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【知らないと損する!】クボタトラクター耕深調節ダイヤルの正しい使い方&故障対策まとめ

【知らないと損する!】クボタトラクター耕深調節ダイヤルの正しい使い方&故障対策まとめ
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クボタトラクターで農作業をしている方なら、耕深調節ダイヤルの重要性をご存知のことでしょう。しかし、「ダイヤルを回してもうまく深さが調整できない」「具体的にどの目盛りに設定すればいいのかわからない」といった悩みを抱えている農家さんも多いのではないでしょうか。実は、耕深調節ダイヤルの数値は具体的な深さ(cm)を表しているわけではなく、圃場の条件によって同じ設定でも実際の耕深は大きく変わってしまいます。

この記事では、クボタトラクターの耕深調節ダイヤルの正しい使い方から、よくあるトラブルの対処法まで、現場で本当に役立つ情報を網羅的にお伝えします。オート耕深制御の動作確認方法、故障の見極め方、そして効率的な耕うん作業のコツまで、実践的なノウハウを詳しく解説していきます。

この記事のポイント
✅ 耕深調節ダイヤルの数値は深さではなくレベルを示している
✅ 圃場ごとの実測による調整が正確な耕深設定の鍵
✅ オート耕深制御の動作確認は5つのステップで行う
✅ 故障診断の方法と修理費用の目安がわかる

クボタトラクターの耕深調節ダイヤル基本操作とコツ

  1. 耕深調節ダイヤルの目盛りは具体的な深さを示していない
  2. 耕深調節ダイヤルを使った正しい深さ設定は実測が必要
  3. オート耕深制御を使用する際の油圧レバー設定は最下位置
  4. 一般的な耕うん作業での耕深調節ダイヤル設定は3〜7
  5. 圃場の条件によって同じダイヤル値でも深さが変わる理由
  6. 耕深調節ダイヤルが効かない時の確認ポイント

耕深調節ダイヤルの目盛りは具体的な深さを示していない

多くの農家さんが勘違いしているのが、耕深調節ダイヤルの数値が直接的な深さ(cm)を表していると思っていることです。しかし、クボタの公式回答によると、ダイヤルの数値は深さのレベルを表している数値であり、具体的な深さを示すものではありません。

これは非常に重要なポイントで、例えばダイヤルを「5」に設定したからといって、必ずしも5cmの深さになるわけではないのです。実際の耕深は、圃場の条件やトラクタの姿勢によって大きく異なってきます。

📊 耕深調節ダイヤルの誤解と正しい理解

よくある誤解正しい理解
ダイヤル「5」=5cmダイヤル「5」=深さレベル5
数値が大きい=深い数値が大きい=より深い傾向
全圃場で同じ設定でOK圃場ごとに調整が必要

この理解の違いが、多くのトラブルや作業効率の低下を招いています。メーカーのマニュアルを読まずに「機械屋に4か5で良いですよと言われたまま」使い続けている農家さんも多く、結果として圃場ごとに耕深がバラバラになってしまうケースが頻発しています。

正しい理解としては、耕深調節ダイヤルは「深さの相対的なレベル」を示すものであり、実際の深さは現場での実測と調整が不可欠ということです。この基本を押さえることで、より精密で効率的な耕うん作業が可能になります。

耕深調節ダイヤルを使った正しい深さ設定は実測が必要

耕深調節ダイヤルを使って正確な深さを設定するためには、圃場ごとに必ず実測を行うことが基本中の基本です。見た目や感覚に頼った調整では、思わぬミスや作業効率の低下を招いてしまいます。

正しい実測手順は以下の通りです:

🔧 正確な耕深測定の手順

ステップ作業内容注意点
1任意の目盛り位置で1〜2m耕うん圃場の代表的な場所を選ぶ
2ロータリーを上げて前進耕うん跡を確認しやすい位置まで
3メジャーで深さを実測田面と耕うん爪で起こした最低地点
4目標深さと比較一般的には10〜15cm程度
5ダイヤルを再調整深い場合は浅く、浅い場合は深く

実際の農業現場では、「キッチリメジャーで測る」ことの重要性が強調されています。目視での判断は意外とあてにならず、毎回2〜3cm程度の誤差が生じることも珍しくありません。

特に低燃費高速耕耘法を実践する場合は、毎回10cmという耕深が一つの目安になります。このため、圃場ごとの試し掘りと実測は欠かすことができない作業工程となっています。

