの水耕栽培から植え替えのタイミングは根の状態で判断
- まとめ:パキラの水耕栽培をずっと続けるための総合ガイド
パキラの水耕栽培で根腐れを防ぐ方法は水質管理にある
パキラの水耕栽培で最も気をつけなければならないトラブルの一つが根腐れです。根腐れは水耕栽培における最大の敵と言っても過言ではありません。しかし、適切な水質管理を行うことで予防することが可能です。
根腐れが起こる主な原因は、水中の酸素不足と有害な細菌の繁殖です。水が停滞し、酸素濃度が低下すると、根が呼吸できなくなり、やがて腐敗してしまいます。また、水温が高くなりすぎると細菌の繁殖が活発になり、根腐れのリスクが高まります。
🛡️ 根腐れ防止のための水質管理ポイント
管理項目 | 目標値・方法 | チェック頻度 | 注意点 |
---|---|---|---|
水温 | 15~25℃を維持 | 毎日 | 夏場の高温に特に注意 |
水の透明度 | 常に透明を保つ | 毎日 | 濁りは細菌繁殖のサイン |
容器の清潔度 | ぬめりなし | 水換え時 | 容器も一緒に洗浄 |
水位 | 根の2/3程度まで | 毎日 | 全部浸けすぎない |
根腐れの初期症状を見逃さないことも重要です。根が黒くなったり、ぶよぶよした感触になったり、悪臭がしたりする場合は、根腐れが始まっている可能性があります。このような症状を発見したら、すぐに対処する必要があります。
対処法としては、まず腐った根の部分を清潔なハサミで切り取ることから始めます。その後、容器を thoroughly消毒し、新しい水に交換します。根腐れ防止剤を使用することで、再発を防ぐことも可能です。
根腐れ防止剤には、イオン交換樹脂や焼成ゼオライトなどがあります。これらは水質を浄化し、根の周りの環境を改善する効果があります。ハイドロカルチャーで育てる場合は、容器の底に根腐れ防止剤を敷くことを強くおすすめします。
予防策として、**エアレーション(空気の供給)**を行うという方法もあります。小型のエアポンプを使用して水中に空気を送り込むことで、酸素濃度を高く保つことができます。特に夏場の高温時には効果的な方法です。
パキラの水差しで根が出ない原因は環境条件の不備
パキラの水差しを始めたものの、「いつまで経っても根が出ない」という悩みを抱える方は少なくありません。根が出ない原因はいくつか考えられますが、多くの場合環境条件の不備が関係しています。
まず重要なのは温度条件です。パキラは熱帯性の植物のため、20~30℃の温度帯で最も活発に成長します。室温が低すぎると、細胞の活動が鈍くなり、発根が遅れる原因となります。
🌡️ 発根に影響する環境要因
要因 | 適正条件 | 根が出ない原因 | 改善方法 |
---|---|---|---|
温度 | 20~30℃ | 低温による細胞活動の低下 | 暖かい場所への移動 |
光環境 | 明るい日陰 | 光不足または直射日光 | レースカーテン越しの光 |
水質 | 清潔な水 | 古い水による細菌繁殖 | 頻繁な水換え |
湿度 | 50~70% | 乾燥による水分不足 | 葉水の実施 |
切り口の状態も発根に大きく影響します。切り口が潰れていたり、古くなって変色していたりすると、発根が阻害される可能性があります。1週間経っても根が出ない場合は、水中で2~3cm程度、切り口を新しくカットしてみることをおすすめします。
発根促進剤の使用も効果的な方法の一つです。市販の発根促進剤を適量水に混ぜることで、発根までの期間を短縮できる場合があります。ただし、使用量は説明書に従い、過剰に使用しないよう注意が必要です。
また、節の数も発根に影響します。切り取った枝に2~3個の節が含まれているかを確認してください。節は発根しやすい部位であり、節がない部分からは根が出にくいとされています。
時期的な要因も考慮に入れる必要があります。冬場や気温の低い時期は発根まで時間がかかることが一般的です。パキラの成長期である5~7月に水差しを始めるのが最も成功率が高いとされています。
通常、適切な環境下では2~3週間で発根が始まります。1ヶ月以上経っても全く変化がない場合は、枝自体に問題がある可能性があるため、新しい枝で再度挑戦することを検討してください。
パキラの水耕栽培でカビを防ぐコツは清潔な環境維持
パキラの水耕栽培において、カビの発生は深刻な問題となることがあります。カビは見た目が悪いだけでなく、パキラの健康を害し、さらには人間の健康にも影響を与える可能性があります。
カビが発生する主な原因は、高湿度、不十分な通気、古い水質です。特に水が停滞している環境では、カビが繁殖しやすくなります。また、有機物の存在もカビの栄養源となるため、落ち葉などを水中に放置してはいけません。
🧽 カビ防止のための清潔管理チェックリスト
管理項目 | 頻度 | 具体的な方法 | 効果 |
---|---|---|---|
水換え | 毎日(夏場) | 完全換水 | 栄養源の除去 |
容器清掃 | 水換え時 | 中性洗剤で洗浄 | カビの胞子除去 |
落ち葉除去 | 発見次第 | ピンセットで除去 | 有機物の除去 |
通気確保 | 常時 | 風通しの良い場所 | 湿度調整 |