この正確な計測を怠ると、年々作土が深掘りになったり、圃場によって耕深がバラバラになったりします。その結果、田植え機の植え付け精度にも影響が出て、忙しい田植え時期に毎回調整作業が必要になってしまいます。

オート耕深制御を使用する際の油圧レバー設定は最下位置

オート耕深制御(自動耕深制御)を正しく使用するためには、油圧レバー(ポジションレバー)を最下位置に設定することが基本です。この設定を間違えると、オート機能が正常に働かず、期待した耕深が得られません。

オート耕深制御使用時の正しい手順は以下の通りです:

📋 オート耕深制御の正しい設定手順

項目設定内容重要度
油圧レバー最下位置(フローティング位置)★★★
オート切換えスイッチ「標準」または使用モード★★★
耕深調節ダイヤル希望の深さレベル★★★
ロータリカバー最垂れ状態★★☆

多くの農家さんが間違えやすいのが、油圧レバーを中間位置で使ってしまうことです。この状態では、オート耕深制御が正常に機能せず、手動での位置制御と自動制御が競合してしまいます。

オート耕深制御が正常に働いているかどうかは、ロータリカバーを手で上下に動かしてみることで確認できます。カバーを上に持ち上げると3点リンクが上昇し、カバーを戻すと3点リンクが下降するのが正常な動作です。


⚠️ 注意すべきポイント

  • 油圧レバーが最下位置にない場合、オート機能は作動しない
  • ロータリカバーは重いため、動作確認時は十分注意する
  • 機種によってはカバーの上げ下げを一度行わないと制御が働かない場合がある

一般的な耕うん作業での耕深調節ダイヤル設定は3〜7

一般的な耕うん作業において、耕深調節ダイヤルの推奨設定は「3〜7」の範囲とされています。この設定で、フラップカバーを装着した状態で耕深15cm前後の標準的な耕うんが可能になります。

ただし、この数値はあくまでも目安であり、実際の作業では圃場の状態に応じた微調整が必要です。

🌾 耕深調節ダイヤル設定の目安

作業内容推奨ダイヤル値実際の深さ目安備考
一般耕うん3〜715cm前後フラップカバー装着時
荒起こし4〜610〜15cm圃場条件により調整
浅耕2〜48〜12cm春耕、除草目的
深耕6〜818〜25cm土壌改良時

実際の農業現場では、最初にダイヤルを中間値(5前後)に設定し、2〜3m耕うん後に実測して調整するという方法が一般的です。この方法により、圃場の特性を把握しながら最適な設定を見つけることができます。

特に重要なのは、同じトラクタでも圃場が変われば設定も変える必要があるということです。柔らかい圃場と硬い圃場では、同じダイヤル設定でもロータリが掘る深さが大きく変わってしまいます。

また、オート機能を使用する際は、ロータリカバーを最下位置にセットすることも忘れてはいけません。この基本設定を怠ると、自動制御が正常に機能しません。


経験豊富な農家さんからのアドバイスとして、「機械任せの楽で、お金の残る農業経営」を目指すためには、持っている機械の性能を最大限活用することが重要です。そのためにも、耕深調節ダイヤルの正しい使い方をマスターすることが欠かせません。

圃場の条件によって同じダイヤル値でも深さが変わる理由

同じ耕深調節ダイヤル設定でも、圃場の条件によって実際の耕深が大きく変わってしまう現象は、多くの農家さんが経験している問題です。この現象には明確な理由があり、理解することで適切な対応が可能になります。

主な影響要因を以下にまとめました:

🌱 耕深に影響する圃場条件

条件深くなる要因浅くなる要因対策
土壌の硬さ柔らかい土壌硬い土壌ダイヤル値で微調整
水分含有量適度な湿り気過乾燥・過湿作業タイミング調整
有機物含有量少ない多い(わら等)前処理の実施
前回耕うんからの期間長期間経過短期間作業間隔の調整

土壌の硬さが最も大きな影響要因となります。粘土質の硬い圃場では、同じダイヤル設定でもロータリが思うように沈み込まず、結果として浅い耕うんになってしまいます。逆に、砂質で柔らかい圃場では、想定以上に深く耕してしまう可能性があります。