カビを発見した場合の対処法も重要です。白い綿毛状のものや、ぬめりを伴う変色が見られた場合は、カビの可能性が高いと考えられます。このような症状を発見したら、すぐに以下の手順で対処してください。
まず、汚染された水を完全に廃棄し、容器を中性洗剤でしっかりと洗浄します。その後、漂白剤を薄めた水(1000倍程度)で消毒を行い、十分にすすいでから使用します。パキラの根や茎に付着したカビも、流水でそっと洗い流してください。
予防策として木酢液の活用も効果的です。木酢液を1000倍程度に希釈してスプレーすることで、カビの発生を抑制できます。ただし、濃度が高すぎるとパキラにダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
環境改善も重要な予防策です。サーキュレーターや扇風機を使用して空気の流れを作ることで、カビの発生を抑制できます。また、室内の湿度を50~60%程度に保つことも効果的です。
カビが頻繁に発生する場合は、水耕栽培の方法を見直す必要があるかもしれません。ハイドロカルチャーに変更することで、より安定した環境を作ることができます。
パキラの水差しで冬場の管理は温度と湿度の調整が重要
冬場のパキラの水差し管理は、他の季節と比べて特別な注意が必要です。温度の低下と空気の乾燥が、パキラの成長と健康に大きな影響を与えるためです。
パキラは熱帯性の植物であるため、最低温度を10℃以上に保つことが重要です。これより低い温度では、パキラの生理活動が著しく低下し、最悪の場合は枯れてしまう可能性があります。
❄️ 冬場の管理ポイント
管理項目 | 夏場 | 冬場 | 冬場の注意点 |
---|---|---|---|
最低温度 | 20℃以上 | 10℃以上 | 窓際の冷え込みに注意 |
水換え頻度 | 毎日 | 3~4日に1回 | 水が冷たすぎないよう調整 |
置き場所 | 明るい日陰 | 日当たりの良い室内 | 暖房器具の近くは避ける |
湿度管理 | 自然湿度 | 加湿が必要 | 葉水で湿度補給 |
水温にも注意が必要です。冷たい水道水をそのまま使用すると、パキラにショックを与える可能性があります。室温と同程度の水を使用するか、水道水を数時間室内に置いて温度を調整してから使用することをおすすめします。
冬場は暖房による空気の乾燥が問題となります。葉水(霧吹きで葉に水をかけること)を定期的に行うことで、湿度不足を補うことができます。ただし、夜間の葉水は避け、日中の暖かい時間帯に行うようにしてください。
日照時間の確保も重要な要素です。冬場は日照時間が短くなるため、できるだけ南向きの窓際などの明るい場所に置くことが大切です。ただし、窓際は夜間に冷え込むことがあるため、厚いカーテンで断熱するなどの対策が必要です。
暖房器具の近くに置く場合は、直接温風が当たらない位置を選んでください。急激な温度変化や過度の乾燥は、パキラにストレスを与える原因となります。
冬場は成長が緩慢になるため、肥料の頻度も調整する必要があります。月に1~2回程度に減らし、濃度も薄めにすることが推奨されます。
パキラの水差しでネバネバする時の対処法は即座の水換え
パキラの水差しを続けていると、容器や根の周りがネバネバした状態になることがあります。これは主にバクテリアや細菌の繁殖が原因で、放置すると根腐れや枯れの原因となる可能性があります。
ネバネバした物質は、バクテリアが分泌する多糖類であることが多く、水質の悪化を示すサインです。この状態を発見したら、即座に対処することが重要です。
🧼 ネバネバした時の対処手順
ステップ | 具体的な作業 | 注意点 |
---|---|---|
1. 水の廃棄 | 汚染された水を完全に捨てる | 他の植物に水をかけない |
2. 容器の洗浄 | 中性洗剤でしっかり洗う | ぬめりを完全に除去 |
3. 根の清掃 | 流水で根を優しく洗う | 根を傷つけないよう注意 |
4. 消毒 | 薄めた漂白剤で消毒 | 濃度に注意(1000倍程度) |
5. 新鮮な水に交換 | 清潔な水で再開 | 室温程度の水を使用 |
バクテリアの繁殖を予防する方法も重要です。まず、水換えの頻度を見直してください。ネバネバが発生した場合は、通常より頻繁な水換えが必要かもしれません。特に夏場は毎日、その他の季節でも2日に1回程度の水換えを心がけてください。
水質改善剤の使用も効果的です。市販されている水耕栽培用の水質改善剤や、微量の木酢液(1000倍希釈)を添加することで、有害なバクテリアの繁殖を抑制できます。
容器の選択も重要な要素です。ガラスや陶器などの非多孔質素材を使用することで、バクテリアの付着を減らすことができます。プラスチック容器を使用する場合は、定期的により徹底的な清掃が必要です。
また、有機物の除去も重要です。落ちた葉や花、その他の有機物は速やかに取り除いてください。これらは細菌の栄養源となり、ネバネバの原因となる可能性があります。
**エアレーション(空気の供給)**を行うことで、水中の酸素濃度を高め、有害なバクテリアの繁殖を抑制することも可能です。小型のエアポンプを使用するか、定期的に水をかき混ぜることで効果が期待できます。
予防策として、漂白剤を1滴程度新しい水に加える方法もあります。ただし、量は極めて少量にとどめ、パキラの反応を注意深く観察してください。