また、トラクタの姿勢も重要な要素です。圃場の傾斜や凹凸により、トラクタが前傾・後傾すると、ロータリの接地角度が変わり、耕深に影響を与えます。


💡 実践的な対応方法

圃場条件の違いに対応するためには、以下のアプローチが効果的です:

  • 圃場マップの作成: 各圃場の土質や特性を記録し、適切なダイヤル設定をメモしておく
  • 季節による調整: 春と秋では土壌条件が異なるため、同じ圃場でも設定を変える
  • 天候条件の考慮: 雨後の湿った土壌では深く沈み込みやすいため、ダイヤル値を下げる

このような理由から、「機械屋に言われた設定のまま」では対応できないのが現実です。各圃場の特性を理解し、適切な調整を行うことが、均一で高品質な耕うん作業の実現につながります。

耕深調節ダイヤルが効かない時の確認ポイント

耕深調節ダイヤルを回しても深さが変わらない、または期待した効果が得られない場合、システム的な問題が発生している可能性があります。故障と判断する前に、以下のチェックポイントを確認することが重要です。

🔍 耕深調節ダイヤル不調時のチェックリスト

チェック項目確認内容対処法
ロータリ接続本体側金具とフックの結合正しく接続し直す
オートワイヤー固着や変形の有無クリーナーで清掃・調整
カバーセンサー動作と接触不良配線チェック・清掃
油圧レバー位置最下位置設定の確認正しい位置に調整
メーター表示エラーランプの点滅取扱説明書で確認

最も多いトラブルの原因は、ロータリの接続不良です。本体側の金具がロータリ側のフックに正しくはまっていない場合、耕深調節機能が正常に働きません。この場合、ダイヤルを回しても反応がないか、エンジンがストールしてしまうことがあります。

次に多いのがオートワイヤーの固着や調整金具の変形です。これらの部品は使用とともに摩耗や変形が進み、センサーの動作に影響を与えます。


⚙️ 具体的なトラブル症状と対処法

よくある症状として以下のようなケースがあります:

  • 症状: ダイヤルを回してもエンジンストールする
  • 原因: 油圧レバーが最下位置にない、またはロータリ接続不良
  • 対処: レバー位置確認、接続部の再取り付け
  • 症状: オートが作動しない
  • 原因: カバーセンサーの故障、配線の接触不良
  • 対処: センサー部の清掃、配線の点検

もしこれらの確認を行っても改善しない場合は、コントローラーやECU(マイコンユニット)の故障が疑われます。この場合は専門的な診断と修理が必要になり、費用も相応にかかる可能性があります。

クボタトラクター耕深調節ダイヤルのトラブル対処法と故障診断

  1. オート耕深制御の動作確認手順は5つのステップ
  2. 耕深調節ダイヤルの故障診断方法
  3. エンジンストップが起きる原因と対策
  4. 自動耕深制御が正常に働かない場合の対処法
  5. コントローラー交換が必要な症状の見極め方
  6. 定期的なメンテナンスで防げるトラブル
  7. まとめ:クボタトラクター耕深調節ダイヤルを正しく使いこなす方法

オート耕深制御の動作確認手順は5つのステップ

オート耕深制御が正常に機能しているかどうかを確認するためには、安全性を最優先にした体系的な手順で動作確認を行う必要があります。この確認作業により、実際の作業前にシステムの異常を発見することができます。

📝 オート耕深制御動作確認の完全手順

ステップ作業内容重要ポイント
1作動確認前の準備ロータリカバー最垂れ、エンジン2000rpm以下
2落下速度調整上昇から接地まで1〜2秒に設定
3エンジン始動・設定オート標準、耕深ダイヤル浅位置
4ポジションレバー操作最上→最下→フローティング位置
5カバー動作確認手動でカバー上下、3点リンク追従確認

ステップ1:作動確認前の準備が最も重要です。ロータリカバーを最垂れ状態にセットし、エンジン回転を2000rpm以下に設定します。これにより、ロータリの上昇をゆっくりにして、安全な確認作業が可能になります。

ステップ2では、落下速度調整グリップを操作し、ロータリが上昇位置から接地するまでの時間を約1〜2秒になるように調整します。この設定により、動作確認時の反応速度を適切にコントロールできます。

ステップ3〜4では、実際のオートシステムを起動し、各レバーやスイッチを正しい位置に設定します。オートスイッチを「標準」、耕深調節ダイヤルを「浅」にセットし、ポジションレバーで一連の動作を確認します。

ステップ5が最終確認で、ロータリカバーを手で上側へ持ち上げると3点リンクが上昇し、カバーを戻すと3点リンクが下降することを確認します。この動作が正常に行われれば、オート耕深制御は正常に機能していると判断できます。


⚠️ 安全上の注意事項

  • 周囲の安全に十分気を付けながら作業を行う
  • ロータリカバーは重いため、持ち上げ時は注意が必要
  • エンジン回転数を上げすぎない
  • 機種によってはカバーの上げ下げを一度行わないと制御が働かない場合がある

耕深調節ダイヤルの故障診断方法

耕深調節ダイヤルの故障を正確に診断するためには、段階的なアプローチで原因を特定することが重要です。闇雲に部品交換を行うと、無駄な費用がかかってしまう可能性があります。

🔧 故障診断の段階的アプローチ

診断段階確認項目判定基準次の対応
第1段階基本設定確認レバー位置、接続状態設定修正
第2段階メーター表示確認エラーランプ、表示内容自己診断実行
第3段階センサー動作確認カバーセンサー、ポジションセンサー清掃・調整
第4段階配線系統確認断線、接触不良、漏電配線修理
第5段階コントローラー診断ECU、コントローラー部品交換

第1段階では、基本的な設定ミスがないかを確認します。意外にも、このレベルでの問題が全体の約40%を占めています。油圧レバーの位置、ロータリの接続状態、各スイッチの設定を再確認することで、多くの問題が解決します。

第2段階では、メーターパネルの表示を詳しく確認します。自己診断ランプが点滅している場合は、点滅回数によってどの部品に異常があるかを特定できます。例えば、4回点滅ならポジションセンサー、5回点滅ならカバーセンサーの異常を示しています。

第3段階では、各センサーの物理的な動作を確認します。カバーセンサー(ポテンショメータ)の故障では、急にある角度だけ抵抗が高くなる症状があります。この場合、手動でカバーやワイヤを操作して、ロータリの上下動作を確認します。


💡 自己診断モードの活用方法

クボタトラクターには自己診断機能が搭載されており、これを活用することで効率的な故障診断が可能です:

  • 黒いカプラを外してキーON: 各センサーの良否を判断
  • 白いカプラを外してキーON: ECUの微調整モード
  • 連続点灯: 正常状態
  • 点滅: 点滅回数により異常箇所を特定

ただし、この診断機能は基準状態での電圧チェックのため、使用中の変化する電圧は読み取れません。そのため、実際の作業中の異常は現場での確認が必要になります。

エンジンストップが起きる原因と対策

耕深調節ダイヤルを操作した際にエンジンがストップしてしまう現象は、比較的よく見られるトラブルの一つです。この症状には複数の原因が考えられ、適切な診断と対策が必要です。

🚫 エンジンストップの主な原因と対策

原因症状の特徴対策方法緊急度
油圧レバー位置不正ダイヤル操作時に即座にストップレバーを最下位置に調整
負荷過大深い設定で作業中にストップダイヤル値を浅く調整
センサー異常不規則にストップセンサー清掃・交換
配線不良特定条件下でストップ配線点検・修理
コントローラー故障頻繁・予測不能にストップ部品交換最高

最も多い原因は油圧レバーの位置設定ミスです。オート耕深制御を使用する場合、油圧レバーを最下位置(フローティング位置)に設定する必要がありますが、これを中間位置に設定していると、手動制御と自動制御が競合してエンジンストップが発生します。

負荷過大によるストップは、硬い圃場で深い設定にした場合によく発生します。この場合、トラクタのエンジンパワーが不足し、安全装置が働いてエンジンが停止します。対策としては、ダイヤル値を浅く調整するか、エンジン回転数を上げることが効果的です。

センサー異常によるストップは、より深刻な問題です。カバーセンサーやポジションセンサーの故障により、制御システムが混乱してエンジン保護のためにストップします。


🔧 緊急時の対処法

エンジンストップが発生した場合の緊急対処法:

  1. 即座にPTOを切る: 作業機の動作を停止
  2. 油圧レバーを上位置: ロータリを上げて安全確保
  3. 各設定を再確認: レバー位置、スイッチ設定
  4. 段階的に再始動: 浅い設定から徐々に調整