パキラの水耕栽培から植え替えのタイミングは根の状態で判断
パキラを水耕栽培でずっと育てることは可能ですが、場合によっては土への植え替えを検討するタイミングが訪れることもあります。植え替えの判断は、主に根の状態と植物全体の健康状態を基準に行います。
植え替えを検討すべきタイミングとして、根が容器に対して大きくなりすぎた場合があります。根が密集しすぎると、酸素不足や栄養不足を引き起こし、成長不良の原因となる可能性があります。
🌱 植え替えタイミングの判断基準
判断基準 | 植え替え推奨度 | 理由 | 対処法 |
---|---|---|---|
根が容器を占領 | ★★★ | 酸素・栄養不足 | より大きな容器か土植え |
頻繁な根腐れ | ★★★ | 水耕環境が不適 | 土植えに移行 |
成長停止 | ★★☆ | 環境の限界 | 環境改善または植え替え |
より大きく育てたい | ★☆☆ | 個人の希望 | 土植えが効果的 |
植え替えの適切な時期は5~7月の成長期です。この時期であれば、環境変化に対するパキラの適応力が最も高く、植え替えのストレスを最小限に抑えることができます。
水耕栽培から土植えに移行する際の手順も重要です。まず、根を傷つけないよう注意深く水から取り出し、根についた植え込み材があれば優しく除去します。その後、観葉植物用の培養土を使用して鉢に植え付けます。
植え替え後の管理にも注意が必要です。土植えに移行した直後は、水分バランスが変わるため、控えめな水やりから始めることが大切です。また、直射日光を避け、明るい日陰で1~2週間程度養生させることをおすすめします。
一方で、水耕栽培を継続する場合の対処法もあります。より大きな容器に移し替える、植え込み材を追加する、適切な液体肥料を与えるなどの方法で、水耕栽培のままでも健康的に育て続けることが可能です。
ハイドロカルチャーへの移行も選択肢の一つです。水挿しからハイドロカルチャーに移ることで、より安定した水耕環境を提供できます。根腐れ防止剤を使用することで、長期間の栽培も可能になります。
植え替えを行わない場合でも、定期的な健康チェックは欠かせません。根の色、葉の状態、全体的な成長具合を観察し、必要に応じて管理方法を調整してください。
まとめ:パキラの水耕栽培をずっと続けるための総合ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- パキラは適切な管理を行えば水耕栽培でずっと育てることが可能である
- 水耕栽培には水挿しとハイドロカルチャーの2つの主要な方法がある
- 水耕栽培に適した切る場所は幹から15cm以上伸びた緑色の若い枝部分である
- 季節に応じた適切な水換え頻度(夏場は毎日、冬場は3~4日に1回)が成功の鍵である
- 水道水だけでは栄養不足になるため液体肥料の定期的な供給が必要である
- 水耕栽培では根の制約により自然と植物のサイズが抑えられる傾向がある
- 根腐れ防止には水質管理と根腐れ防止剤の使用が効果的である
- 根が出ない原因は主に温度、光環境、水質などの環境条件の不備にある
- カビ防止には清潔な環境維持と適切な通気が重要である
- 冬場の管理では最低温度10℃以上の維持と湿度調整が必要である
- ネバネバした状態は細菌繁殖のサインであり即座の水換えと清掃が必要である
- 植え替えタイミングは根の状態と植物全体の健康状態で判断する
- 発根促進剤や木酢液などの補助剤の適切な使用が栽培成功率を高める
- エアレーションによる酸素供給は根腐れ防止に効果的である
- 5~7月の成長期に始めることで最も高い成功率が期待できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://greensnap.jp/article/10111
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12296673362
- https://ohisama-no-syoko.info/pachira-rooting/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10161567470
- https://andgreen.direct.suntory.co.jp/blogs/contents/content70
- https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_qa_detail&target_c_qa_id=38334
- https://hitohana.tokyo/note/3008
- https://dcm-diyclub.com/diyer/article/21991
- https://tokyo-kotobukien.jp/blogs/magazine/10624
- https://www.instagram.com/p/C–bpThyKW_/?hl=zh-cn