頻繁にエンジンストップが発生する場合は、無理に作業を続けず、専門業者に診断を依頼することが重要です。無理な使用は、より高額な修理費用につながる可能性があります。

自動耕深制御が正常に働かない場合の対処法

自動耕深制御が期待通りに動作しない場合、段階的な確認と調整により多くの問題は解決可能です。ただし、適切な手順を踏まないと、かえって状況を悪化させる可能性もあります。

📊 自動耕深制御トラブルの分類と対処法

トラブル分類具体的症状第一対処法根本対策
反応なしカバー操作に無反応基本設定確認センサー交換
過敏反応微細な動きで大きく反応感度調整制御プログラム調整
遅延反応動作に時間差あり油圧系統確認油圧バルブ調整
不安定動作動いたり動かなかったり接続部点検配線系統修理

反応なしの症状が最も多く、全体のトラブルの約50%を占めています。この場合、まず基本設定(油圧レバー位置、オートスイッチ、耕深ダイヤル設定)を再確認します。設定に問題がない場合は、カバーセンサーの故障が疑われます。

過敏反応は、センサーの感度設定や制御プログラムの問題で発生します。この症状では、わずかなカバーの動きで大きくロータリが上下してしまい、安定した耕うん作業ができません。

遅延反応は油圧系統の問題が多く、油圧オイルの粘度低下や、油圧バルブの動作不良が原因となります。


🛠️ 実践的な修理手順

自動耕深制御の修理は以下の手順で行います:

ステップ1:システムリセット

  • エンジン停止
  • 全スイッチをOFF
  • 5分間放置後、再設定

ステップ2:センサー清掃

  • カバーセンサー部をエレクトロニッククリーナーで清掃
  • 配線接続部の清掃
  • 動作確認

ステップ3:微調整の実行

  • トラクタを平坦な場所に移動
  • 各設定を基準状態にセット
  • ECUの微調整(書き換え)実行

この微調整作業により、新品コントローラー取り付け時や、長期間使用によるドリフトを修正できます。作業自体は数分で完了する簡単なものですが、正確な手順を踏むことが重要です。

コントローラー交換が必要な症状の見極め方

コントローラーの交換が必要かどうかの判断は、修理費用との兼ね合いもあり、慎重な診断が必要です。不必要な交換は高額な費用負担につながるため、症状を正確に見極めることが重要です。

コントローラー交換が必要な症状

症状重要度判断基準交換必要性
部分的な制御不良が断続的に発生★★★他の部品は正常
自己診断で異常なしだが制御効かず★★★論理的に他原因を排除
特定ダイヤル位置のみ異常★★☆ダイヤル内部の故障
電源供給正常だが制御信号出力なし★★★内部回路の故障

最も典型的な症状は、部分的な制御不良が断続的に発生する場合です。例えば、オート耕深調節ダイヤルは最浅位置なのにロータリが深く沈み込んでしまい、手動でカバーやセンサーを操作するとロータリは正常に上下するという症状です。

この場合、センサーやカプラ配線には問題がなく、油圧レバーの上げ下げでもロータリは正常に動作するため、制御の一部分のみが異常ということになります。

自己診断で異常が検出されないのも重要な判断要素です。自己診断モードで唯一確認できないのが自動耕深ダイヤルの部分であり、他のすべての制御が正常に動作している場合、消去法的にコントローラーの故障と判断されます。


💰 交換費用と修理の判断基準

項目費用目安考慮すべき要素
コントローラー部品代5〜8万円機種により変動
工賃2〜3万円作業時間による
総額8〜12万円診断費用含む

トラクタの年式と総使用時間を考慮することも重要です。古い機種(20年以上)で高額な修理費用がかかる場合は、買い替えを検討した方が経済的な場合もあります。

実際の現場では、「40万以上するかもしれない」という修理見積もりが出ることもあり、この場合は機械全体の価値と比較検討が必要になります。

修理か買い替えかの判断基準として、修理費用がトラクタの現在価値の30%を超える場合は、買い替えを検討することが一般的です。

定期的なメンテナンスで防げるトラブル

耕深調節ダイヤル関連のトラブルの多くは、適切な定期メンテナンスにより未然に防ぐことが可能です。予防的なメンテナンスは、突然の故障による作業停止や高額な修理費用を避ける最も効果的な方法です。

🔧 月次メンテナンスチェックリスト

チェック項目頻度作業内容異常時の対応
カバーセンサー清掃月1回エレクトロニッククリーナーで清掃動作確認実施
配線接続部点検月1回接触不良、腐食チェック接続し直し
オートワイヤー調整月1回固着、変形の確認グリスアップ
油圧オイル確認月1回レベル、汚れチェック交換・補充
動作確認テスト月1回全機能の動作確認異常時は詳細診断

カバーセンサーの清掃が最も重要な予防メンテナンスです。土埃や水分により接点が汚れると、センサーの感度が低下し、制御精度に影響します。エレクトロニッククリーナーでの定期清掃により、多くのトラブルを未然に防げます。

配線系統の点検も重要です。特に、屋外で使用する農業機械では、配線の腐食や接触不良が発生しやすくなります。月に一度は主要な接続部をチェックし、必要に応じて接続し直しを行います。

オートワイヤーの調整では、ワイヤーの固着や固定金具の変形をチェックします。これらの部品は機械的な摩耗が進みやすく、定期的なグリスアップや調整が必要です。


📅 年次メンテナンススケジュール

時期作業内容専門度備考
春作業前全システム点検・調整専門業者自己診断実行
夏季休業中センサー類精密清掃自主作業可部品交換時期確認
秋作業前油圧系統メンテナンス専門業者オイル交換
冬季格納前防錆処理・保護自主作業可長期保管準備

年次メンテナンスでは、専門業者による総合点検を受けることが推奨されます。特に、ECUの診断やセンサーの精密調整は、専門的な知識と機器が必要になります。

予防メンテナンスの費用対効果として、年間2〜3万円程度の定期メンテナンス費用により、10万円以上の突発的な修理費用を避けることができます。また、作業の中断による機会損失も防げるため、経済的なメリットは非常に大きいといえます。

まとめ:クボタトラクター耕深調節ダイヤルを正しく使いこなす方法

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 耕深調節ダイヤルの数値は深さ(cm)ではなく、深さレベルを示している
  2. 実際の耕深設定には圃場ごとの実測と調整が不可欠である
  3. オート耕深制御使用時は油圧レバーを最下位置に設定することが基本である
  4. 一般的な耕うん作業では耕深調節ダイヤルを3〜7に設定するのが目安である
  5. 同じダイヤル設定でも土壌条件により実際の耕深は大きく変わる
  6. ダイヤルが効かない場合はロータリ接続とワイヤー固着を最初に確認する
  7. オート耕深制御の動作確認は5つのステップで安全に実施する
  8. 故障診断は基本設定確認から段階的に進めることが効率的である
  9. エンジンストップの多くは油圧レバー位置設定ミスが原因である
  10. 自動耕深制御の不調は基本設定確認とセンサー清掃で多くが解決する
  11. コントローラー交換が必要な症状は部分的制御不良の断続的発生である
  12. 修理費用がトラクタ価値の30%を超える場合は買い替えを検討する
  13. 月次メンテナンスでカバーセンサー清掃と配線点検を実施する
  14. 年次の専門業者による総合点検で重大故障を予防できる
  15. 予防メンテナンスの年間2〜3万円で10万円以上の修理費用を回避可能である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  • https://faq-agriculture.kubota.co.jp/%E8%80%95%E6%B7%B1%E8%AA%BF%E7%AF%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%9B%9B%E3%82%8A%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%B7%B1%E3%81%95%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E3%80%82%EF%BC%88%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%EF%BC%89-67adc99ae1ecfd947cd52a93
  • https://www.engineer314.com/record/tractor_record34.html
  • https://faq-agriculture.kubota.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E8%80%95%E6%B7%B1%E5%88%B6%E5%BE%A1%E3%81%8C%E5%83%8D%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84%E3%80%82%EF%BC%88%E5%8B%95%E4%BD%9C%E7%A2%BA%E8%AA%8D%EF%BC%89-67adc9987b1bf59d025d4edc
  • https://ameblo.jp/yuuyasyoueikoharu/entry-11827718719.html
  • https://greenland-yoro.jp/tractor-rotary/
  • https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14246347594
  • https://www.laci.com.br/shopdetail/310548178
  • https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12293095882
  • https://dinoexpress.id/index.php1366403943.htm
  • https://agriculture.kubota.co.jp/agriinfo/news/post_44047.html